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第百九話「  」

 あれ、タイトル無くね?

 何やってんのあいつ。







「…………っ」


 お義兄(にい)さん……ちょっとアピールし過ぎな位、闘気が出てますけど!?


「アハハハッ、デュートですっ」

「アンジーですっ♪」

「ジェ、ジェ、ジェイドです!」


 ……またかよ。


 因みにビアンカはラーナに似ているが、眼鏡と髪型でなんとか回避できてるみたいだぞ。

 顔が瓜二つって訳じゃないしな。

 あくまで雰囲気と…………ハティーの言う匂いが似てるだけだし、ラーナの血縁がもういないってのはこの世界で有名らしいから、まぁ大丈夫だろう。


「こ……この方がドン君の言っていた頼りになる副官か」

「えぇ、どうでしょうか?

 本日リュウリュウさんに会えると聞いてハリキってましたから」


 ほんと空気が張り切って……というか張り詰めてらっしゃる。

 ミナちゃんなんて額や首筋に汗を……なかなかエロいな?


「よろしくおねがいしまーすっ♪」

「うむ、宜しくお願いする……いや、ドン君の交友関係には本当に驚かされるよ」

「畏れ入ります」

「うむ、君がジェイド君だね?」

「は、はいっ!

 宜しくお願いします!」

「よく戻ってくれたね、感謝する」

「とんでもありませんっ!」

「うむ、元気があって良いものだね」

「とても働き者で助かってます」

「ほぉ、それは遠回しにアンチを否定してるのかね?」

「えぇ、そうとって頂いても構いません」

「ちょっ、ドンさんっ!

 リュウリュウ様とアンチ様に対して何て事をっ!」

「いや、構わないよミナ。

 ふふふふ、適材適所…………私も勉強させてもらったよ」

「今後の神者ギルドに必要な事かと思います」

「うむ、重要な課題だと認識させられたよ」

「はい、是非ご検討ください」

「まったく、とんでもない人材が入ったものだ…………これは考えねばならんな」

「考える……と、いいますと?」

「いや、気にしないでくれたまえ」

「……はい」


 きっと俺を早めに殺さないといけないって考えてるか、良い感じに取り込んだ方が良いとか考えてるんだろう。

 元々殺そうとしてるってのは計算に入ってるから、早めになるっていうのは可能性が低い。

 となるとやはりリュウリュウの派閥に取り込んでくるって方向のが可能性が高いだろう。

 デュークがいてビアンカがいれば、俺達を殺すって選択肢はリュウリュウにとってかなりのデメリットだろうしな。

 ふむ……良い方向に転んでくれたのかしら?


 まぁ、危ない可能性も考慮しといて損はないか。

 現在の第9剣士部隊の弱点は…………ジェイドとミナか。

 この2人を人質とかにとられる可能性も無くはないわけだ。

 勿論ミナはリュウリュウ派だが、俺達がミナに好意や信頼を置いた時点でリュウリュウさんならスパッってミナを手放すだろうしな。

 ふむ、これくらいかしら?

 出来るだけ集団行動を心がけるとしよう。


「ところで、先日ドン君が会いたがっていた召喚士の件だが……」

「おぉ、会える感じですかね?」

「1週間後、全部隊に第9剣士部隊の仮稼働を正式に伝える為、召集会議を行う。

 その際、全ての剣士部隊と召喚士の召集をする予定だ」

「……うわぁ、挨拶とか苦手なんすよねぇ」

「ふふふ、剣士部隊は大抵がドン君の事を知ってるから問題あるまい」

「俺のみ参加って事で?」

「副官にも同席してもらう予定だ。

 デュート君に予定が入ってる場合は序列3位のミナでも構わんが?」

「僕は問題ないですよっ」

「だそうです」

「うむ」

「そういえば召喚士の方って何人いるんですか?」

「そういえば言ってなかったね、神者ギルドには10人の召喚士が存在する」

「勉強になります!」

「うむ、では1週間後の昼12時、1階の会議室に来てくれたまえ」

「はい!」


 あれ、捕われてるのは11人なはずだぞ?

 召喚士が10人…………どういう事だ?


【どれか1人の中に2人いるんじゃないかのぅ?】

【あれ、なんか変な声が聞こえる……】

【それわざと言ってるじゃろ?】

【久しぶりじゃない、どこで何してたのよ?】

【久々の休みを満喫してただけじゃい】

【あーあ……今の一言で、皆の嫌いな人ランキングのワーストトップ確定だね!】

【いくら神でも設定は変えられんのじゃ!】

【あんたがそれ言っちゃダメやん】

【ふーんだっ】

【うん、歳考えてくれ】

【老練な可愛さ――】

【はいまたねー】

【…………】



 なるへそなるへそ。

 (オーラ)総量で考えれば……バティラとガラードの2人がまとまってそうだな。


 しかし、副官付きで何人新キャラ出す気だよ……。

 俺、デューク、ガディス、レッド、ソージ、ザーボン、リュウリュウ、アンチが既出だろ?

 第1の副官、第2の副官、第3の副官、第4のターコムとその副官、第5の副官、第7ピエールとその副官、第8のレオナとその副官で…………11人。

 これに召喚士10人…………だと!?


 壱弐参(ひふみ)の奴……泡吹いて死ぬんじゃねーか?

 死んだら線香くらいあげてやるか。


 いや、これはまたキャラが多すぎて他者紹介になる回が近い……感じだよな?

 あれマジで大変なんですよね!




 待てよ……?

 1週間あるとか言ってたな?

 この1週間の間に何人か出す気なんじゃあんめぇな?

 ふむ、可能性は限りなく高いな。
















「本日は第7剣士部隊と協力して、過去に神者ギルドより逃げ盗賊団の親玉となってるテンダーを討伐して頂きます」


 イベント起こしたが故にテンダーっていう余計なキャラが増えたぞおい。


「僕がピエールだよ」

「副官のキングスと申します」

「わざわざお越し頂きありがとうございます」

「リュウリュウの頼みなら断れないよ」

「ドン様、本日は宜しくお願い致します」


 ピエール……純エルフだ。

 この時代なら稀少かもしれん。

 深緑の髪と目、エロゲー主人公みたいなボサボサ頭……あ、俺と髪型似てるわ。

 そして……デブってる。

 ザーボン以上に横にブルンブルンだ。

 身長180位、体重……180キロ以上だろうな。

 見た感じ…………アークと同じ位の強さだな。

 つまり俺の完全装備と同じ位の強さだ。

 武器は…………珍しいな、手斧か!

 なんつーんだっけ、ハチェットだかトマホークだかそんな呼び方だったはずだ。

 しかし投斧……?

 投げたら武器のウェポンエンチャントの恩恵が………………接近してそのまま闘うのかしら?

 両腰に手斧が2本装着されてる。

 って事は斧の2刀流なのかしら?

 2斧流とかって言うんだろうか?

 年齢は300歳ちょいってとこだろう。



 キングス……こいつは人間だな。

 青髪のイカス角刈りだが、前髪中央のみ尖がってる。

 彫が深く顔が長方形っぽく鼻が高い感じ。

 瞳も青で、藍色の制服にも合ってるな。

 剣はシンプルなロングソードタイプ

 年は35歳辺りで、身長175の、体重70ちょいってとこか?

 実力はそうだな……勇者ランキング20位ちょいってとこか?

 マイムマイムと同じ位だろう。

 確かにこの実力ならかなり強い位置なんだろうが、あのソージが第9剣士の候補になってたって事は、それ以上の実力の副官がいないって事なんだろうか?


 もしくはリュウリュウが操り易そうな人間に的を絞ってたのか?

 いや、そうすると俺の選定が……どうなんだ?

 俺は操り易いと思われてるんだろうか?


「あははははっ、まさかっ!」

「あ、はい」

「……いかがしたのです、ドン様、デュート殿?」

「あぁ、そういえば……過去神者ギルドから逃げ切っていたっていうテンダーってのは、俺達が協力しないといけない程強いんですか?」

「ドンさんやソージ様より早く第9剣士の候補となっていた人物です」


 そういうカラクリか。


「実力なら第7剣士の僕より上だと思うよ」

「おやぶん、出番ですぜっ」

「あはははっ、かしこまりましたっ」

「本当にあなた方の関係はよくわかりません……」

「失礼ながらドン様よりデュート殿の方が実力は上……ですよね?」

「うん、それも圧倒的に上だと思うよ」


 泣いちゃうぞ☆


「そして……あの美しい女性も……」

「あら、お上手ねっ♪」


 俺にはお上手じゃなかったぞ☆


「キングス、部隊長の前だよ」

「む、これは失礼致しました」


 散々言われた後だぞ☆


 完全装備ならビアンカより強いんだからな?

 次回の時間更新の時に少しアピールしなくてはならんな。

 ちょっとした急成長位許してくれるだろう。


「じゃあ逃げたのはここ最近って事ですか?」

「いいえ、1年前に脱退し姿を眩ませていましたが、ここ最近になり盗賊団の親玉になっている事が判明しました」

「根城までわかってるんですか?」

「ここより北西、チャベルンより北東にあるユグドラシルの木、そこより北に50キロ程行った場所に「アマロ」という小さい町があります。

 アマロより北に10キロ程行った山に頻繁に出没すると、アマロ支部より報告を受けています」

「アマロの北10キロね……」

「敵の戦力はどれ位だいっ?」

「おそらく剣士レベル100前後の手下が……およそ100人といったところでしょうか?」

「ピエールさん、作戦はどうします?」

「第9剣士部隊のドン部隊長……その実力を確かめに来たんだよ」

「ど真ん中ストレートですね」

「リュウリュウに言われた事をそのまま伝えたんだよ」

「ピエール様っ、シーッ!」


 ミナちゃん、喋った後で言われてもねぇ……。


「うん、もう黙るよ」


 えー、これ俺がサポートすんのか……?


「な、なるほど、これはリュウリュウさんの試験みたいなものって事ですね!」

「そ、そうでございますっ」


 リュウリュウの陰謀を暴くにしても時期ってもんがあんだよ。

 もうちょっと頑張れや……。


「じゃあ簡単な作戦ですが説明します」

「お願い致します、ドン様」

「デュートさんはテンダーの無力化を最優先」

「はーいっ」

「ピエールさんは実力的に強い者から順に無力化を心がけてください」

「殺しちゃダメなのかよ?」

「見事全員殺さず無力化したのであれば、部隊のウェポンエンチャントを無料で行いますよ」

「おぉ、それは頑張るよ」

「1人でも殺したら半額になります」

「むむむ……なのよ」

「5人を超えた場合は通常料金になります」

「キングス、1人でも殺したら序列が下がると思うんだよ」

「はっ、尽力致します!」

「キングスさんの役回りもピエールさんと同じです」

「かしこまりました!」

「僕はどうしたらいいですか!?」

「あれ、ジェイドさん……これ実戦ですよ?」

「無力化で良いんですよねっ?」

「おし、そんならミナさんに付いて出来るだけ実戦を学んでください」

「はいっ!」


 まぁ、と言ってもジェイドは勇者の80位前後の実力はあるだろうから、落ち着いて対処すれば問題ないだろうけどな。

 魔石や装備がレベルになる以上、剣士レベルは当てにならないだろうけどおそらく剣士レベル150以上が勇者になれる人材だろう。

 剣士ギルドにいる人間でも、勇者レベル70~80前後の剣士は多数いたが、多数の魔石を入手出来る努力と才能が剣士レベルの向上に繋がるんだろう。

 それが出来ない奴は神者ギルドはいらないってこった。

 勿論稀に先祖が使ってた魔石入りのレア装備とか、運が良いとかで急にレベル上がっちゃう人もいるけど、そういうのは基本的に落ちぶれていくもんだ。

 ソージも方向性はクソだが、神者ギルド内でしっかり生きる術を構築してたって点では優秀なんだろうな。


 少し話が反れたが、ジェイドはしっかりやれば遅れはとらないだろう。


「という訳で、ミナさんはジェイドさんの指導をお願いします」

「かしこまりました」

「ドン、私はどうすればいいのかしらっ?」

「アンジーは、ジェイドさんとミナさんの死角をフォローしてくれ」

「はーいっ♪」

「それで……ドンさんはどうするのです?」

「影で隠れて震えてます!」

「…………真面目にお願いします」

「では、俺の現在の二つ名を教えましょう」

「「「……二つ名?」」」

「追い剥ぎ狩りのドン」

「…………ドンさんの真面目の基準がわかりません」

「装備を奪うのが最良の無力化手段の1つですからね」

「僕はテンダーを無力化したらどうすれば良いんだいっ?」

「軽快な鼻歌をお願いします」

「あははははっ、了解しましたっ♪」

「キングス、ここ面白い部隊だよ」

「はっ、自分もそう思うであります!」

「面白いというより奇怪な部隊だと私は思います……」


 さーて、アマロに向かうかねー。

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