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転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)  作者: 壱弐参


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第九十三話「路頭に迷った旅人ですよ」

 さて、金の工面をしなくてはだな。


 とりあえずエヴァンスまでは戻って来た。

 昼間手続きだけして出て来た剣士ギルドへ向かうか。


 あの雰囲気嫌いなんだよなー。


 剣士ギルドは町の東側にある石造りだが自動ドアの雰囲気だけは出しましたって感じの場所だ。

 なんちゃってギルドとも言えるだろう。

 しかし、中にいる剣士達は結構強そうなのがチラホラ。

 おそらく勇者の70位~80位前後の強さだろうな。


 ま、俺の敵じゃないが、レベルシステムが結構面倒くさい。

 ……そいつの装備で決まるみたいなんだ。


 その魔石を手に入れられる実力があるならこのレベル〜みたいな感じで上がってったりする。

 つまり今の俺は……レベル3。

 ハイスピードの魔石だからな。

 ある程度の金さえあればゲット出来る物だとレベルの査定にあまり引っかからない。


 ってわけで、俺が今受注出来る仕事はこれ。


 ■魔物討伐…………ゴーレムウルフ1体、3000レンジ

 ■魔物討伐…………マグマラビット2体、1万5000レンジ


 単価もめっちゃ安い。

 因みに換金屋なんてもんはなかった。

 闇取引的なアレはありそうだけどな。

 とりあえず二つとも受注して…………それ以外の当て…………。

 勇者ハウスがあった場所と……オバルスが住んでた場所に行ってみるか。

 金稼ぎ…………ウェポンエンチャント屋でもやるか?

 そして武器が欲しい……。

 武器が売ってる店にも行ってみたんだが、やっぱり物価やべぇ……。

 魔石限度数2の武器が48万レンジですって奥さん。

 2000年前なら数万で買えたんですけど?

 マジ先が長いんですけど?

 誰か悪い奴が俺を追い剥ぎしてくれないかしら?

 大いにやり返すんですけど?











 はい、ゴーレムウルフとマグマラビットの討伐が終了し、ギルドへ報告。

 一応鍛冶屋でエンチャントの相場を確認してみたが、これに関しては以前と変わりなかった。

 さすがぼったくり商売。

 鍛冶用ハンマーは約18万レンジ。

 ルーペが約12万レンジ。

 とりあえずこれを目標に頑張るか……。

 さて、今日はオバルスの住処まで行こう。

 オバルスがいなくても、前みたいに牙とかが地面に転がってればめっけもんだ。














 何もなかったわ。

 おのれ、泣きたくなってきたぞ……。


 よし、日が暮れかかってるが勇者ハウスへ行こう。














 …………。

 何もなかったわ。

 すっごい更地で逆に驚いたわ。

 中央国なんて正に亡国って感じだぞ。

 瓦礫しかないわ。


 おぉ、神よ……。


【呼んだかの?】

【いや、あなたじゃなく本物の神をお願いします】

【…………】

【かなりこんがらがってますよこの世界】

【人間の世界なんてこんなもんじゃ。

 日常茶飯事ってやつじゃの】

【戦争とか起きたらしいっすよ】

【人間とは争うもんじゃ】

【…………】

【なぜ人間に「怒」の感情があると思っておる?】

【知らないっすよ……】

【ふふふ、自分を保つ為じゃよ】

【…………】

【「怒」を保てず相手にぶつける事で自分を保つのじゃ】

【丁寧な説明をありがとうございます】

【そこに欲望が絡むからここまでこんがらがるのじゃ】

【さすが神ですねー】

【ふふふ、認めたかの?】

【それなら神が風神や雷神と喧嘩した理由も説明がつきますね】

【すみませんでした】

【風神とは何で喧嘩したんです?】

【浮気がバレたのじゃ】

【本気じゃなくて良かったっすねー】

【そうですね】

【で、雷神とは?】

【今月の電気代が高くての……ちょっとクレーム出したら……その……】

【風神と雷神が悪くないって事はわかりましたわー】

【お主の様にクレームが少ない転生者も珍しいがな】

【自分ちょっと異常なんでー】

【神の心を抉る様な口撃が上手いのも珍しい】

【得意ですからー】

【ふふふ…………さて、これからどうするのじゃ?】

【んー、天界へ行ける場所ってどこなんです?】

【ストレンジワールドじゃと……魔界と呼ばれる場所の東の外れじゃったかの?】

【ナビゲーターが何で可能性で話すんですか……】

【魔界の外れじゃ…………多分】

【それじゃやることは変わらなそうですね】

【人間は金が好きじゃからのぅ】

【確かに大好きですが、魔界の外れって言ったらトップレベルの魔物が結構いるらしいので…………まぁ今はどうかわからないですが、今行って死ぬより十分に準備してから死にたいですからね】

【まぁ正解じゃの】

【利休が生きてるとかわからないんですか?】

【本当にすみません】

【はいはいと……】


 ん……誰かいるな?


【客かの?】

【勇者ハウスの更地に何の用ですか……】


「何者だ……」

「路頭に迷った旅人ですよ」

「この辺りは警備の手が届かない危険な場所だ、すぐに離れなさい」


 あ、カンテラカンテラ……。

 んー、結構な大男…………。


「なっ!?」

「どうかしたのかね?」

「い、いえ……」


 オーディスそっくりだわ……。

 ハーフエルフじゃない人間のオーディス版って感じ?


「ふむ、それなりに鍛えてはいるみたいだな……」

「ど、どうも」

「君なら大丈夫そうだね。

 ……うむ、気を付けてくれたまえ」

「わざわざありがとうございます」

「では失礼するよ」


 あいつがいるとはな……。

 やはり神者ギルド関係の人間なんだろうか?

 ……可能性は高そうだな。


【超展開じゃの】

【そんなのは望んでないんですがね】

【トラブルにモテて大変じゃのぅ】

【大半のトラブルは神関係なんですけど?】

【ふふふ、そんなお主にアドバイスじゃ】

【かわせてないですからね?】

【いいからアドバイスじゃ】

【……なんです?】

【西の国にもお主のルーツがあったじゃろ?】

【……ふむ】

【ふふふ、ワシ、今良い事言ったかの?】

【西の国に行って良い事があったら見直します】

【ふふふふ、平常運転じゃの】

【とりあえず今夜は…………あ、ちょっと寄り道します】

【む?】

【まだ勇者ハウス(仮)が残ってます】

【む、そういえばそんなのがあったのぅ】




 ダッシュ!!





 東に200キロ……ここら辺だが…………?


【あそこに光が見えるのぅ】

【マジだわ】


 廃墟だが確かに残ってる勇者ハウス(仮)……。

 2000年も残るものか?

 いや、新たに増築したりしたのかもしれないな。

 その廃墟に見える光……。


 んー……あれは…………女?

 白いロングの袖のないタイプのチャイナドレス?

 焦げ茶色のショートヘアで、やや目がおっとりしてる感じ?

 んーと……20歳位かしら?

 色白で……かなりのボインだ。

 ビアンカとキャスカの間位かな?

 スリットがエロい……が、あの下に武器を仕込んでるな?


「こんな所に誰かしら?」

「……路頭に迷った旅人ですよ」

「確かに格好がアレだけど、路頭に迷ってる様には見えないわね?」

「そーっすかね?」

「うふふ、目が違うわっ♪」


 ん、この感じどこかで……。

 あり…………似てるな?


「あなたは何故ここに?」

「こわーい人に追われてたのよっ♪」

「……赤髪の大男ですか?」

「あら、ガディスに会ったの?」


 ガディスっていうのかアイツ。

 んで、俺はこの女の正体がわかった。

 皆は気付いたか?

 焦げ茶の髪で語尾に「♪」が付いて、目がおっとりしてるんだ。

 なぜ2000年生きててこの若さなのかは…………スズメが原因か?

 首に付けてるグロウネックレスは……確かに俺が付けた物だ。

 ……大人になったな。


「俺は追われてませんでしたからね」

「で、貴方は何故ここへ?」

「懐かしい場所を散歩してただけですよ」

「……ここは1000年程この状態なのよ?

 あなたはハーフエルフだけど……1000歳以上には見えないけど?」

「……」

「貴方……何者?」

「俺から名乗るんですか?」

「……レナよ」

「ドンです」

「……偽名ね」

「そっちもそうでしょう?」


 …………。


「……力ずくでもいいのよ?」

「俺じゃ勝てませんよ」

「何故そう思うのかしら?」

「……スズメはもう外れたのか?」

「っ!?」

「まだいるなら久しぶりに会いたいもんだな」

「……だ、誰よあなたっ!!」

「……ビアンカは……俺を恨んでたか?」

「……っ!」

「キャスカは……ハティーは……スンにチャッピーにマカオにデュークは…………皆は……俺を恨んでたか?」

「…………」

「ごめんなぁ…………ラーナ……」

「……誰よぉ…………誰なのよぉ……なんでこんなに……涙がでるのぉ……うぅ……うぅうう……」

「ドンは……義理の父の名前。

 スンやチャッピーやマカオは……俺の親友の名前」

「……うそ」

「デュークは……師匠の名前」

「うそよ……」

「ビアンカは……妻の名前」

「う……そ……」

「そしてラーナは………………俺の娘の名前だ……」

「…………パパ?

 パパなの?」

「そのグロウネックレスを付けたのは俺だぜ?」

「パパッ!」

「おーよしよし……しかしその年でパパはどうなんだ?」

「……うん!」

「スズメは外れたんだな?」

「……うん!」

「スンは元気にしてるか?」

「……うん!」

「ごめんなぁ……俺な、雷に打たれて死んじゃったんだ……」

「……知ってるもん!

 パパァ……会いたかった……」

「そ、それは死にたかったって事かっ?」

「本当に会えるならそうしたもん!」

「……今じゃお前のが年上だな」

「えへへー、もう2000歳♪」

「大変だったなぁ……」

「……うん」




【本当に申し訳ない】

【ちょっと引っ込んでてください】

【はい】


























「――ってわけで今こうしてるわけだ」

「ホント、パパって変な事ばっかりするわね……」

「いや、俺がしたわけじゃないぞ?」

「ママから沢山聞いたわよ?」

「何を?」

「色んな事っ♪」

「ビアンカとデュークさんにそっくりだな」

「当然よっ、ママにレイアおばさん、デュークおじさんにアーク……皆に育ててもらったんだから♪」

「んで、お前なんで2000歳も生きててそんな若いんだ?」

「おそらく……スズメが入ったから私もスズメの様に生きてるだけなんだと思う……」


【そうなのか、髪?】

【髪じゃないわい】

【どうなんです?】

【ちょっと帰って検索しないとわからないかの?】

【交信終了】

【あ――】


「さて、何がどうしてこうなったか聞きたいもんだな」

「簡単な話よ、「中央国と勇者が共謀して、魔物を使い世界を支配しようとしてる」って神者ギルドが触れ回ったのよ」

「……別の国でって事か」

「そういう事。

 北の国と南の国で挟み撃ちよ。

 おかげで勇者ギルドの信用は失墜、テレスおばさん……陛下は亡命に追い込まれたわ」


 そう簡単に勇者ギルドが陥落するか?

 1000年の間で国力が衰えたのかもしれんな。

 テレスにも申し訳ない事をしたな……。


「…………テレスは生きてるのか?」

「先日……眠る様に亡くなったわ……」

「そうか……」

「最後まで「お兄様がいれば」って言ってたわよ」


 ズキズキ刺さるなこれ……。


「神者ギルドは数にものを言わせた戦術で、チャッピーおじさん達を捕えていったわ」

「ん、捕えた?」

「パパの時代とは違うのよ、(オーラ)が全てじゃないわ。

 (オーラ)を使うのはごく少数派……今は召喚術と魔術が主流なのよ」


 わお……。

 俺の予想だと……チャッピー達が召喚されるみたいだぞ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 大変面白かったです! 第一部は、、、 第二部の導入見て、今わかる限りでの、設定の朴訥さで、これ以上読む気が失せました、、、 神者ギルドが1000年とはいえ力を盛り返すとか、北と南の国に負ける…
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