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プロローグ
陽の光も届かぬ深い森の奥、湿った土と落ち葉の匂いが漂う場所で、少年はゆっくりと目を開けた。
体は冷え切り、筋肉は鉛のように重い。意識は朦朧としていて、手足を動かそうにも思うように動かず、頭の中は完全な空白だった。
ただ、そこにある自分という物質が確かに存在していることだけが分かる。
少年は濁った緑色の瞳で、ぼんやりと周りを見渡した。しかし森の隙間から差し込む光は余りにか細く、希望の意思、死への渇望さえも飲み込むような暗闇が広がっていた。何も答えてくれない、という確かな確信の中少年の意識は深淵へと沈んで行った。




