第4・5話
「はあ……。マジかよ……」
4話目の投稿を終え、俺は我に返った。
「(今回の話ではっきりした……。作中のキャラたちが俺の手を離れ、勝手に動き始めてる……)」
俺の体はこの作品を書いている間だけ、まるで催眠術で操られているかのように勝手に動いていた。
あれから色々と考えた末、俺はキースを序盤であっけなく死なせることにしたのだ。
講堂の戦いで生き延びる学院側の人間はフラットとレミ――――そして学院長の3人だけにするつもりだった。
しかし、学院長が予想外の行動に出て、キースを復活させたうえに10人近い生徒が生き延びてしまった。
俺は学院の生徒の名前をフラットとレミとキース以外は誰一人として考えていない。
「(俺の体に一体何が起こっている……?)」
フラットとレミは学院長に魔法を教わり、作中で強くなるはずだった。
しかし、学院長が死んでしまったために、二人が成長する機会を一つ失ってしまった。
キースでは完全に力不足だ。
「……」
話の内容は大きく逸れていない。
しかし、細部があまりに違いすぎている。
これで本当に物語が成立するのだろうか?
俺は不安を抱きながら席を立ち、仏壇の前へと向かった。