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第16・5話
「ヴァネッサの過去編……。これも予定にはなかった話だ」
16話目を投稿し、俺はパソコンの画面と向き合いながらつぶやいた。
「(彼女は最初から死ぬ予定のキャラだったからな……。そこまで設定を深くするつもりはなかった……。逆に今の流れには必要なエピソードかもしれない……)」
――――と、俺は納得する。
「(しかし、よくもまあ……、人が作ったキャラを勝手にここまで……。さすがにもう驚かないけど……)」
改変は今に始まったことではない。
話の内容が面白ければ、それでいい。
「(この流れだと、最初はヴァネッサの方が好きになったんだろうな……。剣が強いキャラって、やっぱカッコいいし……)」
今回の話に特に文句はない。
俺は非常に満足だ。
せっかく作った美人キャラを、何もさせずに死なせるのはさすがにもったいないと思っていた。
今回ばかりは、この事象に感謝だな。
「……そろそろ時間だ」
俺は仏壇の前へと移動し、両手を合わせた。
そして今回の改変を、誰かしらに感謝する。
そして俺は仕事へと向かった。