極刑な株式会社
この世の悪いことは大体自分が悪い。
適当なことを言っているわけではない。
そう俺だ。戦争が起こるのも、税金が高いのも。
俺の名前は玉露大義、ナンバーはE113。ふざけてはない。もちろんお茶の語源となった一族ではないし電車が好きなわけではない。俺はいたってまじめな掃除夫だ。今日も地下にある社員寮で食事をとっている。地下といっても床と壁はコンクリートでできている。キョッケーナ株式会社の社員だ。
「…俺はなぁ将来自衛隊に…っておい!話きいてんのか?」
ぼーっとしているとユウゾーに怒られた。もうこの話も聞き飽きてるし仕事に行くか。
「チッ!話聞いてんのかって聞いてんだよっ!」
目かっぴらきながら舌で俺の鼻を舐めながらユウゾーは言った
もうユウゾーと呼ぶはやめようか友蔵。しつこいぞ、毎日くそつまんねぇ夢の話聞かせやがって。最初に孫に甘い禿爺みたいな名前して面白いから近づいたのに馴れ馴れしくしやがって。俺の頭がおかしいという自覚はあるが、彼もまた頭がおかしい。普通なら周りから指摘され矯正されるが、25で潰されてないのは逆にすごいな。まあそれを除けばいいやつで面倒見もいい。彼は浮いてる俺を心配してくれるやさしいやつなのだ。
俺たちのしてる仕事は少し特殊だ。主な仕事は殺人現場の清掃だが、現場はすべて地下である。今やばそうなことをサラッと言ったが、なにもやましいことはない。殺人が起きたら血と遺体は消えるわけではない。俺たちみたいのがきれいにして事件前と同じ状態にするのだ。俺はサイコパスだから耐えられたものの、他の奴は2,3日で消える。友蔵によると俺は特殊な体質らしい。
「なにニヤニヤしてんだ気持ち悪い。早くいくぞ。」
急いで顔を引き締め頷いた。
ちなみにキョッケーナ株式会社で働いてるというのは嘘だ。あと幽閉もされてる。
次回予告
次で転生しまーす。