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なろラジのお部屋

1コ30円でたまごを売る私の話

作者: スタジオ めぐみ

これは私が小学生の時の話である。


飼育委員になるとウサギの世話ができると聞いた。

ウサギはカワイイ、どうにかして飼育委員になりたい私。

委員会を決める日、私は神様に祈った。

どうか飼育委員になれますように…お願いします、お願いしますと何度も祈った。


そして、なんとすんなり飼育委員になれたのだ。

祈った甲斐があった。

みんなウサギが好きじゃないのか?

委員会の集まりで絶望を味わうことになることをその時の私は知らず、ウサギに会えることにワクワクしていた。


委員会の集まりへ行ったら、ウサギ班とニワトリ班に分かれましょうと言われた。

ウサギ班の倍率は高い。


この頃は譲り合いを知らず、ジャンケンでほとんどのことを決めていた。

給食の余りもの、掃除の分担、あらゆるものをジャンケンで決めていた気がする。

そして私はジャンケンに負けて、ニワトリのお世話をすることになった。

曜日で餌やりと掃除を決めて解散だった気がする。

私はすごく残念な気持ちになり、罰ゲームが待っているように感じていた。


初めてのお世話はやる気がなかった。

ニワトリ小屋は臭かった。クチバシが怖かった。

掃除後にニワトリを小屋に戻すのが大変だった。

ニワトリは思ったより足が速かった。


3ヶ月経つと、ニワトリをカワイイと思い、小屋の掃除も初めての時と違い丁寧にできるようになった。

ニワトリを捕まえるのも上手くなった。


ただ、たまごが産まれた時は話が別だ。

たまごを職員室で売るのだ。

1コ30円。売り上げはニワトリの餌代になる。

買ってくれる先生はいない。

売れないたまごは、タダで持って帰る。

ウサギ小屋では子どもが産まれたと毎日賑やかだった。


そしてその後、小さいウサギは数を減らして逝った。

親ウサギが子ウサギを食べてしまうらしい。

私の中でウサギは怖い生き物になった。


1コ30円で売れないたまご。

前は普通に食べていたたまごが食べられなくなっていた。

親ウサギが子ウサギを食べる。

愛着が湧いてきたニワトリ、たまごを食べるのはいけないような気がしてしまったのだ。

他のたまごは食べられるのに。

そして売れないたまごを売る方法を身につけた。

担任の先生に「買ってください」とお願いするのだ。

ありがとう、先生!


ジャンケンで負けてニワトリ班になったけど、最後はニワトリのお世話ができて、良かったなと思った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 育ててたら愛着湧いちゃったんですね。 [気になる点] 改行していただけると読みやすいです。 [一言] 1個30円が高かったから買ってくれなかったのかも?
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