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03話 ギルド

「ここが目的地で間違いないわね」


 リゼは空中に浮かべた地図を見ながら、街の名前を確認する。因みに俺は文字を読むことができないので、全任せだ。あんな梵字とアラビア文字を合わせたような文字、読める気もしない。

 

「……ようやく飯にありつけるとうわけだな……」

「その前にギルドに行って小遣い稼ぎしないといけないけどね」

「あぁ、そんなもんもあったな。でも俺、何もできないと思うぞ。スマートフォンもぶっ壊れたし」

「それはごめんなさいって言ったでしょ。別に大丈夫よ。私が何とかするから」


 リゼが胸を張る。


「すげえ自信だな」

「こうでも思ってないと何もできないからね。じゃあ行くわよ助手」

「じょ、助手って……」

「使い魔よりはましでしょ?」

「まぁそうだがな……」

「とりあえずギルドを探しましょ」

「あぁ」


 街の門を潜ると、多くの人たちで賑わいを見せていた。どうやら、近くで市場が開かれているらしい。その雑踏の中をかき分け先に進む。


「凄い活気があるな……てかあの人耳長くないか? ……エルフ?」

「? あんたの世界に居なかったの?」

「エルフなんて空想上の生物だよ」

「へぇ。なら、あんたの世界で魔法が発達しなかった理由にも納得ね」

「何か関係があるのか?」

「勿論。一説によれば、人類に魔法を教えたのは漂流してきたエルフたちらしいの」

「……なんか鉄砲伝来みたいな話だな」

「てっぽう……でんらい?」

「こっちの世界の魔法みたいなもんだと思ってくれればいいよ」

「なるほどね。……それよりもあれっぽそうね」


 リゼが指さした先には周囲の建物と比べ、圧倒的に大きな建物があった。

 早速中に入る。すると、大きな掲示板に大量の張り紙が貼られている。おそらく、あそこに色々な依頼が書いてあるのだろう。何も分からないが。とりあえず、リザの隣に立ち、張り紙を物色する。


「これなんていいわね」


 リザは掲示板から一枚の張り紙を手に取る。


「何て書いてるんだ?」

「? いや、ただ見た中で一番報酬が多かったから」

「……選び方が小学生と同じじゃないか」

「そのしょうがくせい? がよく分からないけど馬鹿にされてることだけ分かったわ」

「あぁ……それが分かってもらえれば十分だよ」

「別にいいでしょ。ようは成功すればいい話なんだから」


 リザはそう言って受付にその紙を提出しに行く。


「この依頼を受けたいんですけど」

「はい、畏まりました。ところで依頼受付許可証はお持ちですか?」

「いらいうけつけきょかしょう?」


 リザがこちらに顔を向ける。なぜ、助けを求める顔をしているのだろうか。そもそも、何か試験があるという話をしてなかったか、こいつ。


「俺が知ってるわけないだろ」

「それもそうよね。その依頼受付許可証ってのはどこで発行できるの?」

「全国のギルドで可能ですよ。あの学生さんでしたら学生証があればすぐに発行することが……」

「学生じゃないです」


 リゼが受付の言葉を遮るように言葉を放つ。何か学生に思う事でもあるのだろうか。


「あ、はい。分かりました。では少し試験の方をさせていただきたいと思いますので、あちらの待合室の方で少々お待ちください」

「分かったわ」

「あの、試験を受けるのはおひとり様でよろしいですか」

「はい」

「後、もう一つ確認させていただきたいのですが、今回お受けされている依頼が、許可証の中でも一番ランクが上の方でしか受注することができないものになっておりますので、審査の方もレベルの高いものになってしまいますが、それでも大丈夫ですか?」

「あ、はい。大丈夫です」

「分かりました。ではこちらの紙に必要事項を記入して下さい。……ありがとうございます。では、準備ができ次第、お呼び致します」


 受付が終わると、案内を受けた待合室に向かう。


「お前、学生に何か恨みでもあるのか?」

「学歴が嫌いなのよ。私が持ってないから」


 単なる僻みだった。


「でもなんか納得したわ」

「これで納得されるのもなんか癇に障るのだけど。それに学院に通える環境じゃなかっただけだから、そこは勘違いされたくない」

「お……おう」

「こんな話どうでもいいしょ。それよりも審査って何をするのかしら」

「何かテンション高いな……」

「当たり前でしょ。ようやく私の実力がはっきりするのだから」

「そう言えばどのぐらいなんだろうな」

「師匠曰く、学院には余裕で通える程度らしいけど、身内の言葉だとね」

「まぁなぁ……、てか意外と自信が無い感じなのか?」

「比べられたことがないとどうしてもね」

「確かにな……。なんかいつも自信満々にしてるからそんなこと考えてたのは意外だな」

「私は自信は持つべきだと思うけど、過信はしないようにしてるの」

「なるほど、いい考えだな」

「でしょ」


 そんなことを話していると、先ほどの受付の声が聞こえる。どうやら、天井にある物体がスピーカーのような働きをしているらしい。


「じゃあ行くか」

「あれ、あんたも来るの?」

「ここで待ってるのも暇だろ。それにどんな審査をするのかとか気になるしな。……見られると緊張するタイプか?」

「そんなわけないでしょ。分かったわ、私の実力を目に焼き付けるといいわ」

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