儀式2
まさか私が魔法のある世界に転生するなんて……楽しみしかないじゃん!あれかな?勇者とか賢者とかいるのかな?回復魔法とか闇魔法とか?あ、聖女様とか!なんか私にも魔力がありそうだし……うん、どう考えても儀式受けるの一択だよね。
「で、具体的にはどうすればいいの?魔力が宿る場所って?15歳になったら誰でも儀式を受けられるの?」
ソワソワしながら訊ねる。もちろんハテナマークを浮かべてるソウシは無視して、ロイにね。
「儀式を受けるには母なる庭にいる御神木に会う必要があるんだ」
「御神木?」
「そう。大精霊の一人でね、魔力を解放することができるんだ。15歳になった者は誰でも儀式を受ける権利があるよ」
「それなら私も15歳になったら行ってみる!」
「そうだね、マナリエルなら間違いなく魔力はあるはずだから」
「お、おう……」
楽しみなのはもちろんだけど。そう言われると、もし魔力がなかったらって考えてしまう……すごいプレッシャー。え、ホントにあるかな?お母様が有名な魔法使いカルティア家の血筋らしいけど、それってカルティアの名前を持ってない私でも有効?ちゃんと血ぃ入ってる?
「ねぇ、もし儀式を受けて魔力がなかったらどうなるの?」
急に不安になってきた。
「何も。魔力が認められなければ、ただ家に帰るだけだよ。別に魔力があってもなくても、シルベニアを出ればあまり意味はないからね」
そうか、シルベニア以外の国では精霊がいないんだっけ。いまいち仕組みが覚えれないぞ。まぁ、細かいこと考えてもしょうがないよね。やるって決めたんだから。
「今晩早速お父様とお母様にお願いしてみようかな」
「マナリエル、まだ12歳でしょ?気が早いって言われるんじゃない」
ロイがくすりと笑う。はぁ、イケメン。全てがカッコいい。私の幼さを笑うけど、ロイだってまだ13歳。前世でいうと中学生になるかならないかくらいの年齢でしょ?思春期突入の時期に、すでにこんな完璧な容姿。まぁ出会った頃から完璧なんだけど。前世でもイケメンと言われる顔は何人か見てきたけど、ため息が出るほどの美形とはこういうことだと思った。
「ロイは12歳と思えないくらいカッコいいね」
思ったことは直接伝えるタイプです。
「ありがとう。マナリエルは世界中の誰よりも可愛いよ」
「まぁ、そういう仕様なんで」
スキルだし、絶世の美女。そんなスキルついてるくらいだから、成長したら残念な顔になるってことはないだろう。だって絶世の美女だし、私。
*****
その日の夜、早速両親に儀式の話をしてみた。二人とも元々受けさせるつもりだったようで、あっさりと承諾された。
「お母様は魔力があるんですよね。お父様は?」
「私も魔力は多少は持っているよ。だけど本当に少量で全く役に立たないものだけどね」
お父様は恥ずかしそうに笑った。話を聞くと、どうやらお父様とお母様は魔法学校で出会ったみたい。魔法使いのエリート一族のお母様と、魔力が底辺のお父様。どうやって恋に落ちたのかしら。今度また詳しく聞いてみよう。
て、ちょっと待って。私はお母様の血を受け継いでるだけではなく、お父様の血も受け継いでいるのよね?もしかして、魔力が底辺ってこともあり得るってこと?
「わ、私はお父様とお母様、どちらに似るんでしょうか……」
いかん、やっぱり不安だ。
「マナリエルちゃんは魔法使いになりたいのかしら?」
お母様が尋ねる。
「いえ、特にそういった希望はありません」
「ティスニーでは魔法はあまり役に立たないから、あまり魔力量にこだわる必要はないんだけど。マナリエルちゃんは将来シルベニアで暮らすのよね」
……ん?
「シルベニアに暮らすなら、やっぱり魔力はある程度あった方がいいよな」
お父様も頷く。あ、そうか。私ロイの婚約者だっけ。いつの間にかお父様公認になってるけど、これどこまで広まってるのかしら?さすがに正式じゃないわよね?
「どちらにしろ、親としては我が子の儀式は楽しみだな」
「そうね、ふふふ」
まぁ、いっか。仲睦まじく笑い合う二人を邪魔する気にはなれず、とりあえず目の前にある料理に集中することにした。あ、これおいし。




