表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖獣王国物語~課金令嬢はしかし傍観者でいたい~  作者: 白梅 白雪
課金令嬢はしかし傍観者でいたい
22/111

儀式1

 


「そういえば、マナは儀式は受けるのか?」


 ふいにソウシが尋ねる。


「儀式?」


 何の儀式だ?脈絡もなければ補足説明もない。首を傾げてみるけど、ソウシも同じように傾げるだけ。

 何の儀式だよ。知らんよそんなイベント。ていうか、ソウシはいつもそうだ。自分が知っていることは相手も知っている前提で話すから、時々内容が理解できない。バカなのかな?教師とか向いてないね、絶対。ダメだわ、せっかくイケメンなのにアホ面に見えてきちゃう。


「え、待って、なんでそんな哀れんだ目で見てくんの?」


「もしかしてマナリエル、儀式のこと知らないんじゃない?魔法を知らなかったから」


「ああ、そっか」


 ロイがすかさずフォローする。ていうか、もしかしてって何よ。ロイも知ってて当然みたいな雰囲気出しちゃって。何よ、二人して!


「いいか、マナ。とりあえずその目やめようか。あのな、シルベニアで魔法が存在するのは言ったよな。でも全員が魔力を持ってるわけじゃない。シルベニアでは15歳になると、ある儀式をするらしいんだ。その儀式を行うと、魔力がある者は開花するらしい……って、聞けよ!」


「聞いてるわよ」


 ちゃんと聞いてるのに、失礼しちゃう。ちょっとお花に水あげてるだけじゃない。ホースで水やりをしながら虹を作る私の姿を見て、ソウシはため息を吐いた。


「ダメだ、すねてる」


「すねてないわよ、聞いてるってば。あれでしょ?その儀式とやらで開花すれば、魔法使いへの道が開けますよーってことでしょ?」


「まぁ、そういうことだな」


「儀式を行わないと魔法を使えないの?」


「分からん」


「は?」


 思わず振り向く。ソウシは、だってお子様だもん☆とでも言いたげにウィンクしていた。この野郎。水かけてやろか。


「よく分かんないんだけど。そもそも私はその儀式を受ける権利はあるの?儀式を受けたとして、魔力があったらどうなるの?反対になかったら?学校行くの?働くの?魔法使いにならなきゃいけないの?ティスニーでは魔法が役に立たないんでしょ?精霊見つければいいの?全く分からないんですけど」


「俺も分からないんですけど」


「分からないなら、調べてから私に話せ!!」


「なんだよ!ちょっと聞いただけだろ!」


「ちょっと聞かれたら気になっちゃうじゃん!」


「それこそ知らねーよ!」


「やんのかコラ!」


「上等だ表出ろ!」


「ははぁーん、ここはもうお外ですけどー!ブワァーカ!イケメンの無駄遣いすんな!」


「お前には言われたくねーよ性格ブス!」


 ポン。


「ねぇ」


 ふいに、ソウシと私の肩に手が置かれた。ロイが二人の肩を掴んでいる。すごい笑顔で。目を細めて、口角上げて。


「ちょっと座ろうか」


 明るめの声で。


「「……はい」」


 無意識に二人で正座をする。これはあれだ、やばいやつだ。やっちまったやつだ。ソウシのせいだって訴えたいけど、それは彼にとって逆効果になることを私は知っている。もちろんソウシも。

 ロイ様、完全に怒っていらっしゃる。


 正座をする私とソウシの前に悠々と腰をかけるロイは、王子を超えて王様のような貫禄がある。まぁ中身は大魔王だけど。


「二人はさ、いくつになったんだっけ?」


「12歳です!」

「11歳です!」


 勢いよく答えておく。


「そうだよね、もう小さな子供じゃないんだよね」


 ゴクリ。


「それならさ、いい加減くだらないケンカはやめたら?」


 笑顔だけど、瞳の奥の奥が全然楽しそうじゃない!ゴゴゴゴゴゴって地響きが聞こえてる気がする!ああ、普段怒らない人が怒ると何でこんなに怖いんだろう。


「「ごめんなさい」」


 こうなったら、もはや謝る以外の選択肢はない。ロイはしばらく無言で見つめてきたあと、ハァと諦めたようなため息を吐いた。


「儀式のことは、僕が教えてあげる。ソウシよりは多少知識はあるから」


 ロイは怒ると怖い。怖いけど、なんだかんだめちゃくちゃ甘い。そしてそのあと、ソウシよりも豊富な知識で儀式について色々教えてくれた。


 まず15歳になったら、魔力が宿る神聖な場所に行くらしい。そこへ行くと魔力がある人は開花する。開花した人は必然的に魔法学校へ入学となり、もし私に魔力があれば、シルベニアの学校へ通うことになる。寮があるらしい。

 魔法学校へ通わないという手段もあるけど、行かなければ魔法の知識を増やすことは難しいため、今までそういう人はほとんどいなかった。やっぱりみんな魔力があるなら魔法使えるようになりたいよね。


 色々知りたいことは聞けた。さて、私はどうしよう。って、そんなの決まってるけど。せっかく新しい世界に来れたんだもん。


「私も儀式受けたい!!」


 やるしかないっしょ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ