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聖獣王国物語~課金令嬢はしかし傍観者でいたい~  作者: 白梅 白雪
課金令嬢はしかし傍観者でいたい
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薔薇の色1

 


 ソウシのおかげで、なんとなくティスニーの状況が分かった。ここが本当にソウシの描いた世界なら、だけど。まぁ、十中八九そうなんだろう。街に出ると野良猫多いし。イチゴが産地なのは知らなかったけど。


 そのあとはシルベニアについても教えてもらった。というより、魔法について教えてもらったという方が正しいかもしれない。


「んー。いまいちピンと来ないのよね、魔法」


「まぁ、実際見たわけじゃないからな」


 そう、この世界に来てから、一度も魔法というものを目にしたことがないのだ。魔法って、私の想像するもので合ってるのかな?よくあるチチンプイプイとか言うやつ?杖とか?


「他の国には魔法使いはいないの?」


「いるよ。リリーさんみたいに他の国へ嫁いだ魔法使いも少なくないからね」


「あ、そっか。お母様魔法使いなんだっけ」


「それも凄腕のな。ただしシルベニア国では、だけど」


 シルベニア国では凄腕の魔法使い。その言葉の意味はさっき説明してもらった。

 魔法を使うためには精霊の力を借りる必要があるらしい。自分の魔力が高ければ高いほど、より強い精霊の力を借りられるのだ。そしてその精霊は、シルベニア国にしか存在しない。精霊と人間が共存する地、それがシルベニアなのだ。


「つまり、シルベニアから出たら精霊がいないから、魔法は使えないってこと?」


「基本的にはそうだな」


「基本的にはって、使えることもあるの?」


「シルベニアから離れても魔法を使える人間はいる。少ないけどな」


 精霊がいないのに?どういうことだ?私が頭を傾げていると、ロイがくすりと笑った。くそぅ、カッコよすぎる。


「魔法を使う時には、近くにいる精霊から力を借りるんだ。でも精霊と個別に契約を結べば、契約を結んだ精霊は常にそばにいるようになるから、シルベニアを出ても魔法が使えるんだよ」


「ほほう、なるほど。でもそうする人が少ないっていうことは、精霊と契約することは難しいってことよね?」


「そうだね、小さな精霊ならそこまで難しくはないよ。ただ、ティスニーで暮らすなら、小さな精霊と契約を結ぶくらいなら機械に頼った方が早い」


 小さな精霊よりは、発達した技術の方が便利なのね。シルベニアの外で魔法を使える人は、よっぽど強い魔法使いっていうことでいいのかしら。それか魔法フェチとか。機械音痴とか。


「俺も創造主とかってスキルがあるけどさ、人物とかは全然決めてなかったし。もちろんストーリーなんかもなかったから、これから俺達がどうなるかは検討もつかないんだよなぁ」


 ソウシが軽くため息を吐いた。ゲームの世界に転生したなら、今後起こる出来事が分かって、それを回避するなり受けて立つなり対策を練ることができるんだろうけど。ソウシは世界観しか考えていなかったため、ストーリー設定が分からないのだ。

 ストーリー設定、ねぇ……。うーん。


「マナリエル、どうかした?」


 小さく唸る私に気付いて、ロイが問いかけた。


「いや、どうかしたっていうか、どうもしなくもないというか……」


「なんだよ、気になるじゃん」


 ソウシも身を乗り出して感心を示す。

 え、言うの?これ言うの?まじで?


「あーー、うん……」


「もったいぶるなよ」


 もったいぶっているつもりはない。ただ、上手な言い方を考えているだけです。


「じれったいなー!ずばっと言っちゃえよ!」


「マナリエル。何か気になることがあるなら、何でも言ってほしい」


 意外とせっかちなソウシと、心配してくれているロイ。うん、上手な言い方とか分からんわ。


「あのね、二人とも攻略対象かもしれない」


「は?」

「え?」


「ハエではない」


「「分かってるよ」」


 攻略対象ってなんだ?と理解していないロイと、どうやら察した様子のソウシ。


「あー、あれか。つまり、お前の大好きな恋愛ゲームみたいなやつか。会話を選択して好感度上がってくと恋愛イベントが発生して、最終的に結ばれるとかいう」


「そうそう、それ」


 何で分かるかって?だって二人のステータスを見た時にね、見つけたのよ。右上に薔薇の花があってね。ロイはピンク色、ソウシがオレンジ色だったの。


「ソウシ、あんた相当私のこと好きでしょ」


 薔薇の色は白色から始まり、水色、青、緑、黄色、オレンジ、ピンク、赤と変化していくはずだ。


「はぁ?んなわけ……いや、まぁ姉ちゃんだからな、嫌いって言ったら嘘になるけど……」


 少し照れ臭そうに顔を背けるソウシ。キランと薔薇がピンクに染まりましたとさ。

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