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Fliehen 〜耳が痛い話。〜

作者: のいや じゅん

その女の子は恵まれていました。

それなりに稼ぎのある暖かい家庭に生まれ、母が少し厳しくとも

ちゃんと女の子のことを見てくれます。


女の子は幸せな家庭に生まれました。


女の子は影響されやすいです。

アニメを見た夜は心の中で空を飛んでしまうような女の子です。


幼稚園生の女の子は純粋でいい子でした。

ケンカしてしまうこともあるけど、どこにでも居る可愛らしい女の子でした。

小学生低学年の女の子はいい子でした。

3年生になると男の子と沢山喧嘩しました。


少し悪知恵の働く、どこにでも居る女の子でした。


女の子は6年生になりました。

女の子はみんなに哀れんで欲しいとおもいました。

大丈夫?と心配されたいと思いました。


女の子は自分で自分をいじめました。

自分で自分の机に落書きをしました。

自分でトイレに悪口を描きました。

みんなの前で指を切りました。


みんな女の子が嫌いなのに、女の子は気づきませんでした。

女の子は自分がホントにいじめられていると思い込みました。

先生もきっと気づいていました。

でも何も言いませんでした。


女の子は受験勉強をしてました。

女の子は嫌なことから逃げます。

勉強がしたくないからそれっぽい理由をつけて休みました。

塾に行きたくないから行くふりをして夜の街をブラブラしました


女の子は第1志望に落ちました。


女の子は滑り止めの学校へ行きました。


女の子はやっぱり勉強したくありません。

だから勉強しませんでした。

ずっと勉強しませんでした。


ちょっと成績が悪くても勉強しませんでした。

英語が、どんどん出来なくなっても勉強しませんでした。


家でずっとゴロゴロしてました。


勉強はどんどん分からなくなりました。

先生に怒られました。

お母さんに怒られました。

お父さんに諭されました。


でも女の子は勉強しませんでした。


勉強したようにみせてのらりくらりとかわしてきました。


女の子はずっとずっと逃げていきます。

自分のやりたいことしかやりません。


アニメしか見ません。

漫画しか見ません。

本しか読みません。

スマホしかいじりません。

アイドルしか追いかけません。

曲しか聞きません。


なにも。

なにも。

なにも。


女の子は自分のやりたくないことから逃げ続けました。

高校進学は目の前なのに何も変わろうとしませんでした。


いくら怒られても。

いくら諭されても。


女の子は変わりませんでした。


先生に見放されました。

やっぱり女の子は勉強しませんでした。



女の子はきっといつまでも逃げ続けます。

女の子みたいな人間はきっと何を言っても変わりません。

痛い思いをしても変わりません。









女の子は逃げて逃げて、どこに行くのでしょうか。

それは誰にもわかりません。



その女の子は_________

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