おぼえてる。
今日は珍しく暇だったので、もう一本出します〜
「やっぱり、、、」
王宮の研究部を借りて調べていたクッキーの正体をオリバーは掴んでいた。
実験用のハムスターはクッキーを食べコロリと仰向けになっているが死んだのではない。眠っているのだ。
袋を開けた時のあの匂いは睡眠薬の原材料として使われる花の匂い。加工すれば普通の睡眠薬だがその蜜を直接舐めると桁違いに強い睡眠剤となる。そのくせ蜜自体の味は絶品なのだから食べ物に混ぜても普通は気づかない。しかもその花は山の奥に入れば自生しているときた。
そして何より恐ろしいのはその効力と時間だ。匂いを少しでも嗅げば眠気を誘い、食べれば1週間は起きない。
大量に摂取すれば長い眠りにつき栄養を補給できずゆっくりと死へと誘う。まさに〝眠り花〟。
「気づけてよかった、、、。この量は軽く致死量を超える、、、。」
急いでアンドレアに伝えなければ。もうあれから5日だ。
ずっと研究部にこもっていたからあいつがどうしているかも分からない、早く会いにいこう。
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「アンドレア、、、?誰だそいつは?聞いたこともないが、、」
「なっ、、!何言ってるんですか騎士団長!貴方の息子でしょう!」
「いや、私に息子は、、、いたか?なんだか記憶が曖昧で、、、。」
どういう事だ!騎士団長に聞いてみても夫人に聞いてみても誰1人彼のことを、覚えていない、、?!
「いたでしょう!赤髪の貴方の息子が!!」
「、、、?すまないが、よくわからない。失礼する。」
なぜだ!なぜわからない!いったいアンドレアに何があったんだ、、、!
もはや誰に聞いて良いかもわからず途方にくれていた。
「そういえば、、、」
あいつには溺愛している婚約者がいる。その子なら、何かわかるかもしれない、、、。名前は、、
「サクラ、、」
確か伯爵の愛娘だったか。
急いで伯爵の屋敷へ走った。
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なんでだれもお話をきいてくれないの?どうしてみんなアルのことおぼえてないの?アルはどこへいったの?
「うえぇ、、ひっく」
わたしにはだいすきなだいすきなこんやくしゃのアルという人がいます。
木からおちたわたしをぎゅって守ってくれました。だいじょうぶだよってほほえんでくれました。
そのときからずっとずっとわたしはアルがだいすきです。
でも、このあいだ『おうりつまじゅつあかでみい』というところへ行ってしまって会える回数が減ってしまいました。でも、しゅうまつには会いに来てくれたからさびしくなかったです。
でも、昨日はアルはうちへきませんでした。かなしくておとうさまにききました。そしたら
「誰のことだい?」
っていわれました。びっくりしていっぱいいっぱいせつめいしたけどなにも伝わりませんでした。アルはきえてじまっだんでじょうか、、。も゛ぅあえないのでずか。
「、、、、うぇぇぇぇん」
そのときわたしにお客さんだといつものめいどさんがいいました。アルかも!
わたしはいそいでおへやのとびらを開けます。でも、そこにいたのは、アルと同じくらいだけどちがうお兄さんでした。
「アルじゃない、、、。」
そうぽつりとつぶやくと、お兄さんは目をみひらきました。
「アル、ってもしかしてアンドレアのこと?」
こんどはわたしが目をみひらくばんでした。
「お兄さん、アルのことおぼえてる?、」
「もちろん、アルは僕の親友なんだ。」
、、、、わたしだけじゃなかった。
「、、、!よがったぁああぁ!しってるのわたしだけじゃなかった!ふぇぇぇん!」
おっきな不安がお兄さんのおかげでちっちゃくなっていっぱいいっぱいないちゃいました。
「私はアルを見つけ出したいんだ。協力、してくれるかい?」
おえつがとまらなかったから、わたしはちからいっぱいうなずきました。
明日は祝日なのに、、、。
部活です。しかも1日。
はぁぁぁ〜