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 5 作戦タイム

 翌日、また三人で浅草にパトロールに出かけた。

 金さんの兄弟はもういないよね?! 

 ミノタウロス怪人はもう出てこないよね?!


 いろいろ『警戒して』歩いていると、どこかで見たことがあるような気がする可愛らしい町人風の女の子を見つけた。


 「あれ、あの子、桜姫じゃないか♪」

 「本当だ!町人風の格好で何やってんだろうね?!」

 僕の視線に気が付いたカイザスさん、ついでアナスタシアさんが反応する。


 「いやいや、二人とも!将軍の娘さんがこんなところを一人で歩いているわけが…」

 そこまで言った時、僕の頭の中にデータが浮かんできた。


名前:桜姫 一五歳 人間 女

一五四センチ 四六キロ 七七 五五 七七

レベル:55

公儀隠密首領(剣士&忍者)

スキル:剣技(LV15) 体術(LV5)忍術(LV10)手裏剣術(LV5)

隠密行動(LV5) 情報収集(LV2) 会話術(LV2) 

 魔法(忍術):火遁の術(LV5) 現身の術((LV5))  

装備: 忍者装束 忍者刀+5(『月光』) 手裏剣 まきびし 火遁用爆薬 煙玉

称号 将軍の娘 隠密集棟梁(おんみつ姫)  


 はいーーー?!! 将軍家指南役の柳生尾張の守が、LV51剣士だったはずなので、この人何者なんですか??!!

 というか、このデータ、誤植かなんかじゃないの??!!



 「桜姫、ごきげんよう!!」

 いやいや、僕がパニクっているうちにカイザスさん、声かけちゃったよ?!


 「…カイザス、姫は隠密行動かもしれないのに声かけるのまずくないか?!」

 アナスタシアさんが口をはさむが、少し遅かったようだ。


 桜姫?はカイザスさんの声にビックリして周りを見回すと、僕たちを見つけて走り寄ってきた。

 「あれ、桜ちゃんのこと、桜姫って?」

 近くにいたおじさんが口を開くと、桜姫は慌てて被せるように口を開いた。

 「まあ、私のことを『姫』と呼んでもらえるなんて、光栄だわ!!でも、将軍家の姫様のお名前も桜姫なのだから、その呼び方は今度からしないでくださいね♪」

 拝むようにこちらに強い視線を向けながら、桜姫が言い切る。


 一瞬きょとんとしていたカイザスさんが納得したように口を開く。

 「ああ、なるほど!隠密行動…」

 「なるほど!!確かにお名前が被っておられますよね♪」

 アナスタシアさんが気まずそうな顔で、カイザスさんの口をふさいだ。


 「みなさま、お茶でも頂きながら少しお話しませんか?」

 桜姫が冷や汗をかきながら僕たちに提案してきた。



 浅草の某お茶屋は「隠密用の秘密の詰所」になっており、僕たちはそこで詳しい話を聞くことになった。


 「私の正体に気付かれるとは皆様さすがです。…ですが、このことはご内密にお願いしたいのです。ちなみに『対魔獣隊』を最終的に統括しているのは実は私です。

 今までは代理の人に指令を出して頂いてましたが、正体が発覚した以上意味がありません。これからはここで情報のやり取りをすることにしましょう。」

 「なるほど、オーラからしてただものではないことは最初からわかっていたけど、姫さんが俺らの指揮官てわけだね。その方が守りやすいし、助かるよ。」

 桜姫の言葉にアナスタシアさんがうなずく。


 「最初から気づいておられたのですか?!それから…『おーら』とは一体どういうものなのです?」

 「……オーラというのはその人の『霊的なものを含めた全存在』が生命力として『見える人には見える』んだよね。訓練だったり、特殊な感覚が必要みたいだけど。

 そのオーラを見れば、『巧人の言うレベルや潜在力』などが大まかに推察することができるのさ。

 その人のおおまかな善悪や体調、感情、『人間かどうか』とかもなれれば推測することもできるし。

 例えば巧人は今はレベルは高くはないみたいだけど、潜在力はすごいものがあるし、『すごくお人よし』とかも一目でわかったしね。」

 …アナスタシアさんに『お人よし』と言われて嬉しいような、悲しいような。

 何度も告白の度に「巧人君は『いい人』ね。でも…」で終わってしまったことか…。


 「…『れべる』とは何を意味するのです?」

 アナスタシアさんの話に興味を魅かれ、桜姫が聞いてくる。


 しばらく、僕たち三人が僕の『鑑定したこと』を基に解説し、桜姫と質疑応答を続ける。

 将軍家指南役や桜姫の技能やレベルと、僕ら三人の技能やおおまかなレベルの話をしたときは桜姫は絶句されていた。

 「あなた方が善人だからよかったようなものの、悪人だったら第2、第3の伴天連を呼んだ結果になっていたのですね。召喚術は基本使わない方がよさそうですね。」

 「そうだ、せっかくだからみんなの現状を巧人に鑑定してもらって、もう少し緻密な連携作戦がとれるようにしよう!」

 アナスタシアさんの提案で、僕が見たものを読み上げていくことにする。

 (※ スキル等は主要なもののみ挙げてます)



水守 巧人 17歳 人間 男

具現士

レベル:5

スキル:異世界言語(LV2) 異世界文字(LV2) 料理(LV3) 家事(LV2)

魔法: 情報(LV3) 武器具現化(LV3) 防具具現化(LV1) 回復(LV1) 

装備

称号 異世界召喚勇者 対魔獣隊・隊員



 「情報を持っておられるのは巧人さんだけなんですね。」

 「サポート技能もいろいろあるから、慣れてもらったら俺ら三人の司令塔になってもらってもいいよね。」

 「いえいえ、僕みたいな素人が司令塔とか!!」

 「はっはっは、それは大丈夫。私もアナスタシアも『基本的な判断』は大丈夫なので、要所要所で助言をもらえれば助かるということだよ。」



名前:カイザス・ド・メロービング 28歳 人間 男

魔法闘士

レベル:426

スキル:拳法(LV84) 日本語(LV2) 英語(LV4) 気を込める(LV80) オーラ視(LV30)ギター(LV10) 口説く(男女問わず)(LV120)料理(LV3) 家事(LV2) 

魔法(LV200):現在調整中

称号 異世界勇者 魔神戦士 モンスターバスター一〇星 対魔獣隊・隊員



 「レベル426て、すごいですよね。」

 「口説く(男女問わず)(LV120)て、なんですか?!もっと使える技能を上げましょうよ!!」

 「…巧人、私にとって、恋愛すること、口説くことは『息をするのと同じ』なのだよ。それをやめろと言うのは死ねと言っているようなものだ。」

 「…なるほど、それで、毎晩出歩いているわけだね。この『リア充』が!で、相手は女性、男性、両方?」

 アナスタシアさんがジト目でカイザスさんを見ると、カイザスさんは澄まして答える。

 「はっはっは、もちろん、両方だよ。……しかし、私以外の三人は『彼氏、又は彼女いない歴が年齢と同じ』なわけだね。」

 「「「なんでわかるんだ(ですか)?!」」」

 ……約五分後、頭に大きなコブを作ったカイザスさんを置いておいて、会議は再開された。


 「冗談抜きで魔法(LV200)が現在調整中なのが、ものすごく痛いよな。まともに使えれば、今の俺よりかなり強いはずなんだが。」

 「「ええっ?!本当なんですか??!!」」

 「『残念ながら』本当だよ。カイザス、早いとこ調整してくれよな。」



名前:アナスタチア(ナースチャ) パザロヴァ 一九歳 人間 女

一六五センチ 五五キロ 八四 五九 八三

レベル:1264

精霊騎士

スキル:剣技(LV400) ロシア語(LV4) 日本語(LV2) 英語(LV2)

 気を込める(LV240)オーラ視(LV60) 

 魔法:武器具現化補助(LV200) 防具具現化補助(LV200) 回復(LV20)

称号 異世界勇者 不死の騎士(双子揃って)モンスターバスター一〇星 

対魔獣隊・隊員


 「あの、センチとか、キロとか、いろいろな数字はなんですか?」

 「巧人!!余計な数字は読まなくていいから!!」

 「レベル1264とか、剣技、気を込める、武器具現化補助とか…反則クラスですね。」

 「双子のエレーナと組んで、武器と防具を顕現させたら、全モンスターバスターでもトップクラスの格闘戦能力だからね。」

 「普段は双子の妹さんとペアなんですか?」

 「そう。一人だと、剣に関して言えば世界最強レベルの達人だけど、魔王クラスの相手とかするには攻撃力・防御力とも足りないからね。巧人がいてくれて助かったわけだ。」

 「そうそう、巧人がいてくれなかったら、最初から全滅するところだったから♪おいしいご飯も食べられるし♪」

 「…ご飯であれだけど、家事、料理が技能にないよね。巧人に教わったら?」

 カイザスさんの言葉にアナスタシアさんが冷や汗をかく。


 「巧人、暇を見て教えてください。」

 珍しく?しおらしい感じでアナスタシアさんが頭を下げる。こんなアナスタシアさんもかわいくていいな…おっとっと!



 そんなことを話していると、お城におられた巫女さんが入ってこられた。


 「巧人、三奈木(みなぎ)の能力も教えて!私の補佐をしてくれているから、参考にしたいの!」

 おや、桜姫の目がキラキラしているぞ!本来は年相応女の子なのかもしれないな。


名前:佐々礼(さされ) 三奈木(みなぎ) 23歳 人間 女

一六二センチ 五四キロ 八六 六〇 八五

巫女

レベル:76

スキル:神霊術(LV25)陰陽術(LV20)他 

 魔法神霊術(LV25)陰陽術(LV20):召喚術(LV20)式神(LV20)他

称号 幕府専属陰陽師&巫女



 「へえ、こんな風に人の能力とかがわかるものなんですね。巧人殿はスゴイです。」

 きりっとした感じの清楚な美女の三奈木さんが感心して口を開く。

 「……幕府でトップレベルの人が術が(LV20)なら、カイザスさんの魔法(LV200)というのは使えたら、とんでもないチートだったんですね…。」

 「いわゆる西洋魔術の使い手でカイザス以上と言えるのは世界に二人しかいないからね。仙術や陰陽術なども加えるともう少しいるけど。」

 「で、では、カイザス殿の 口説く(男女問わず)(LV120)というのは神レベルの口説きの達人ということになるのですか?!」


 桜姫がじっとカイザスを見つめる。

 「性格がコレでも、口説きの技術が神レベルなのと、見た目がいいので、もてもてなんだよね。困ったもんだ。」

 「はっはっは、この中で唯一『彼氏、又は彼女いない歴が年齢と同じ』でないのはその辺に秘密があるのさ♪」

 「私だって、巫女でなければ…ムキーー!!」

 あ、三奈木さんが切れた…。


 …ノックアウトされたカイザスさんを放置して、『作戦会議』はしばらく続いたのでした。



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