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22 エピローグ

 ナースチャは自己紹介の時、にっこり笑って言った。

 「私が日本に留学しようと思ったのはこの学校に『命の恩人』がいるという情報が入ってきたからです。そして、幸いなことにその人を見つけることが出来ました。」


 教室中は大騒ぎになった。当然『僕のことを指している』のはすぐに分かった。性格的にナースチャはこんなことは言い出さないはずだから、『誰かの入れ智慧』だよね?!

 ちなみに『お互いに助け合った』のは事実だし、いつも『助かっている』と言ってくれていたから『本心で思ってくれている』可能性は高いと思う。

 どちらかというと僕たちの方が助けてもらったのだけれど…。


 「そ、それは本当なのか?!」

 担任の山縣先生が大きく反応する。

 「はい、本当です。」

 「よかったな…本当によかった!!」

 山縣先生が眼鏡を半分ずり落としながら号泣せんばかりに震えている。

 ナースチャが『感動屋』山縣先生を完全に味方につけたようだ…。


 「その人は…『水守巧人さん』です♪」

 クラス中の驚愕の視線が僕に集中する。

 先ほどとは比べ物にならないくらいの大騒ぎた。


 「水守!よくやった!!先生は感動している!!!」

 どう助けたかも知らないまま、山縣先生は号泣し始めた。

 …これは『説明しろコール』がすごいことになりそうだ…。

 ナースチャに任せるしかないな…。


 「アナスタシアさん!よかったらこちらの席に代わって!

 私は空いている席に代わるから!!」

 僕の左隣の高梨さんが感極まって叫んでいる。

 バレー部主将の熱血漢だ。…以前すでに彼氏がいるとかで振られたことがあります。本当に申し訳なさそうに断られたので、逆にその分『お返し』をしたいと思ってくれていたようだ。


 「ありがとうございます!!『私』本当に嬉しいです!!」

 ナースチャが高梨さんに思いきり頭を下げている。

 …もしかして、これか?!『僕の隣の席』を含めた『クラス公認の恋人』が目的か?!

 ナースチャに入れ智慧した人、恐るべし!!



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 ナースチャのクラスメイトに対する説明はこんな感じだった。


 日本に単身旅行に来た際にパスポートと持ち物全てを泥棒に取られたところを僕がこまめに面倒を見たことで、助かったのだと。

 その時は『カタコト』の日本語と英語しかできなかったから、英語を使いこなせて、親切な僕がいてくれたことで無事帰国できた…ということにした。


 これで『皇以外』のクラスメートは僕たちのカップル成立を大喜び…という空気になってくれた。皇も敵対的というわけではなく、『僕たちの実態』を知っているから半ば呆然と成り行きを見ていたという感じだ。



 「そうそう、もちろんアナスタシアさんの校内案内は水守な。」

 2時限が現国の授業だったので、授業終了後、山縣先生と僕、ナースチャはそのまま職員室に向かって歩いている。

 「山縣先生の助言のおかげでうまくいきました。ありがとう♪」

 「いえいえ、『ロシアの英雄』のお役に立ててうれしいです♪」

 「ちょっと待って!なにその会話!『助言者』は山縣先生?!そして、なんで『ロシアの英雄』て知ってんの?」


 僕が思わず叫ぶと、山縣先生は人差し指を口に当てると囁くように言った。

 「水守。実はこの学校は生徒の半分がアナスタシアさんみたいな『常識の範疇外』の生徒さんという『特殊な学校』なんだ。私もこれでもモンスターバスターの端くれでね、教師と兼任という形を取っているんだよ。

何かあったら二人とも私に相談してくれれば対処するから。」

 山縣先生はにやりと笑った。


 ……僕の日常は思った以上に『非日常と隣り合わせ』だったらしい。

 …でも、さすがに妹が魔法少女とか、その友達で同級生がモンスターバスターでスーパーヒロインとか…冗談ですよね?冗談にしてください!



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「今日から体育の授業を担当する『カイザス』です。カイザス・ド・メロービングといいます。皆さんよろしく♪」

 青いジャージを着たカイザスさんがきらっと歯を光らせて笑っている。

 ……これ、夢ですよね?!夢だと言ってください!!どんな悪夢ですか?!!


名前:カイザス・ド・メロービング 28歳 人間 男 魔法闘士 体育教師

レベル:432

スキル:拳法(LV86) 日本語(LV4) 英語(LV4) 気を込める(LV83) オーラ視(LV33)ギター(LV12) 口説く(男女問わず)(LV131)料理(LV4) 家事(LV3)

魔法(LV200):

称号 元異世界勇者 魔神戦士 モンスターバスター一〇星 元対魔獣隊・隊員

 残念王子 大魔王ベヒモス討伐補助

善良度:☆☆☆☆☆☆ (通常は最低☆~最高は☆☆☆☆☆)

特記事項  現在『恋愛中』 対象:巧人 愛の深さ:LV12


 他の技能もそれなりに上昇しているようですが、『口説く』が123⇒131とか、あなたの本職は一体なんですか?!あと、何気に僕への『愛の深さ:LV12』とか、くらくらしそうなんですが?!


 隣にいたナースチャや、皇も完全に固まっている。

 そして、『正体を知らない』女生徒たちはきゃあきゃあ言っている。

 これは…夢を壊さない方がいいかもしれないね…。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~


 カイザスさんも授業はそれなりにまともにやってくれた。

 最大の心配事の一つは杞憂に終わってくれたようだ。



 そして、みんなに冷やかされる以外は大過なく放課後を迎えることになった。

 ナースチャは今日から下宿するというので下校時に早々に別れた。

 嬉しそうにスキップしながら下宿に向かうナースチャを見て僕も嬉しくなってくる。



 通り道の洋菓子店マジックを見ると、美佐の話通り、営業が再開されていた。

 そうだ!お菓子を買ってナースチャにプレゼントしよう!彼女は甘系が大好きだから♪


 「いらっしゃい♪あれ、巧人君。いつもありがとう。」

 五月雨さんがニコニコして僕を迎えてくれる。

 「昨日の事件は大したことがなくてよかったですね。それと…ご婚約おめでとうございます。」

 「ありがとう。情報が早いなあ。美佐ちゃんたちにはお世話になったから少しサービスさせてね。何がいいかな?」

 五月雨さんが嬉しそうにショーケースを指さす。


 いろいろ選んだあと、何気なく五月雨さんを見ていると、自然に鑑定してしまう。


名前:五月雨京也 二一歳 人間 男

レベル:175

忍者

スキル:剣技(LV30) 体術(LV30)忍術(LV40)魔術(LV50)他

 魔法(忍術):烈火の術(LV33) 分身の術(LV30)結界魔法 (LV30) 

装備: 忍者装束 忍者刀+20(『五月雨』) 手裏剣 まきびし マジックセット

称号 洋菓子店マジックオーナー マジカル忍者 元闇の忍者五芒星 

善良度:☆☆☆☆☆ (通常は最低☆~最高は☆☆☆☆☆)

特記事項  現在『婚約中』 対象:映美 愛の深さ:LV15


 ……えーと……鑑定能力が『重症』なようです。近所の洋菓子店のお兄さんがなんで『高レベル忍者』なの?!しかも『元闇の忍者五芒星』とか、悪の秘密結社の幹部が改心して真っ当な職に就きました…みたいな設定いらないから!! 

 まともなのは『善良度』とか、『特記事項』くらいだよね!?


 「はい、今日は新作のシュークリームをサービスさせていただきました。

 美佐ちゃんがキューピッドみたいなものだから、たくさん入れましたね♪」

 厨房から月野さんが出てきて挨拶してくれる。

 ほんわかした癒し系の優しい人だ。

 きっと素敵な夫婦になるのだろうな。


名前:月野 映美 二三歳 人間 女

レベル:166

忍者

スキル:剣技(LV33) 体術(LV33)忍術(LV45)魔術 他

 魔法(忍術):氷結の術(LV33) 幻影の術(LV30)手裏剣吹雪 (LV30) 

装備: 忍者装束 忍者刀+21(『月野』) 手裏剣 まきびし 

称号 洋菓子店マジックパティシエ くノ一忍者 元闇の忍者五芒星 

善良度:☆☆☆☆☆☆ (通常は最低☆~最高は☆☆☆☆☆)

特記事項  現在『婚約中』 対象:京也 愛の深さ:LV14


 …………だから、『鑑定』さん、夫婦とも『元闇の忍者五芒星』で、悪の秘密結社の幹部が改心して二人で幸せになりました…みたいなこと無理してしなくていいから!! 


 鑑定:(;´Д`A ```


 いやいや、鑑定が顔文字でがっかりしているよ!!



 内心あたふたしているので、不思議そうにな表情をされている五月雨さんたちに見送られて僕は店を出た。


 家に帰ると美佐は相変わらず魔法少女のままだが、これはもう鑑定が正常化するまであきらめよう。


 その晩、ナースチャから下宿が居心地が良くていいとメールが届く。

 なんでも、『友達の家』に下宿しているのだそうだ。

 友達から料理、家事とかも習えるから、僕に負けないくらいおいしい料理を作れるようになりたい…と嬉しいことを言ってくれる。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 翌朝も登校しようとすると、玄関でチャイムが鳴った。

 「美佐ちゃん、迎えに来たよ♪」

 「巧人、学校いこう♪」

 …えーと、なぜかナースチャと瀬利亜さんが並んで入ってきたのですが…。

 もしかしてお知り合い?


 「おはよう、瀬利亜さん♪あれ、その人は?」

 鞄を持って玄関に駆けて行った美佐がナースチャを見て首を捻っている。

 「ええ、この人はね♪」

 そこで言葉を切って瀬利亜さんがにっこりと笑う。カイザスさんが時々見せていたのと同じ、『悪いことを企む』笑顔で…。


 「巧人さんの『婚約者』のアナスタシアです♪『ナースチャ』と呼んであげてね♪」

 いや、なに『爆弾発言』かましてくれるんですか!!


 「お兄ちゃん、それ本当なの?!」

 美佐が愕然として僕の方を振り返る。

 「…いや、婚約はまだだけど…。」


 「ごめんなさい、『正式なプロポーズ』がまだだから、婚約はもう少し先だったわ。」

 涼しい顔で瀬利亜さんが修正する。この人『事情を全部知っている』よね?!


 「そうなんだ、お兄ちゃん言ってくれればいいのに…。でも、すごく感じのいい素敵な人だよね。ええと、ナースチャ…さん、よろしくお願いします♪」

 美佐がナースチャににっこりと笑う。

 ナースチャは美佐を見ながら目をキラキラさせている。

 「美佐ちゃん、瀬利亜から聞いていたけど、すっごくかわいいね♪こんなかわいい妹が欲しかったんだ♪」

 …あっという間に美佐とナースチャは意気投合したようだ。

 瀬利亜さんがこっそり僕にグーサインを見せる。

 …やり手だ!この人カイザスさんを上回るやり手だ!!


 「それでねえ、ナースチャは昨日から家に下宿しているから、いつでも『ご兄妹で』遊びに来てね♪」

 瀬利亜さんが僕たち兄妹に嬉しそうにほほ笑む。

 ……今までの状況を踏まえると……この人の鑑定結果は……。


 そこで、ナースチャを手招きして耳元で囁く。

 「…瀬利亜さんを鑑定したんだけど…。」

 「……そうか、そりゃあ、驚くよね…。登校中にでも詳しい話をするから…。」



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 通学路を歩きながらナースチャといろいろ話した結果、『僕の鑑定は正常に働いている』ことが確定しました。

 ナースチャの守護神・パレス・アテナにも確認を取ってもらいましたが、『全ての鑑定は適切』だそうです。

 どうやら、僕の日常は『非日常』に侵食される寸前だったようです。

 召喚された異世界より、日常の方がよほど『現実離れしている』てどういうこと?!



 鑑定:( ̄▽ ̄)b


 うん、『鑑定さん』ごめんなさい。全然間違っていなかったのだね。



 ホームルームの時間になると、担任の山縣先生が微妙な表情で入ってきた。昨日とは空気が違うな。何かあったのだろうか?


 「今日も転入生が入ってきたんだ。留学生だからみんな、仲良くしてあげるように」

 連日で留学生とかスゴイ話だ。みんなは昨日以上にざわついている。


 そして、入ってきた女生徒を見て…僕は思わずナースチャの方を見た。

 ナースチャは顔が真っ青になっている。


 黒髪でナースチャに良く似たおっとり系の女性がブレザーを着ていた。

 ナースチャを見つけるとそれはそれは嬉しそうにほほ笑み、僕を見る視線は……氷のように冷たかった。

 ……もしかしなくてもこの人は…。



名前:エレーナ パザロヴァ 一九歳 人間 女 精霊術師

一六五センチ 五五キロ 八四 五九 八三

レベル:1270

スキル:精霊術(LV403) ロシア語(LV14) 日本語(LV10) 英語(LV12)

 気を込める(LV100)料理(LV22) 家事(LV22)オーラ視(LV60)他

 魔法:精霊剣&鎧発動(LV210) 回復(LV200)結界(LV200)

称号 不死の騎士(双子揃って)モンスターバスター一〇星 ロシアの英雄(二人揃って)

善良度:☆☆☆☆☆☆☆ (通常は最低☆~最高は☆☆☆☆☆)

特記事項  シスコン(重度) 対象:ナースチャ 愛の深さ:LV20


 ……ええと、僕の日常はさらに『波瀾万丈』になりそうです…。



第1部完


第1部完了です。 


この流れで続けても話的には面白くなりそうですが、

『本編を読まないと面白さ半減』くらいになりそうなので、

それはやめておきます。


もう少し『仕掛け』を考えてから

第2部再開になります。


しばし、お待ちください。

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