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14 夜の貴公子

 大江戸の街を僕たち三人でパトロールに出ていたら、『二ツ橋勇者隊』と出会った。

 

 アナスタシアさんとカイザスさんは『なんだ、二ツ橋隊か。』といった感じの涼しい顔をしているが、向こうの(すめらぎ)と長門は厳しい視線で僕らを見ている。

 むー、いつもながら居心地が悪いな…。


 「水守!おかしくないか!?」

 あれ、皇の矛先が僕に向かってきているんですが?!


 「どうして、そんな強くてきれいな人がお前と組むことになっているんだ?!」

 僕を睨みながら皇が叫ぶ!

 いや、そんなこと僕に言われても!


 「女神のお導きだ!」

 アナスタシアさんが僕を抱え込むようにして皇を睨む。

 いや、あの、嬉しいんですけど…いろいろ『当たっている』んですが!!


 「ニャントロホテップ神のお導きだ!」

 カイザスさん!アナスタシアさんに対抗しなくていいですから!!


 「くっ!そんな男のどこがいいというのですか!?」

 皇がさらに僕を睨みながら言う。


 「えー、だって、『すごく優しい』し、細かい配慮はできるし、愛情料理がものすごくおいしいし♪それからそれから…♪」

 あの…アナスタシアさん、『デレ』モードにはいっておられますよね?!

 嬉しいのですが、人前でその御発言は『恥ずかしい』のですが…。『すごくうれしい』ですけど…。


 あ…、二ツ橋勇者隊全員が灰になった。そのまま、彼らがすごすごと立ち去っていく。

 皇と長門はまだわかるけど、どうして池内女史があんなに落ち込まれてるんだろう…。

 ちなみに皇と長門には彼女はいたはずなのだが…。


 僕たちが気を取り直して、パトロールを再開しようとした時桜姫から連絡が入ってきた。

 「みんな、大変!怪奇事件が続発しているの!」



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 「大江戸の町で最近、女性が貧血になる事件が多発しているの。

 それも美人ばかり。

 そして、貧血になった女性の首筋には二つの小さな穴のような傷跡が残り、女性は酔っぱらったような夢うつつの状態が長く続いているの。こんな風に。」

 幕府専属陰陽師&巫女の三奈木さんがぼやーっとした状態でそこに座っていた。

 しかも首の後ろには二カ所『牙に噛まれたような跡』が残っている。

 これはもしかしなくても…。


 「おー、困りまーした。さっぱり事件の見当がつきませーん!」

 「気付いて下さい!シーボルト博士!どう見ても吸血鬼ですよね?!」

 思わず僕がシーボルト博士にツッコミをいれる!


 「「さすが巧人!すぐにそこに気付くとは対魔獣隊のメンバーだけある!!」」

 あの…アナスタシアさんにカイザスさん…真面目にコメントされてますよね?!

 「一目でそれとわかるなんて?!」

 「巧人さん、すごいわ!!」

 将軍と桜姫はこの場合は仕方ないのでしょうね…。


 「おー!本当にスゴイでーーす!!」

 専門家のあなたがそれを言ってはだめでしょ?!!

 「巧人くんがー、正体を暴いてくれたおかげで助かりまーす!

 ちょうどいい具合に『十字架とニンニクと聖水』がたくさんありますのでー、こーれを

活用してくださーい!」

 シーボルト博士がごっそりと『三点セット』の入ったズタ袋を取り出した。

 いやいや、なんでそんなにたくさんあるのですか?!

 どう見ても『吸血鬼用』ですよね?!

 それなのに、『なんで気づかない』のですか??



 その後、三奈木さんはアナスタシアさんと僕の共同回復魔法で傷が治り、正気を取り戻された。


 仕事が夜までかかり、帰り道にカッコいい男性に声を掛けられ、ぼーーっとしているうちに…何が何だか分からなくなったのだそうだ。

 そして気づいたら、アナスタシアさんと僕が回復させていたのだという。


 「それは吸血鬼の『魔眼』にやられたね。」

 状況を聞いてアナスタシアさんが答える。

 「吸血鬼は人の心を魅了しコントロールする魔法の視線を武器にしているからね。

 今回の敵もそれが武器なんだろう。

 しかも『巫女の三奈木さん』をあっという間に魅了するとは非常に強力な奴だ。

 しっかり対策をしておいた方がいい。」


 「アナスタシアさんお詳しいんですね。」

 桜姫がアナスタシアさんを尊敬のまなざしで見る。


 「これでも100体の吸血鬼と戦ってきたからね。」

 涼しい顔でアナスタシアさんが言う。

 確かに、アナスタシアさんはベテランだもんね。


 「うーむ、全部『瞬殺』したやつのセリフじゃないよな。」

 「え、それはどういう…」

 カイザスさんの言葉に僕が疑問の声を上げる。


 「パザロヴァ姉妹の作り上げる『精霊剣』は現時点では『地球最強の武器』じゃないかとまで言われているからね。吸血鬼程度なら、たとえ最強と言われる真祖クラスでも『かすっただけで消滅』するんじゃないかな。

 だから、ロシアに宇宙怪獣が現れた際は大概アナスタシアたちが召喚されて、怪獣どもをぶった切っているもんな。

 一番すごい時には百体の怪獣軍団が現れた時で、あの時はこの前の『しゃちにゃんぶった切り』の時みたいに次々に怪獣どもが真っ二つにされていったもんな…。

 あれ、『ロシアの国営放送で何度か放送』されよな。」

 「「「「………。」」」」

 どんだけチートなんですか?!!


 「待ってください!それじゃあ、もしアナスタシアさんと一緒にエレーナさんを召喚できていれば…。」

 「伴天連四天王なんざ、カスだ、カス!首領クラスでも楽勝だったんじゃないかな。

 『片割れだけ召喚』するから、今のところ苦戦しているわけだし…。

 巧人がいてくれなかったら『全滅』してたかもしれないな…。」

 桜姫の言葉にカイザスさんがさらっと答える。

 「……すみません、全て私の不徳の致すところだったのですね…。」

 僕たちを召喚した、三奈木さんが思い切りへこんでしまわれた。


 「まあ、でも、エレーナじゃなくて、巧人を呼んでくれたから、アナスタシアに彼氏ができたわけだし、『災い転じて福となすだね♪

 エレーナまで呼んでいたら、アナスタシアは『一生独身』だった可能性も高いよね!」

 「うるさい!そんなこと決めつけるな!!」

 アナスタシアさんがカイザスさんを『落し』たあと、さらに会議は続けられた。



~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~



 夜になって、吸血鬼退治に囮作戦が実行された。


 アナスタシアさん、桜姫、三奈木さんがきれいに着飾って、夜の繁華街を歩いている。

 僕とカイザスさんは十字架、ニンニク、聖水を用意して後からこっそりついて行っている。ちなみに三人に対して三奈木さんが『精神防御』の呪文を掛けているので、簡単には魅了されないだろうと予想しているのだ。



 しばらく尾行していると、三奈木さんに対して、イケメンの男がにっこりして笑いかけてきた。

 「きれいな御嬢さん、どちらに行かれるのでしょうか?」

 「いまから観劇に……素敵なお方♡

 男の目を見た途端に三奈木さんがふらふらと男についていきそうになる。

 いやいや、『精神防御の術』はどうなったの?!


 「三奈木!大丈夫!!」

 とっさに桜姫が三奈木さんに駆け寄り…。

 「ああっ!素敵なお方♡」

 桜姫までメロメロになってしまった!!


 「アナスタシア昇竜拳!!!」

 二人の女性に近づこうとした男をアナスタシアさんが拳で一閃した。


 吹っ飛ばされた男は何とか立ち上がって言った。

 「ふ、やりますね!ですが、あなたは私の視線に耐えられますか?!」

 男がアナスタシアさんの目を見やるとアナスタシアさんは……。

 「残念だな!心の中に『愛する巧人』がいてくれる限り、そんなものは俺には通用しない!!」

 そのセリフめっちゃ嬉しいんですが……鑑定の結果、単にアナスタシアさんの『精神力が桁違い』なだけだそうです…。



 「驚いたな!だが、このままでは終わらん!見よ!」

 男がさけぶと、イケメン侍が、マントを羽織ったイケメン吸血鬼の姿に変わった。


 「私は伴天連幹部のヴァンパイア男だ!必ずあなたのような美女の血液を吸わせていただきます!!」


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