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序章 深海の底
新章突入です。これからもどーぞよろしく。
暗い、暗い、闇の深淵。
昼も夜もないこの漆黒の世界に、少女は一人で震えていた。
――怖いよ、誰か、助けて……。
叫ぶ声も届かない。全ては、闇に呑まれて消えるだけ。
――怖がらなくていいよ。だってそれを望んだのは、あなたなんだから。
嬉々とした声が、闇を引き裂くように叫んでいた。
この一人きりの世界に、いつの間にか、その少女は佇んでいた。
――いやだよ。こんなところにいたくないよ。
――大丈夫。アタシもそこにいたんだから。
二つの声は混ざり合い、溶けあい、そして、共に闇の底へと沈んでいく。




