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フレイムレンジ・イクセプション  作者: 九条智樹
第1部 アーダー・ティアーズ
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序章 業火の中に


 視界が真っ赤に染め上げられる。


 狂ったように猛る業火の中で、それでも、東城大輝とうじょうたいきは笑みを浮かべていた。


 それは彼の持つ能力。

 何者もその上に立つことを許さず、ただ焼き尽くすだけの異例の力。

 全てを燼滅に導く業火を手に、少年はただ笑っていた。


「俺が、終わらせるんだ」


 瞼の裏に焼きついた、黄金のように美しい髪の少女へ誓いを立てるように。

 紅蓮の眷属を付き従えたまま、彼は拳を握り締める。



「俺が全部焼き尽くして、お前を護ってみせるから」



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