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商人「なんだこのダサいパンツは」

明るくなったそこはテーブルの上だった…


どうやらテーブルの上に叩きつけられた俺は、絶賛売買されているらしい、あれか?俺はドロップアイテムみたいな扱いなのか?そうなのか…


人身売買だ!と叫びたくなるが、俺は今現在パンツである、悲しいがパンツである。もう一度言うがパンツである。動くこともできないし抗議の声も上げることもできない、ただパンツとして持ってかれるだけだ。悲しい…ああっ交渉が終わったっぽい。


なにやら金貨を山ほどもらったフードさんはそのまま目の前にあった古めかしいドアを開けて行き、そのままどこかへと行きましたとさ…ってもうお別れかよ!はぁ…あなたに履かたかったよフードさん。

女性にはかれると言う目標も、一応あったのに残念だ。


さて、俺の新しい宿主?いや所有者か。如何にも普通なファンタジー商人の男である。ここまでイメージにあったファンタジーな商人は初めてだな。この人の事は商人さんと呼ぶ事にしよう。


っと、商人さん俺を掴んでどないしたん…え?何睨めつけてんの?別に睨めつけられてもすでに皆無な俺の防御力は下がらんし、何も起こらへんよ、へ?何俺を木箱になんか入れようとしてんの?いや…まって、また真っ暗やみの中?っちょ、メンドクサイなもう








どうやら俺はいらない子扱いされ、どこか辺境の地に売り飛ばされたみたいだ。うん別に辺境の地じゃなくて如何にもファンタジーな店だけどね、簡単に言えば普通に店の中にある棚の上に、何かわけのわからん双頭のドラゴンの木彫りと(下手くそである)ちょこんと置いてあるなんの品種なのか分からん赤い花とだけである。おまけになにやら俺の目の前に紙が置かれている。…あれか?おれの値札か?…幾らだろう?文字読めんけんわからん、とりあえず10円とかそんなんじゃない事を祈るわ…




とりあえず、俺が店の棚に置かれてから一週間がたった。暇だな…暇すぎる、誰か俺を買ってクンねーかな?結構珍しいパンツだと思うよ、ピンクの可愛らしいパンツだよ!

おっ!こんな所に幼女が!緑色の髪に、水色の瞳、美少女だ…おーい、俺を買わないか?今なら宿主支援値を全力で振ってやるぜ!っておい何処へ行く!まって…っちょ…ですよね…



更に一週間がった。


おっ?なんやおっさん俺を見つめんなや、幾ら俺でもこんないかついおっさんにはかれたくないわ、ん?っちょ掴むな!あらあらしい…っと、あっという間にもどされた…おっさんはどうやら俺に飽きたらしいのか、隣にある赤い花をもったあと、そのまま店の人が居る場所に歩いて言った…え?俺が赤い花なんかに負けたのかって?…悔しくないもん





更に一週間がたった、ついにあの下手くそな双頭の龍の木彫りが売られ、棚の上にあるのは俺だけとなった…なんで?俺そんなにダサいの?別に可愛らしいパンツだと思うんだけど…え?


…だれか…買ってくんねーかな。あ、店の人が来た、ちなみに店の人は良くある美少女ではなく、ただのおっさんである。現実とは上手くいかないものである。


でなんだおっさん、俺に何か用か?ん?なにやら俺の目の前にある値札を書き換えてやがる…気にしないでおこう。




まあ、そんなこんなであれからまた一週間の月日がった、相変わらず俺を買ってくれる奴は現れないし、現れる気配もない、精々もの目ずらしげに見つめてくるぐらいである。ちなみに、値札は二回書き換えられた、気にしてはいけない。


まあそんなこんなで過ごしていると、ふと隣にさびた剣が置かれた、すぐさま値札が張り付けられる、ありゃ安いだろーナ、なにせ錆びた剣だしな、俺より安いに違いない、うんそうだきっとそうだ、そうに違いない。


そんな事を思っていた俺は、次の瞬間に起きた出来事に、驚く事になる。

「おおっお前さん意志があるのか、いや…久しぶりだな生具と出会うだなんて」

…しゃべった?この剣喋ったぞ!!

「そりゃ…喋るさ…ああっなんだお前、まだ生まれたばかりって事か、それならしたかない、いいかお前さん、俺たちは生具っていう意識のある道具なんだ、生具どうしならこうして話しあう事も出来るし、そして俺たちが話しあっている声は人間には認識できない、例外があるとか聞いたことがあるがな」

おいおい…なんだこの剣…もしかして某使い魔の某喋る剣みたいな奴か?ありえないほどぼろっちいが。

「おいてめ…なにがぼろっちい剣だ、確かに今はぼろっちいが昔はすごかったんだぜ、こう…相棒の手に握られてな、敵をばしばし立った切ったんだぜ、もっとも昔の話だが」

…とりあえず、良く分からんが、いろいろ聞きたい事が有る事が有ると言う事だけは分かった。


おい!そこの剣!ちょっと話を聞いてくれないか。







「けははっ、自分は元人間だってか?なんやその冗談は」

いや本当なんだってばマジで。

「別に良いだぜ、おらはお前さんが元人間だろうが、そう思っている生具だろうがな、で元人間さんよ、何か聞きたい事でもあんのか?」

なんだか察知が良いなお前。

「気にするな」

ふん…まあここで深く問い詰めてもなにも怒らんし別にいっか、とりあえずいろいろ聞くとするか。


なあ剣さんよ、生具って言うのは俺達みたいなものを指すのか?

「おうよ、おらたちみたいな意識のある道具の事を生具と言うのさ」

じゃあ、普通の道具が生具になる条件とかそんなのあるのか?ていうかどうして道具に意志なんて宿るんだ?

「さあな、一部は高位の魔術師が作ったとかいう連中もいるが、自然発生した連中もいる、なんで生まれてくるのかはおらにも分かんねーし、興味がわかねーしよ、そもそも俺だって他の生具とあった事があるのは5回だけだ、もっとも、お前みたいにちゃんと意識をもって話しかけてくれる奴なんて、そのうちの2回だけだったけどな」

つまり生具の中にも、意識が強い奴よ弱い奴が居るってことか?

「そうだとオラは思うけどな」

へー、じゃあ次に、なんで俺たちこうして喋れるんだ?口をついてないのによ。喋っている言葉だって違うかもしれないのに。

「俺たちは喋ってるんじゃないんだ、そうだな、人間の言葉で言う意思みたいなもので喋ってるんだ、まあ言葉で表せにくい現象だが、このお陰で俺たちはそんな事関係なしに喋れるって言う事よ」

ふん…まあファンタジーの世界だし、気にしたら負けだ。そもそも俺自身元の世界ではありえない意思のあるパンツだし。

わかった。じゃあこの世界について聞きたいんだが。

「この世界?」

おう、俺は人間だったころに記憶でな、この世界とは別の世界の人間だったのよ、でさ、そう言うわけでこの世界の事を知りたいわけよ。

「けはははははっ、異世界だと?まったくお前さんはおもしれーな、いいぜ教えてやろう、もっとも最近の事情は分からんがな」

最近の事情?

「オラが現役で戦ってた時代はすでに何百年前の話だからな」

…え?



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