《輪廻の再会③》有り得ないと思っていた
「いらっしゃいませ~♪ お客様、今日はどんなご用件でしょうか?」
「ハァハァハァハァ、し、白い、、、ゴックン、
チワワの赤ちゃん、まだ居ますか!!!」
きっと、あたしは今、息を切らして凄い形相の顔をしているんだろう。
笑顔で迎えてくれたペットショップの店員さんが、引きずった顔であたしを見てきたので、分かったわ。
「お、おい!加奈、落ち着くんだ」
その状況に、流石の颯太が、あたしのなだめに入った。
「あっ、店員さん、すみません。個別のショーケースにいた白いチワワが見たいんですけど」
「あ、はい! まだあの子はここに居ますよ♪ じっくり見ていってくださいね♪」
これはダメだと思ったのか?
颯太は、店員さんにあたしの代わりに声をかけ、あの子の所まで案内してくれた。
あの『もも』の夢が真実なら、あの仔犬は!
自分で制御出来ない程のドキドキがあたしを襲っていた。
そして遂に、昨日ぶりにあたしは、白いチワワの仔犬と再会する事が出来たの!
その子は、あたしを見るなり、まだひ弱感漂う尻尾を、懸命にブンブン振っていた。
果たして、この子は本当に『もも』の生まれ変わりなんだろうか?
そこからあたしとその子の根比べが始まったのだ。
先ずは、あたしは人差し指を立てて、その仔犬の顔に近ずけてみた!
(はぁはぁはぁ、さぁどうするの?可愛い仔犬ちゃん! これは何の合図かしらね~?)
すると、その子は、ちょこんと座り出したのよ!
それを行動を見るなり、あたしはひるんだ!
(せ、正解、、、この合図は、もものお座りの合図だったのよ、、、やるじゃない!じゃあこれは、いかがかしら!)
額から汗を流しながら、次にあたしは、立てた人差し指を左右に大きく降り出したの。
(ふふふ、これは難易度が高いわよ! 貴方にこれが分かるかしら)
すると、それを見た仔犬は、条件反射かの様に、なんの躊躇いも無く、二本足で立ちだしこちらへケース越しに飛びつき、ガリガリしだしたのだった!
、、、
、、、
その仕草を見た瞬間!あたしの頭が真っ白になった。
(な、なんて事なのよぉぉぉぉーーー)
真っ白な世界へと落ちて行くあたし。
横で仔犬を見て、はしゃいでいる琴葉の声が、徐々に薄れて行った、、、
正直、虹の橋も、輪廻転生も、全て作り話だと思っていた、、、
時々、夢に出てきたあの『もも』も、あたし自身が作り出した妄想だと思っていた。
心の中で、いつまでも『もも』が生き続けるってのも、単なるスピリチュアル的なもので、自分には縁のないものだと思っていた!
全ては、愛犬の死と言う現実から逃れる為に、、、
だけど、、、今!
あの『もも』と姿形、色、そして、細かい仕草まで似ているなんて!
しかも、あたしとの合図を、この子が知っているなんて、、、こんなの!
あたしはその時、初めて体験したのだった。
愛情が時間と空間を超えて、帰って来た奇跡を、、、
「こんなのもう~ 信じるしかないじゃないの、、、」
目から一雫の涙が、流れ出しながら、
「あぁぁぁー おかえり、もも」
そう叫んだあたしは、そのままショーケースの前で、号泣しだしたのだった。




