《輪廻の再会②》奇跡の再会
ズキーーーーン!!!
そのショーケースコーナーに入るやいなや、真っ先にあたしの視界に飛び込んできたのは、まだまだおぼこい姿の白いチワワの赤ちゃんだった。
「あわあわあわあわあわあわ、、、」
あたしはその子を見つめたまま、唇が震え始めたの。
そして、あたしが無意識に発した言葉が、
「『もも』!!!」だった、、、
あたしには一瞬で、それがわかった!
その子は、『もも』と同じ毛色だった!
その子のひ弱そうな顔つきは『もも』とそっくりだった!
その子の仕草は『もも』そのものであった!
今、あたしの前には、もう遠い昔の記憶になってしまっていて、ぼやけていた『もも』の姿が、鮮明となって蘇っていたのだった!!!
「あっあぁぁぁぁ~」
急に湧き出てきた想いが、喉をつまらせ、言葉が出てこない!
その仔犬もまた、あたしを見つけるやいなや
、あたしに視線が釘漬けだった。
これが噂にまで聞いていた、生まれ変わって再び、出逢う事が出来る奇跡だと言うの?
しかし、その瞬間、あたしは現実に押し戻されたのだった。
うちは今、犬を飼うつもりはないし、、、
もしも、この子が本当に『もも』の生まれ変わりだとしても、一緒には帰れないわ。
、、、
それから、何分経ったのだろうか?
あたしは、そのチワワの仔犬と目を合わせたまま、時間が止まっていた。
その間、琴葉や颯太が何をしてたかさえ、分からなかった、、、
それほどにも、この子の存在が、瞬時にあたしの心を鷲掴みにしていったのだった。
そんな石像の様に立ち固まったあたしのスカートの裾を突然、引いてくる存在がいた。
それは琴葉の手だった。
「お母さん!お母さん!どうしちゃったのぉー?」
そんな愛娘の問に、
「あっ、うん、何でもないよ~」
と、何も無かったかの様に演じ、そっと、その場を後にしたのだった。
そして、その後、帰宅したのだが、あたしの心は上の空で、その時の事はあまり覚えていない。
でもその夜、あたしはまた、『もも』の夢を見た!
「今日、やっと逢えたね♪ 加奈ちゃん」
そんな『もも』の言葉で、あたしの迷いは一瞬にして確信へと変わった
のだが、
「もも、一緒に連れて帰れなくてごめんなさい、、、」
と、泣きながら夢の中で返答していた気がした、、、
そして夜が明けて、朝となった。
いつまで経ってもまだ起きてこない加奈を、心配して見に来た颯太と琴葉だった。
「ねぇ、ねぇ~ 起きてよ! お母さん♪早くぅ~」
起床を急がす琴葉の声で、目が覚めたあたしだった。
「うわぁぁぁーーー!」
すると目を開けた途端! 琴葉のドアップが飛び込んできた!
夢と希望に満ちた瞳で見つめてくる琴葉に、
「ど、どうしたの?琴葉!」と尋ねると、
颯太が、何やら嬉しそうな顔をしながら、話しかけてきた。
「どうやら、琴葉は夢を見たらしいんだよ~」
「夢?」
不思議がるあたしに、颯太は話を続ける。
「どうも、その夢が、あの昨日ペットショップで、加奈が見ていた白いチワワと走って遊ぶ夢だったらしいんだよ~」
(えっ! 『もも』が??!)
「そんで、今朝、僕に飛びついて来て、あのチワワの仔犬が欲しいっておねだりされちゃってさ~!
いや~ 参っちゃったよ~」
!!!
「で、どうする加奈? 君もあの子には見とれていたみたいだし、何か感じていたのかな?
確か、、、加奈が昔飼っていたチワワも白かったと言っていたね!
もしかしてだけど、、、あの子『ももちゃん』の生まれ変わりだったりしてね♪そんな事はないかぁぁ~アハハハ♪」
その颯太の話を聞いたあたしは、無我夢中になって支度を始めたのだった。
そして気が付いた時には、あのペットショップの前まで、来てしまっていたのだった。




