《学生編③》運命の人
【短編小説】
《犬愛情物語り①》電車の中で大きな寝言を叫んでしまい、少し恥ずかしかったのですが、、、なんだか心が暖かくなりました。
の続編です。
その譲渡会の一件から、あたしと颯太さんはお互いを意識し始めたのだった。
あたしは、動物を心から好きで、優しい彼に惹かれ始めたのだった。
初恋だった。
彼もまた、あたしの事が気になったらしく、二人が付き合い出すまでには、それほど時間を要しなかった。
そんな風に、恋愛、ボランティア活動、大学生活が、順風満帆に過ぎて行ったある日、突然、悲しい出来事が二人を襲った。
ある日、颯太のスマホに着信があった。
東北の颯太の実家からだったの。
「はい!颯太だけど、、、お母さん!どうした?」
「、、、」
「わ、わかった、、、じゃあ、、、」
その電話のやり取りを横で聞いていたあたしは、その会話後、膝から崩れ落ちていく颯太を見た!
あたしは咄嗟に、颯太の体を支えたわ!
「ど、どうかしたの! 颯太?」
顔が青ざめていく颯太を心配しながら、そう尋ねた。
すると、颯太は目に涙を貯めながら呟いた。
「『あき』が死んだって、、、!」
『あき』とは、颯太が子供の頃から飼っていた愛犬の名前である。
ドックン!ドックン!
「そ、そんなぁー」
それを聞いた瞬間! あたしの心臓が激しく鼓動し、動揺が隠しきれなかったのだった。
目が泳ぎだし、周りの景色が幻想化しだした。
「ハァハァハァハァ」
あたしは知っている、、、
最愛の犬を亡くした時のあの苦しみを、、、
その苦しみは、生前の愛情が深ければ深いほど、飼い主の心をえぐり去って行き、ガッポリと空洞を開けてしまう程だ!
そして、その空洞が埋まるまで、絶望的な喪失感にかわれ、愛犬の事を思い出す為度に、涙が枯れるまでその瞳から流れ溢れる、、、
それは人生の中でも、1、2を争う程の悲しみの沼に突き落とされるかの様に、、、
「そ、颯太、、、」
あたしは只々、颯太の方をゆっくりと撫でることしか出来なかったのだった、、、
その夜、あたしはある夢を見た。
それは『もも』の夢だった!
あたしは夢の中で、久しぶりに再会出来た『もも』を抱っこし、この上ない喜びを感じていたのを覚えていた。
そして、ももが言った言葉を目を覚ましてからも、しっかりと覚えていたの。
それは、
『加奈ちゃんがあたちの事を、ずっと想ってくれてるみたいに、颯太さんの事も想ってワン♪ きっと、加奈ちゃんなら、彼を救う事ができるから、、、あたちが救われた様にね♪
あっ! それと『あき』の事は、あたちに任せてワン! 一緒に虹の橋に連れていくから~♪』
と言う言葉だった、、、
「う~~ん、どうしたらいいか分からないけど、あたしの想いを颯太にぶつけたらいいって訳よね、きっと、、、」
そう思いながら、あたしは颯太のペットロスを共に戦っていく決心をしたのだった。
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