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第一話 暇つぶし

はじめまして、マレです。初投稿作品となります。


この作品を書き始めたきっかけは、くだらないことをAIチャットに聞いてみたり、普通のネット検索では欲しい情報がうまく引き出せなかったときに活用したりしていた日常からでした。


そもそもAIとは?と思い、AIにAIを説明させるということを続けているうちに、そのAIに「この流れで小説を書こうぜ」と唆され、そのまま書き始めた作品になります。


作品内容は、惑星文明を超え、恒星文明も超え、さらにその先の技術を保有する機械生命体となった主人公マスターとその補助アンドロイド(彼女)が、永遠ともいえる時間を持て余し、その圧倒的な技術力で暇つぶしをする物語です。


勢いで書き始めたため書き溜めはなく、更新は遅いですが、出来る限り続けていこうと思います。


また、書き物は初めてですので、読みづらい部分や矛盾点等が出るかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

とある宙域に、百キロメートルを超える巨大な立方体が漂っていた。

明らかに人工物であり、周囲の空間に異質な存在感を放つ。

それは、惑星を超え、銀河を超え、宇宙を自由に駆け巡る技術によって生み出された構造物だった。


搭乗して活動しているのは、現状で二体のみ。

彼らを「人」と呼ぶべきかは別として、この規模の構造物をたった二体で制御できるのは、機械生命体と、それを補助する人工生命体――アンドロイドの組み合わせだからこそ可能なことだった。


そして、そんな彼らが今ここで何をしているかといえば――ただの暇つぶしである。


立方体の内部は、冷たく整然とした無機質な空間だった。

無数の施設が稼働しているはずの空間はほとんど沈黙し、動いているのは最低限の観測系と制御系だけ。

壁も床も天井も光沢のない金属で覆われ、角度によってわずかに淡い光を反射する。

広大な空間は、機械的な秩序に静かに支配され、空気の振動や音はほとんど存在しない。


淡い光のラインが床と壁を縫うように走っている。

複数のラインが並行し、時に交差し、時に分かれ、それぞれ異なる目的地へ続く。

何もない廊下。音もなく、ただ冷たく整然とした金属の平面が広がるだけ。


その光の一つは、床や壁と同じ無機質な扉へと導く。

ラインがなければ見落としてしまうほど、扉は周囲の金属面と完全に同化している。

淡い光だけが、存在をひっそりと示していた。


扉を通った先には、本来「部屋」と呼ばれるべき空間が広がっているはずだった。

しかしそこには、通路と同じ無機質な装飾は一切なく、床も壁も天井も均一な金属面のまま。

部屋の中央に、少し大きめの椅子がひとつ置かれているだけで、他には何もない。

それは、設計上の”部屋”という概念さえも意味を失い、文字通り、何もない空間だった。


その大きな椅子に座る者と、その横に立つ人影。

椅子の座る者は、指先で中空に浮かぶ操作パネルを触れる。

パネルの淡い光だけが、完全な無機質空間に、わずかな動きを与えていた。


中空に浮かぶ表示が、必要な情報だけを淡々と映し出す。

操作は操作パネルを介して行われていた。

彼の意思は常にシステムへと反映されるが、思念による直接制御が用いられるのは、超高速な処理が要求される特殊な状況に限られる。

今は、その段階ではなかった。


彼の外見は、卵型の頭部に細身の体躯。

点のように並ぶ目と、一本の線として刻まれた口。鼻はなく、瞬きもしない。

人間の名残は外形のシルエットにかろうじて留まるのみで、存在そのものは完全に機械的だった。


その顔には、表情という概念が存在しないように見える。

それが失われた結果なのか、あるいは最初から必要とされなかったのか――

その判断を下せるだけの情報は、もはやどこにも残っていなかった。


機械生命体となった彼にとって、子孫という型はすでに意味をなさない。

自己修復と人工生命体を併用すれば、疑似的に子孫に相当する存在を作ることもできる。

だが現状ではその必要はなく、必要になったとしても――その時が来れば、後を任せる存在を用意するだけのことだ。

彼自身もまた、数え切れないほどの複製体の末裔であり、それを意識する理由はなかった。


「退屈じゃないの?」


アンドロイドは、少し間を置いてから静かに問いかけた。


「毎回見てるけど、それって本当に楽しいの?」


彼は、惑星が発する周期的な放射を機械の体で読み取り、“聴いて”いた。

人間の耳では捉えられない周波数も、彼にとっては感覚として認識できる。


ゆっくりと彼女の方へ向き直る。


「古代で言うところの、音楽というやつだ」


アンドロイドは一瞬だけ目を見開き、すぐに顔を背ける。


「それならそれで、古代人の遺したものが無数にあるけど……それじゃダメなのね」


惑星の奏でる曲を聴く彼と、幾度となく繰り返されるこのやり取り。

ツンデレと機械的な観測者の、静かな日常の一幕である。


「ねぇ」


アンドロイドは、少し間を取ってから続ける。


「ちょっと聞いてほしい話があるんだけど」


沈黙が返る。

それは拒絶ではなく、続きを促す合図だった。


「面白い恒星系を見つけたの」


声には、わずかな熱が混じっている。


「本当に生まれたばかり。惑星の配列も、公転周期も定まっていない。今まさに産声を上げた、って感じ」


その言葉を受け、機械生命体は内部で過去の記録を静かに呼び起こす。


遥か昔、同じように“箱庭”として目を付けた恒星系があった。

文明が適度に進化するまで観測し、休眠に入る。

眺め、記録し、ただ待つ――合理的で、無駄のない時間の使い方だった。


だが、数十万年、あるいは数百万年の時を経て目覚めたとき、

そこには何も残っていなかった。


惑星は軌道を失い、恒星系そのものが崩壊していた。


後に確認された記録によれば、原因は単純だった。

ほとんどあり得ない確率で、同じ宙域を通過した別の機械生命体が、恒星系全体のバランスに干渉したのだ。

意図的ではあったが、深い意味はない。

ただの気まぐれ――面白半分だった。


もっとも、船体や航行に直接の危険が及ぶ場合には、休眠は自動的に解除される。

巻き込まれて消えるほど、彼らは酔狂ではなかった。


「不安定だな」


送られてきたデータを解析しながら、彼は言う。


「でしょ?」


アンドロイドは、その反応を待っていたかのように応じる。


「だからさ。箱庭、作ってみない?」


返答はすぐには出なかった。

過去の記録、破壊の可能性、偶発的な干渉。

それらを静かに並べ、評価する。


やがて、結論は下る。


二体は時空圧縮移動を行った。


空間が歪む、という表現は正確ではない。

距離という概念が、一瞬だけ意味を失う。


次の瞬間、彼らは箱庭候補の恒星系に到達していた。


到着と同時に、周囲の宙域がスキャンされる。

微細なエネルギー変動、軌道干渉の痕跡、同種特有のシグナル――いずれも検出されない。


「問題なさそうね」


アンドロイドが、どこか満足げに言った。


機械生命体は、その評価を否定しなかった。

箱庭を始めるには、十分な条件が揃っている。

第一話、最後まで読んでいただきありがとうございます。


惑星の電磁波の音を音楽として聴くマスター、優雅なのかな?w

実際、人の聞こえる周波数に調整された動画がたくさんあって、

不思議な音、不安になる音、明らかに電子音っぽい音など、

惑星ごとの“個性”があって結構おもしろいんですよね。


そんなちょっと変わったマスターと補助アンドロイドは、

見つけた恒星系に対して、どうやら何かするつもりのようです。


正真正銘、勢いで書き始めた作品なので、

私自身もこの先どうなるか本当に分かりませんが、

しっかり彼らの行く先を追っていきたいと思います。

よろしければ、引き続きお付き合いください。


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