幼馴染
147:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:46 ID:RIeere5re
俺が墓場まで持って行く話。
小学校3年生のとき、友達のA男と遊んでた。
すっかり日が暮れてもついつい遊びまわって、
あたりが真っ暗になってしまってようやく家路についた。
どこかの家の庭で鈴虫とかコオロギが鳴いてたのを覚えてる。
その帰り道のことだった。
あるマンションの非常口の段差に座りこんで、
B子がいた。
B子は俺の幼馴染で、幼稚園から小学校2年まで同じクラス。
昔はよく遊んでいたが、さすがに小3にもなると
俺は男友達とばかり遊ぶようになり、
クラスも違ったからB子とは接点がほとんどなくなった。
B子の家(マンション)も俺の家より学校から遠かったから
普段は通らないんだが、その日は学校とは反対側で遊んで
たまたま通りがかったんだ。
B子はなんていうか、マザコンだった。
いたって普通の勉強もスポーツも平均の子どもなんだが、
母子家庭ってやつで、父親はB子が小さいころに亡くなってた。
それでってわけじゃないと思うが、
とにかく母親にべったりだったんだ。
ママ、ママって学校でも良くママの話をしてた。
参観日にそのママが来たら、もうニッコニコ。
授業中でも何度もママを振り返っては手を振ってた。
ママも若くて美人だったから仕方ないのかも。
148:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:48 ID:BNjruHBAq
B子ちゃん寂しかったのかな…
お母さん好きなのは悪いことじゃないよね
149:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:50 ID:+AWUi37n4
子どもに対してマザコンって言葉嫌い
子どもの命綱はまさに両親をはじめ保護者だから、
特に10ヶ月お腹にいた母親を慕うのは当たり前の話よ
150:こわい名無し@147:20XX/10/14 22:53 ID:RIeere5re
そのB子がなんでマンションの前に座り込んでたのか、
俺とA男は気になって聞いてみた。
特に俺とは知らない仲じゃないし、
もう真っ暗なのに女の子ひとりじゃ危ないだろうと
子どもながら思ったんだな。
「おウチに男の人がいて、その人が怖くておウチに入れない」
「男の人って誰?」
「分かんない、ママが連れてきた。おウチ開けてくれないの」
なんて泣き出すの。
俺たちは男の人がB子を怒ったり叩いたりするのかと思った。
現にB子は夜になっても家から閉め出されているし、
こりゃいかんってなるよな。
泣いてるB子をなだめすかし、持ってた食べかけのお菓子を
三人で食べながら、俺たちは対策を考えた。
大人に相談すべきとか考えなかった。
なんたって夜まで遊びほうける小3の悪ガキ2人だぞ。
そんな知恵あるわけない。
「どうしても駄目だったら、俺くんでも良い?」
「もちろんだ」
俺は胸を張って答えた。
そんな怖い男がいるのなら、女の子ひとり俺んちに泊めるのも
やぶさかではないという騎士団精神だった。
ウチのカーチャンも当然B子をよく知ってる。
ウチのカーチャンなら、幼馴染のB子が困っているなら
快く泊めてあげるに決まってると思った。
151:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:55 ID:LPAeNBvCD
怖い男の人かあ
B子ママの彼氏とかなのかなぁ
152:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:55 ID:BNjruHBAq
まぁあり得るよね…
女児の子持ちだと男児より再婚率が良いらしいのよね…
153:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:58 ID:vbaGTrFvc
≫152そういう意味!?
げぇ知りたくなかったサイアクだ
オカスレだから男の幽霊がママに取り憑いたかと
154:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 22:59 ID:3a+akuHnQ
B子がこんなに怖がっているのに
B子ママは気付いていないのか?
それとも気付かないふりをしている?
155:こわい名無し@147:20XX/10/14 23:01 ID:RIeere5re
俺たちは足りない頭で考えた。
そこで、男を追い出さなければいけないという結論に至った。
B子の家から悪い男を追い出し、
B子ママとB子を男の魔の手から助け出すのだ、
俺とA男は息まいた。だって漫画の主人公みたいだろ?
そういうのに憧れる年齢だったんだ。
俺たちはまず計画を立てた。
俺がB子の部屋を訪ね、ママか男が扉を開けたところで
A男が飛び出し、俺とA男で悪い男を捕まえる。
しかしこの計画はすぐにとん挫した。
俺がチャイムを押してもドアをノックしてもB子ママを呼んでも、
誰も出てこなかった。
ドアを開けるどころか返事すらもらえなかった。
B子が泣いている。
B子ママが間違いなく部屋にいることはB子から聞いている。
電気も点いてる。
つまり居留守をつかわれたってことだ。
由々しき事態だ、これは大事件かもしれない。
必ずドアを開けさせなければ。
俺たちはすぐさまプランBを考えた。
156:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:02 ID:epA+eJ57i
それママと男で楽しくやってる最中じゃねーのかw
157:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:04 ID:HHyatGfFR
子どもを真っ暗な外に追い出して男と?
もう虐待だよそれ
158:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:05 ID:83rUJ+akU
≫147とA男がノリノリだったのは分かった
159:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:07 ID:BNjruHBAq
ここなんのスレだっけw
160:こわい名無し@147:20XX/10/14 23:08 ID:RIeere5re
俺の声はバレてる(と思った)ので、
A男に動いてもらうことにした。
プランBの実行だ。
「火事だー!!!」
A男の声がマンションに響き渡る。
そしてB子の部屋のドアを叩いて、
「火事だー!!!! 逃げてー!!!!」
もう一度念押しして叫んだ。
俺はドアの横でスタンバってた。
そう、俺たちはバカだった。
そんなことしたら近所の人たちも出てくる。
当たり前だよな。
マンションはちょっとした騒ぎになってしまった。
ただし、その騒ぎでB子の部屋もドアが開いたんだ。
そこには俺の知らない男がいた。
俺たちはマンションの住人たちからバチクソに怒られた。
俺とA男は必死に事情を説明したが、
嘘をつくなと言われるばかり。
俺たちの親も呼ばれ、やっぱりバチクソに怒られた。
その男は黙って見ているだけだったが、
B子ママは真っ青な顔をしてへたり込んでた。
「B子ね、8月に亡くなってるのよ」
B子ママがぽつりとつぶやいた。
161:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:10 ID:kqyuIUIc
バカ男子wwwと笑ってたら最後ー!!
162:こわい名無し@平和大好き:20XX/10/14 23:11 IDepA+eJ57i
そっちのパターンか……
163:こわい名無し@147:20XX/10/14 23:14 ID:RIeere5re
聞けば男の人はB子ママの実家のお寺の住職の息子さんで、
B子の四十九日まで毎夜来てもらってたとか。
B子のお通夜とお葬式で、線香に火が付かなかったそうだ。
これは非常事態だとお坊さんが来てくれてたらしい。
その日が四十九日だった。
10月の某日。
B子が亡くなってから、毎晩のように
「ママ、開けて」
「どうして開けてくれないの、ママ、開けて」
「寂しいよ、ママ」
ってB子がドアを叩いてたんだそうだ。
だから決してドアを開けなかったんだと。
B子ママが語ったのはそんな内容だった。
ご近所の人たちも俺らのカーチャンもシーンとしてた。
俺もA男も、B子が亡くなったことは知らされていたはずなのに、
なんでか二人そろってポカっと忘れてた。
俺はB子が亡くなった8月の夏休み終盤ごろは
田舎のじーちゃん家に行ってたし、
小3になってB子と接点がほとんどなくなったから、
あとバカだったから仕方ないと言えばそうなんだが。
「B子が帰って来ちゃった」
B子ママのつぶやきは、俺しか聞いてなかったかも。
ご近所さんたちの後ろで、B子がにっこりとほほ笑んでた。
164:こわい名無し@147:20XX/10/14 23:17 ID:RIeere5re
B子ママは亡くなった。
翌朝そのマンションが大騒ぎになっていて、
部屋から担架で運ばれていることろを見た。
心臓発作か何かだったらしい。
きっとB子が寂しくて寂しくて一緒に連れて行ったんだろうな。
俺とA男のせいだ。
ただ俺は、今も後悔と安堵の気持ちが渦巻いてる。
自分のせいで人が亡くなってるのに安堵してるなんて
他人には口が裂けても言えないが、
B子は言っただろ、
『駄目だったら俺くんでも良い?』
って。
もしあの日、俺らの計画が失敗してたら、
連れていかれていたのは……




