表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

5. 非公式クラリーチェ様広報委員





 学園に戻った私は、記録帳が使えるか確認してみることにした。

 寮に戻る途中、遠くに白くて金ピカな人影が見えたので、ちょっと遠回りするハメになった。……クソ。


 

 ◇



 自室にて、机の椅子に腰掛ける。

 私は――そっと記録帳を机に置いた。


 すると、記録帳の表紙にある薔薇の蕾が、ゆっくりと光を放ちながら咲いていく……。

(なにこれ、すご……)


 薔薇が咲ききると、光も収まった。

 ――私は鍵に手をかける。


 カチッ。

……開いた! やった!!


 さっそく開いてみる。

 すると――ウインドウが目の前に現れたのだ!


 我、大勝利!

 何はともあれ、まずはパラメータ確認だ!


 



▶︎ 共鳴力 56/100

▶︎ 精神力 38/100

▶︎ 表現力 44/100



 


(……あれ? 私、意外と共鳴力高くない⁈)

 精神力は……哲学の授業で眠気に負けた日々の影響かな……。

 表現力は……まあ、クラリーチェ様への愛を伝える努力の成果ということで!


 思ってたよりは悪くなかったので、とりあえず安心。

 入学してまだ一か月ちょっと。一回目の選定試験の突破ラインは平均50。これは余裕。


 その後は段階的に難しくなっていく。

•第2回:平均65 +「共鳴60以上」

•第3回:平均80 +「精神70以上」

•第4回:平均90 +「表現85以上」


 次からは特定パラメータの最低条件もあるから、ちゃんと育成しないとダメ。

 恋愛イベントを起こすつもりはないけど、だからこそ育成には真面目に取り組みたい所存。


 


 改めて、自分のパラメータを見て考える。

 ん〜? なんか授業での上がり方だけじゃ説明つかない気がするんだよね。共鳴力、上がりすぎじゃない?


 もしかして、授業以外でも関連する行動で上がる仕様?

……いや、いいんだけど。上がる分にはいいんだけど、下がるとかないよね??? 不安なんですけど。


 


 パラメータが確認できないという病から完治した私は、他の情報もチェックすることに。

 ゼム兄さんの時みたいな取り逃しは、もうイヤだ。


 画面をスイスイとタップしていく。

 お、親密度……!


 



▶︎ レオニス=ヴィアルディア 12/100

▶︎ カイン=バルドレイン   15/100

▶︎ ユリウス=ヴァレンティス 10/100

▶︎ リオ=フィエスタ      8/100

▶︎ ノア=ルシェル      18/100



 


(上から、王太子、熱血わんこ、インテリ眼鏡、チャラ男、不思議男子だよ)


 


 華麗なる生身キャンセルを重ねてきたというのに、チャラ男以外はまさかの二桁。

 しかも、一言も話したことのない不思議男子がトップ……⁈ 意味わかんない。


 え、怖。攻略対象者たちの女を見る目、ポンコツすぎでは?


 そんなんだから、クラリーチェ様の素晴らしさに気づけないんだよ君たちは。


 


 ちなみに、親密度が70を超えると「嫌がらせイベント」が発生する。

 このイベントを、攻略対象者からの手助けでクリアすることで、“恋愛モード”に入る流れなんだよね。


 


「今ほど接触を避けなくても、調整できるのでは?」という疑問、わかるよ? でもね。


 ゲーム内のクラリーチェ様にはさ、

“リリカが攻略対象者と親しいことに嫉妬してたのでは?”って噂があるんだよね。


 だから私は、クラリーチェ様の悪評に繋がりそうな行動は全力で回避したいんだ。

「全然親しくもないのに嫉妬?」なんて、意味不明な憶測流されたらクラリーチェ様が気の毒すぎる!


 よって、彼らとは今後もノー接触で頑張ります!


 


 「フロレンティアの薔薇」では、セントローズ候補者がリリカを入れて五人いて、ゲーム内では彼女たちと関わらなくても話は進む。

 話しかければ会話できるし交流もできるけど、友情エンドはないからスルーするプレイヤーも多かった。


 つまり、候補者たちからの《友好度》も記録帳で確認できる。

――クラリーチェ様が、私をどう思ってるかが……数値で……見れる……!


 ゲームの中の“リリカ”じゃなくて、今は私自身。

 だからこそ、緊張が一気にマックスになる。


 


……ええい、ままよ! 画面をタップ!


 



▶︎ クラリーチェ=フィオレンティーナ 32/100

▶︎ セシリア=ブランデル       23/100

▶︎ イリス=ルヴァン         25/100

▶︎ ミミーナ=コルヴェット      22/100



 


!!!!

 クラリーチェ様が……32⁈


 すごっ……え、ほんと???


 


 候補者は攻略対象者に比べて上がりにくいはずなのに!

 イベントだってないのに! なのに! 他の令嬢より高いなんて!


 


――世界よ、見よ!! これがクラリーチェ様だ!!!


 高貴なる公爵家の令嬢、クラリーチェ=フィオレンティーナ様。

 ゲーム内で言われていたような、傲慢で冷酷な人間なら、平民の私に対してこんな数値になるはずがないんだよ!!


……でも、この友好度は私にしか見えない。証明できない。

――くやしい。くやしい、くやしい……。


 


 私は決意する。


 クラリーチェ様の誤解を、私が晴らしてみせる。

 ツンデレクールな攻略対象者が許されるなら、ツンデレクールなセントローズ候補者がいてもいいじゃない!


 私は――


 


「非公式クラリーチェ様広報委員」として、彼女の名誉を守ってみせる!

 




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ