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0514 逢瀬

「逢瀬…しません?」


付き合い始めた恥ずかしがりやな彼女がデートを申し込んできた。


「良いけど何故逢瀬」

「逢引って言った方が良かった?」

「いや普通にデートって言っちゃ駄目なの?」

「デートは嫌」

「え、それ何が違うの?」


彼女は微笑む。


「逢瀬って言うのは二人でこっそり行うデートの事。

他の人が知らない事が前提。」

「なるほどね」

「私達が付き合っている事は誰にも知られたくないからね」


知識マウントを取れてうれしいのだろう。

そう言う所で自慢してくる姿は彼女の魅力だ。


だが…。


「なるほどね。

だが、申し訳ない事にお前の後ろにいるお姉さんにバレている時点で恐らく逢瀬にはならないんじゃないか?」


彼女が眉間に皺をよせ、渋い顔になった。


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