0602 紫陽花の花の色が変わる理由
「桜の木の下には死体が埋まっているから白い花が薄い赤色に染まるーーーって言うけど逆なんだよね」
「………何の話ですか?」
博士の意味不明な発言を聞き、何事かと思って彼女の視線の先を覗き込めば切り花が一つ。
「紫陽花ですか?」
「そう、紫陽花。
紫陽花って土のph。つめりアルカリ性か酸性かで花の色が決まるんだよ。
死体が地面に埋まってると土が酸性になるから紫陽花の花は青くなる。
ちなみにアルカリ性だと紫になるね」
「あぁ、それで「逆」なんですね」
つまり博士は土の中に死体が埋まってると紫陽花が紫色になることを不思議がった訳か。
紫陽花の花の色の事なんて知らなかった。
花の色が変わる理由なんて昔学校でやった鳳仙花の実験くらいか…。
「博士。
酸性の赤い食紅を溶かした水でアジサイをを育てたらどうなります?」
それを聞いた博士はこちらを向いてにやりと笑う。
「そういう事は実験するんだよ。
未知を知るのは楽しいんだから」
「いや、実験はたくさんしているので答えを教えてほしいです」
それを聞いた博士は少しだけつまらなさそうに唇をとがらせる。
「それと、その時間を使うくらいならもっと面白い実験がしたいですね」
「君は本当に結果ばかりで過程を楽しまないよね。
ちなみに食紅の実験は道管実験って奴で花の色を変える実験じゃないよ。
結論から言うと青い花に赤い筋が入ってきっと汚くなるね」
博士の曲がりかけたへそがもとに戻った。




