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ラリー 〜思いを球にのせて〜  作者: Macou
神明クラブ編
7/43

奈緒の成長

一方 奈緒の試合も始まっていた。

奈緒の試合は最初から完全トーナメント戦。負けたらそこで終わりだ。


野々垣監督が皆を集合させ、話を始めた。豊富中学で全国大会の個人戦に出られているのは20人中12人だ。出られていない生徒も応援やサポート係としている。奈緒はもちろん出場側だ。

野々垣監督「全力で上を目指せ。ベスト16からは明日試合の続きになる。全員明日の試合に残れるよう全力で戦うように」


生徒達の動きは皆テキパキしている。奈緒もその1人でとても馴染んでいる。そんな様子を一つも見落としたくない奈緒の父と母であった。


そして父と母の隣に佐野監督がドスっと座った。

佐野監督「奈緒、団体戦でもレギュラーに入るんだって?さっき野々垣先生と話をしていたら褒められたよ。奈緒はいい選手だって。練習も生活態度も真面目だと。入学当初は下から2番目の実力だったのに今では上から4番目か?すごいねーーー。」

母「ありがとうございます。真面目な子なのでね。それもそれで心配はありますが楽しく卓球ができているようでほっとしています。」

佐野監督も芽衣の両親も奈緒が褒められてとても誇らしい気持ちになった。


奈緒は点を取るたびに大きな声で「しゃぁ!」と言うプレースタイルに変わっていた。点を取るたび、応援してくれている皆の方を見て喜び、力に変えていた。個人戦でも皆と戦っている・・そんな風に見えた。


芽衣は観客席の少し遠いところから奈緒の試合を見守っていた。

"奈緒・・・強くなったな・・・試合をすごく楽しんでいる・・・中学校て楽しいんだろうな・・・毎日卓球仲間が側にいるんだもんね。"

芽衣が通っている小学校では卓球のことわかってくれる友達はいない。なんだか異様に忙しい人。それが自分だ。だから奈緒のように居場所がある環境を羨む気持ちが生まれた。

"私もはやく豊富中学に入学したいな〜"


奈緒はどんどんと勝ち上がってベスト16まで残っていた。豊富中学でベスト16に残ったのは4人だけだった。奈緒の両親は奈緒の成長している姿をとてもとても喜んだ。

そして次の日、奈緒は初戦で負けてベスト16で終わった。奈緒には初めての十分すぎる高成績だった。



大きな試合も終わり、またいつもの日常に戻っていく芽衣。ただ気持ちに変化が生まれた。今まではなんとなく練習に通い、監督やコーチが見ていない時は手を抜くこともあった。しかしこの試合を境に練習態度や意欲はとても強くなった。

"みんな私を置いていかないで"そんな気持ちで練習時間も伸ばしていった。


香苗は全国ベスト4に入る好成績だったのでどんどん自信がついてきたのであった。

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