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ラリー 〜思いを球にのせて〜  作者: Macou
神明クラブ編
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中国人コーチと母の努力

芽衣が5年生になったある学校帰り、急いで宿題を済ませ、いつものように練習の用意をしていた。するとお母さんが突然話しかけてきた。


「芽衣〜今日で神明クラブ、車で行けるの最後かもしれんわ」

「どうゆうこと!?」

「お母さん夜神明クラブのお手伝いしてたやん?それ辞めてパートの時間、長くしてもらうことにしたのよ。だから芽衣〜これから神明クラブまで電車で行ってくれない?」

「1人で?」

「新町の駅までついたら香苗と香苗のお母さん待ってるからそこからは一緒に行き?」

芽衣はため息をついた。なんでそんなめんどくさい事しないといけないのか・・・でも練習には必ず行かなきゃいけないし、駅もすぐ近くだ。でも1人で行くのは少し心細かった。


でもその日はすぐに来た。芽衣のお母さんは芽衣が寂しくならないように学校が終わって夕食まではいてくれた。でも芽衣の神明クラブの練習時間になるとまた夜、短時間バイトを入れているようだった。芽衣は理由を聞くこともなく、自分が電車で練習に通うことで頭がいっぱいだった。


そしていつものように芽衣は学校を終えて宿題を済ませ、夕飯を終えると神明クラブの練習の用意を始めた。芽衣の私服は卓球の練習着だ。毎日練習ジャージ姿で女の子らしい格好はしたことがない。だけど唯一、前髪を留めるピンだけはかわいい色の物をつけている。それが芽衣の女の子のこだわりだった。目がくりくりでかわいい芽衣はもしショッピングモールでワンピースでも買ったらよく似合うだろう。しかし芽衣の髪は常にショートカット。スカートなんて履いたことがない。


いつものように大きな卓球リュックを背負い、練習着に着替え、家を出た。駅に着くと仕事帰りのサラリーマン、学校帰りの高校生が乗っている満員電車に乗り込んだ。大きなリュックを持ったスポーツ小学生が電車に乗るとやはり少し目立つ。そして電車を降り、駅につくと、すぐ香苗の母が手を振ってくれた。香苗の母も電車で通う芽衣の事を心配していた。


そして神明クラブについた芽衣と香苗は佐野監督にすぐに呼び出された。

「今日から新しいコーチをつける。王コーチだ。これからみっちり教えてもらえ?」


そう言われると個人レッスンが始まった。王コーチは30代女性の中国人コーチだった。日本語は上手だったのでコミニケーションはうまくとれた。その日から毎日中国人コーチがよくついてくれた。そして厳しい練習がさらに厳しくなっていった。王コーチは本当に厳しかった。練習が始まると笑わないし口調もとても強い。だけど休憩時間になるとチョコレートをくれて笑いかけてくれた。オンオフを大切にしていることがよくわかった。そして王コーチは佐野監督に呼ばれ、芽衣や香苗の性格や特徴、技術、練習内容の確認をよくしていた。

佐野監督は王コーチに任せるといいながらも芽衣と香苗が気になってしょうがない様子だった。芽衣も香苗も厳しいが優しい王コーチが大好きになっていった。


そして練習が終わると駅まで香苗の母が送ってくれた。そして電車に乗って最寄駅までつくと母が待ってくれていた。


芽衣は王コーチの話をお母さんにたくさん話した。

「新しく王コーチがついてくれたんだ♪王コーチて中国の人なんだってー!昔は中国でベスト8に入ったことがあるらしいよ。耳にはかわいいピアスがついてるのー!」

母は嬉しそうに芽衣の話をよく聞いてくれた。


王コーチの個人レッスンは高額だ。それに寮生活をしている奈緒への仕送り代もある。芽衣の父は普通のサラリーマン。それだけでは厳しかった。でも芽衣の母はそれを子供達には察することがないよう元気に働いた。そして芽衣や奈緒の卓球の成長が頑張る源だ。芽衣はその努力にはなかなか気づくことはできないのであったが母は練習内容を嬉しそうに話す芽衣の顔を見てほっとしていた。

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