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卒業、退寮 それぞれの道

今年の正月の帰省は特別な物にしたかった。

31日の年越し、毎年恒例のように夜、香苗は芽衣の家に来た。芽衣の家のインターホンを押すと奈緒が温かく迎えてくれた。

「香苗!元気にしてた?Tリーグいくんだって?今のうちにサインもらっとかないとあかんなw」

「私のサインは高くつくで〜w」

笑いながらリビングに向かうと階段からドタドタドタドタ大きな音を立てて芽衣が降りてきた。

「香苗!!!!」

「芽衣〜〜〜会いたかったよ〜〜芽衣就職するって聞いたで〜できるんか仕事w」

「そんなんいいから見せたい物があるん。はやく来て!」芽衣は香苗の手をひっぱり急いで芽衣の部屋に連れてきた。


そして香苗が芽衣の部屋のドアを開けると


パーーーーーン!!「サプラーイズ!!!」


さえと玲が"Tリーグ参戦おめでとう"と書かれた紙を持って、クラッカーを鳴らした。


「玲ーーーーさえーーーーー」香苗は2人に抱きついた。「待って待って!玲はともかくさえいいの?青森じゃないの?」

玲「なんで私はともかくやねーんw」

さえ「いいのいいの!私来年もこっちの大学だしもう私のホームはこっちよwそれに来年また会えるかどうかなんてわからないし!」

芽衣「さえと玲は大学、私は社会人、香苗はTリーグでしょ?次会えるとしたら全日本選手権しかないのね」

玲「あーもう今からプレッシャーかけてくるん?絶対予選通過せなあかんやんw」

香苗「当たり前やろw何弱気になっとるん」



・・・・懐かしい。

4人は顔を合わせた。そして大笑いした。


芽衣「久しぶりやなwこの感じ!!」

玲「なんか涙腺弱くなってきたかもーー!」

香苗「ほんま会いたかったよ。試合会場じゃ挨拶くらいしかできへんもん!玲とさえはまた大学も一緒か〜ええな〜」

玲「すごいよな。中学から大学まで10年も一緒に住むんやで?」

さえ「嬉しいくせにwちなみに芽衣の彼氏も一緒になるんですけどねw」

芽衣「お世話になります♪監視よろしくw」

香苗「こっわーーーー颯もやっかいなの来ると警戒しとるんじゃない?w」

みんなは笑い合った。そして会話が途切れることはなく、せっかく年越しに集まったのに、年明けも忘れて喋りっぱなしだ。豊富中学の思い出話は特に会話に花が咲く。4人はこの限られた時間を大切に大切に過ごした。


そしてその日は久しぶりに4人で寝た。芽衣の部屋いっぱいに布団をひいて、みんなで川の字になって寝た。3人は毎日一緒にいるメンバーなはずなのに、そこに香苗が入るとなんとも特別に感じ、中々寝付けなかった。寝るのが勿体なく感じた。

そして始発の時間には、さえと玲は帰宅していった。


香苗「芽衣ありがとう。」

芽衣「うちら同期は4人なんよ。Tリーグでも頑張り!」

香苗「わかっとるよ。芽衣も同じ舞台に来ると思ってたからびっくりしたよ。やっぱり怪我が大きいの?」

芽衣「まぁね〜色々考えた結果よ。社会人リーグで大活躍しちゃうと思うけどねw」

香苗「調子のってると痛い目みるでw」


2人はいつものように会話のラリーが止まらない。そして次の日は颯とのデートの約束の日だった。デートと言ってもまずは2人で卓球の練習から始まるお決まりコースだ。


颯「芽衣が先に社会人になるとは思わなかったよ」

芽衣「お金持ちになるで颯が稼ぎ出すまでは奢ってあげてもいいよ?w」

颯「絶対嫌!!!!そんなカッコ悪い事絶対したくない!!!」

芽衣「だって私、社会人になったら車も買ってもらうんよ?」

颯「まじか・・・俺が運転するからw」

芽衣「そんなカッコつけんとwww」

颯「俺大学で大活躍してオリンピック目指すから!それまで普通のデート中々出来ないかも・・・ごめんな」

芽衣「うちら一回も普通のデートした事ないやんかw今日も結局練習やろ?」

颯「だって芽衣に試したいサーブがあるんだよ!」

芽衣「ちなみに私もありまーすw」



2人の相性は抜群だ。勝負事になると負けず嫌いの2人はどっちも折れない。それはまるで小学生の頃の香苗と芽衣を見ているようだ。


颯はどんな芽衣も大好きだった。芽衣も同じく、カッコつけるところも、芽衣を優しく包み込んでくれる姿も、全てが愛おしかった。2人はいつのまにか理想のカップルとして有名になっていた。



そしてあっという間に帰省は終わり、卒業式、退寮式がやってきた。

卒業式でクラスのみんなと写真をとり思い出に浸った。その後はいよいよ退寮式だ。


中学、高校の後輩達は涙をすすって新しい門出のお祝いをしてくれた。一人一人色彩にメッセージがかかれ、そこには野々垣監督、星野監督からのメッセージもあった。慣れ親しんだ寮ともお別れだ。それぞれが新しいスタートラインに立つ時がきた。

空っぽの部屋を見た芽衣、さえ、玲の涙が止まる事はなかった。そして深く深くお辞儀をした。



「6年間ありがとうございました!!!!!!」3人は声を合わせて、様々な思い出のつまった寮にお別れをした。

そしてその後は卓球部での謝恩会だ。保護者達も参加し、皆で会食をした。


野々垣監督「あんなに小さかった芽衣が大きくなったな・・・」中学の担当をしていた野々垣監督はしみじみ芽衣を見て言った。

芽衣母「ほんま。先生達に育ててもらって、奈緒の時から何年いましたかね?感謝しかありませんわ。ありがとうございました」

星野監督「奈緒と芽衣の性格の違いには驚かされましたw」

芽衣母「そうですよねwww私も思います。」

芽衣は母の横で自分の話をされているのにぽけーっと聞いて突っ立っていた。

星野監督「芽衣の卓球は見てて燃えてくるからね。ほんまに強かったよ。」星野監督にそんなに褒められたのは初めてだった。芽衣はとても嬉しかった。

野々垣監督「芽衣。香苗は元気にしとるか?」

芽衣「あ・・・はい。この前正月にみんなで会いました」

野々垣監督「そうかそうか・・・これからの香苗の活躍も楽しみだね」野々垣監督は香苗を許さずに山村高校に送ってしまったことをずっと後悔していた。

芽衣「香苗に伝えときます。きっと喜びます」

野々垣監督も星野監督も頷き、監督2人がようやく香苗の話題を笑顔で話している姿を見て芽衣も喜んだ。


そして長く楽しい謝恩会は終わり、ついに3人は別々の道へ進むのであった。

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