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注文を待たされるだけ待った結果

 カウンター越しに二人が覗くと、先ほどの若者達がいる。


「ちょっと、ごめんよお」と、言いながらカウンターの台の一部を上げて二人は中へ入っていく。


えっ。彼らの視線がまたも私たちに向く。


「あまりにも待たせすぎよ。いったい何やっているのよ!」成田がやや強い口調で声をかける。


「僕たちも、他のハンバーガー店にいるものでちょっと気になってね」


その時裏のドアが勢いよく開いて、袋を下げて若い男が入ってくる。


緑色をした髪の男で数個の耳ピアスが目をひく。


「ごめん、ごめん、〇×バーガー混んでて」急いで来たのだろう。まだ息が荒い。


「あっ」私たちに気づいて、罰が悪そうにその男は固まっている。


「もしかして他店で私たちの注文品買ってきたの?」あきれ顔の佳代子は店長と顔を見合わす。


「とりあえずそれは買うよ。食べてから少し店の事情を教えてくれないか? 少しは力になれるかもしれないから」


その言葉に救われたように、彼女らの表情が変わってきた。


「あなたたち、やる気があるなら店の外から徹底的に掃除して来て」嫌がっていた成田だがこの状況を見かねて指示をだす。


彼女らは意外と素直に掃除道具とゴミ袋を持ち、にぎやかに駐車場にでていこうとする。


「ちょ、ちょっと。誰か店内に残っていなきゃだめでしょ!! そこの二人は、埃をたてないように店内の掃除を徹底的にやって!」


その様子を見ながら、ニタニタとしている店長。


「もう、なんなんですか。基本のイロハも知らない。あれで、店員? そもそも、この店の責任者は? まあ、とにかく何をだされるか不安だったけど他店で買ってくるだけましかも。私もお腹減ってきたんで、さっさと食べて次の店いきましょうよ」


テーブルに戻って店長は、黙々とハンバーガーを食べながらカバンから取り出したノートパソコンを見ていた。それから、あるブログを佳代子に見せる。


目の前の画面には、開店時の写真と紹介が載っていた。


フランチャイズに頼らない、自らの視線とセンスで!! をコンセプトに、メニューにも定番ものから店内オリジナルの商品等が写真とコメント付きでこれからの期待できるお店として紹介されている。


「これって、この店のこと?! たった3年間でこの変わりようは、何があったの?」


「そして、これが半年前」店長はさっと、画面を切り替える。


市内ハンバーガーランクづけは最下位の30位になっていた。


「この時からもう、飲食店じゃないですね。しかし、ある意味よく半年ももったというか…」

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