第二話
『レベルが9に上がりました』
ということで、近くの街へとやってきた。
だんだんとレベルの上がりが遅くなってきた気がする。
「す、すげえな……」
周りにはよくファンタジー世界にある中世ヨーロッパのようなレンガでできた建物が広がっている。
周りには先ほどの草原にいた冒険者のような服装をしたものから魔法使いのようなローブをつけたもの、トカゲの顔をした人間など様々な人たちが見られた。
本当に俺は異世界にやってきちまったんだな。
改めてそれを実感させられた。
さてと、冒険者ギルドはどこにあるのだろうか。
近くにあった看板に目をやった、どうやら地図らしい。
どれどれ……よかった、奇跡だ。
まさか日本語だなんて!
冒険者ギルドはどこかな……。
あった!
ここからまっすぐのところか。
○
『レベルが10に上がりました』
「こ、こんにちは……」と恐る恐る冒険者ギルドの扉を開ける。
中は右側半分が冒険者関連であり、左側は食堂となっている。
中には冒険者たちがたくさん見られる。
うむ、あそこだな。
「……あの、失礼します」と受付に行き、顔ほどの胸を持つ受付嬢に声かけた。
名札を見てわかった、どうやら名前はリサらしい。
「は〜い、と、あまり見ない服装ですね!」
よかった、日本語が通じるのか!
「……あ〜これですか?」
そういえば、俺は今ジャージだったな。
この世界ではたしかに珍しい物だろう。
「はい。それでどうしたんですか?」
「それがですね、冒険者になりたいんですけどどうやってなればいいんですかね?」
「はい、冒険者カードの発行ですね! それでしたら──」と目の前に水晶を用意する受付嬢。
水晶を置くときに少し谷間を見てしまった。
かなりデカいな、さすが異世界!
「こちらの魔道具に手をやってください」
なるほど、多分だがここに手をかざすとステータスを見ることができるようになるんだな!
受付嬢に言われた通り、水晶に手をやると、水晶がピカリと光だす。
おお、なんだなんだ!?
そのまま光に身体が包まれる。
光が止むと……。
ニコリと受付嬢は微笑み。
「ありがとうございます、カードを発行していますので少々お待ちください」
水晶の頭上から少しずつカードが出てきている。
す、すげえ……これが魔法ってやつか!
異世界なのだ、早く魔法が使ってみたいものである。
「それでは、これで冒険者カードの発行が完了しました!」
冒険者カードをじっと見る。
キリサキユウ レベル10
マジックポイント…85
スキルポイント…85
攻撃力…250 防御力…250
素早さ…250 魔力…250
魔法…なし
スキル…『ブレス』
なるほど、この『ブレス』というスキルがレベルアップする原因となっているのか。
「マジックポイントとはマジックポイントと書かれた場所をタップすることにより、魔法の一覧が現れます。その際にマジックポイントを消費することにより魔法を覚えることができます。スキルも同様です。しかし、魔法もスキルもここに書かれているのは僅かであり他者から教わることによりさらに覚える魔法やスキルを増やすことができます」
長々と説明ありがとう!
『レベルが11に上がりました』
「はい、わかりました。それでクエストを受けるには……」
「あそこにあるクエスト掲示板から自分に合ったクエストを選び、クエスト用紙をクエスト掲示板から外してこちらに持って来れば受けれます」
「ありがとうございます」
「それでは冒険者として頑張ってください!」
かくして俺は冒険者となった。