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エルフの体内時計は難しい

作者: ねこカレー

「ひーくん、おまたせー」

先輩が笑顔で駆け寄ってくる。

「先輩のことを考えてたら時間なんてあっという間ッスよ」

俺は待ち合わせ用寝袋を畳みながら、先輩の呼びかけに応じた。


待ち合わせの時間から70時間オーバー。

前よりも早く来てくれるようになって嬉しい。




1年前、体験入部で入った弓道部の先輩(エルフ)に一目惚れをした。

なんやかんやと色々あって付き合うこととなり、初デートの日を迎えたのだが


…来ない。


待ち合わせの時間を過ぎても先輩は来なかった。

先輩は連絡手段を持たない主義らしく、ただ待つしかなかった。

何かエルフにとって無礼な事を知らず知らずにやってしまっていたのだろうか…

などと思い悩むうちに刻々と時は過ぎ、長く伸びていた影も夕闇に溶けた頃、諦めて帰路についた。


なんとなく先輩と顔を合わせにくくなってしまったまま1週間が経った頃、待ち合わせ場所だった公園で先輩の姿を見つけた。

デートにでも行くかのような出で立ちで誰かを待っているようだ…


早々に立ち去ろうとも思ったが、誰を待っているのか見てみたいという気持ちとの狭間で揺れているうちに先輩と目が合ってしまった。

こちらに向かって来た先輩から思いも寄らぬ言葉が。

「すまない、少し遅れてしまったな。」

「え、遅れて…?約束から1週間経ってるッスよ…?てっきりすっぽかされたものだと…」

「あぁ…人間にとっては遅刻の範疇から超えてしまっていたのか…本当にすまない。」

エルフの時間感覚は人間とは随分違うようだった。


「…そうか、君はそんな想いをさせてしまっていたのか。」

「てっきり怒らせてしまったのだと思っていたので安心したッス」

「どうしよう、君の予定もあるだろうしデートは日を改めて」

「今からでも全然行けるッス!」

食い気味に即答した。


そんな初デートの帰りに先輩が

「遅刻してしまったお詫びに、何かさせてくれないだろうか。」

と言ってきたので

「じゃあ…これからは君じゃなくてひーくん、って呼んで欲しいッス」

と厚かましくも頼んでしまった。

「わかった。これからもよろしく、ひーくん。」




それからデートを重ねるごとに、早く来てくれるようになったのだが…

「もー、先輩じゃなくてゆーちゃんって呼んでよー」

先輩は1年で随分と甘々なキャラになってしまった…


エルフの時間には未だに慣れない所もあるけど、先輩がかわいいからそれでいいや。

拙い所だらけでは御座いますが、年に1度のなろうラジオ大賞と聞き、折角なので投稿させていただきました。

千文字の制限は難しいと痛感しております(3年連続3回目)

そもそも制限が有ろうと無かろうと難しくはあるのですが…

来年こそは真っ当な物を投稿できればと思っております(3年連続3回目)

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