表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
94/217

異世界編 第十五話 ルネとともに④

お世話になります。

つ、ついにルネまでもが食べられちゃいますw

いったい何人たb…ゲフンゲフンっ!!

もはや自分の命など"風前の灯火"と覚悟を決めたルネの目の前に突如現れた黒目黒髪の少年。

自分と年齢的にはそんなに変わらないであろう少年が大の大人、それも戦う事を生業としており、その中でもトップクラスと言っても過言ではない王国騎士団を相手にわたり合っている。

それどころか、軽くあしらっているようにさえ見える。

しかも姫様と自分は何か見えない防御結界?のようなモノで守られているようで魔法使いからの攻撃も反乱軍の剣戟も尽く弾いている。

((わわわっ!!すごっ!!!))などと、ルネが驚いているうちに一瞬で敵側魔法使いが消え失せ、二十数人はいた反乱軍騎士達も全員無力化されていた。

これ程までに圧倒的な力を持った人など見た事がないルネは唖然とするしかなかった。

そればかりか姫様をお守りする為に果敢に戦い、瀕死の重傷を負ったオルト達をあっという間に治癒してしまったのだ。

剣術、魔法…どちらも凄まじいまでの実力。そして全く見ず知らずの者達であるにもかかわらず、治癒してしまう清廉さ。

更には殉死していった者達の亡骸を手厚く布でくるみ、アイテムボックス?に回収してくれたのだ。

しかし、その本人からは何らかの見返りを求める様子もギラギラとした黒い部分なども微塵も感じられない。

案の定、隣の姫様を見やれば既にオメメを♡マークにしてらっしゃっている。無論ルネ自身も。

ルネとて年頃の女の子なのだ。恋愛感情も普通に持ち合わせている。

だがしかし、自分はあくまでもメルシオーネ姫に仕えるメイドの身。姫様を差し置いて色恋にのめり込むわけにはいかない。

自分の恋心は心の奥底に仕舞い込み、姫様の初恋を成就させる為にフォローしていこうと、その時は心に誓っていたはずのルネだった。~~

雄二との出逢い、そしてこれまでのあれこれを回想しながらルネは今のこの状況を感慨深げに鑑みる。

((一度は諦めた私の想いが叶えられるなんて夢のようです。・・・とても信じられません!))

だからこそ、自分自身、((いつまでも臆病なままではいられない。))という強い想いがここに来て急速に高まっていった。

隣にいる雄二はといえば、そんなルネの心情をあくまでも本人に任せようと、知らぬ存ぜぬを貫くつもりでいる。

(本人の意思を尊重したらんとなぁ。。。)

一通り見本市を見て回り、時々屋台で買い食いしながらデートを楽しんだ二人は手を繋ぎ、宿屋に戻っていった。

夕食を摂り、入浴を済ませ、少し寛いだ後、昨晩と同じように一つのベッドで眠る。

次の日もここ『フレアルム連邦共和国』のあちこちを巡った。

4日目の朝、朝食のパンを頬張りながら雄二はルネに尋ねる。

「この国は大体見終わったよな?他にどっか行きたいとこある?」

「そうですねぇ・・・ああ、そういえば以前…詩織様と圭子様にお聞きしたのですが、ウル草原から遥か奥の方にある霊峰にドラゴンの住処があるとか?」

「うん、あるよ?見たいん?」

「はい、、ヴィトゥルブ王国にいる頃も何度か話には聞いていたのですが、実物を見た事がまだ一度も無いんです。」

ルネはメルの専属メイドとしてメルの国内での外遊には付き添ってはいたのだが、国外に出た事は一度も無かったのである。

ならば、、ということで雄二達は早速、ドラゴン達が住まう霊峰へ向かう事にした。

事前に【テレパシー】でドラゴン達を統べている『エンシエントドラゴン』に来訪を伝えておく。

宿屋から外に出た二人は人影がない所を見つけて、そこから転移した。

一瞬で視界が切り替わる。

既にドラゴン達は全員、地面に降りており、頭を垂れていた。

「ようこそおいで下さりました!主様。奥方様もようこそ、我が聖域へ!」

面前にいたひときわ大きな赤いドラゴンがそう発する。

「うん、そっちも変わらず元気そうで何よりや!」

雄二がエンシエントドラゴンと挨拶を交わす中、一緒についてきたルネは・・・やはり目の前に映る光景にフリーズしている。

「おいっ!ルネ?大丈夫かぁ?」

雄二がルネの身体を軽くゆすって意識を復帰させる。

「っ!!・・・は、はい・・・詩織様や圭子様からユージ様がドラゴンを平伏させている話は聞き及んでいたのですが、実際の迫力があまりにも凄すぎたものですから・・・」

「まあ…そらそうやわな(苦笑)」

このようにして雄二はドラゴン達の近況を尋ねたり、ルネと一緒に前と同じようにドラゴンにライドオンしたりで半日を費やした。

ドラゴン達と別れた雄二とルネが次に訪れたのは・・・

「っ!!!・・・・・・・・えっ!?あ、主様?・・・えええ~~っ!??」

「よぉ!エウリアネ…元気そうで何よりやしっ♪」

突然目の前に現れた雄二に刹那固まった後、パニクって混乱する『エウリアネ』=このズゾロ世界を管理している女神。

「いやな、せっかくこっちに来たんやしな…それにちゃんとエウリアネがサボってないか抜き打ちチェックしとかんとなっ!」

そうなのだ!ここはズゾロを管理する女神であるエウリアネが住まうズゾロ世界の遥か天空に位置する空間である。普通の人間では辿り着くどころか、見つけ出す事さえ到底叶わぬ場所なのだ。

ルネは唐突に紹介されたのが小さい頃から崇め奉っていた"女神様"であるという事に。そしてエウリアネはルネが自分よりはるか上の存在である雄二の嫁の一人である事に。

お互いそれはそれはびっくりする。

とは言え、ルネの場合、地球に戻ればもっと上位の女神であるアリー=アルテミスと同じ屋根の下で暮らしているわけであるし、ルネ自身も雄二と契りを結ぶという時点であの『ゼウス』を軽く凌駕する存在になる訳なのだが。

ここでしばらくの間まったりして、雄二とルネは地上に戻り、宿屋に帰った。

その日も二人は夕食、そして入浴を済ませて同じベッドの中で添い寝をするのだった。

次の日、滞在5日目。そして翌、6日目。

この二日間はズゾロ世界の主だった所を巡った。

二人でダンジョンに潜ったり、エルフの里を訪れたり、旧ワルジン帝国にも行ってみたりした。

なお、旧ワルジン帝国はもはや国家の形態ではなく、それぞれバラバラになっていた。

かって侵攻され、占領されていた国々が再興して独立していく所もあれば、小規模集落を形成する者もいた。

元々ワルジン帝国領だった場所では無法地帯になっている地域も出てきた。

盗賊に成り下がる輩も多くみられたが、雄二にきつく念を押されているエウリアネにより、適度に粛清されていった。

あれよあれよと時間が過ぎて行き、明日には地球に戻る・・・という事は、

((今晩がユージ様と二人きりで過ごせる最後の夜!・・・がんばれっ!!私っ!!))

なかなか行動に移せないまま、とうとう最後の夜を迎えてしまったルネはギリギリになってようやく、覚悟を決め、()()を起こす事を心に強く誓うのであった。



「明日にはあっちに戻るんやけど、どうやった?」

夕食の肉料理を頬張りながらルネに尋ねてみる。

「はいっ!色んな国の色んな風景が見られてとても楽しかったです。本当にありがとうございます。」

佇まいを正して頭を下げてくるルネに雄二は笑いながら、

「ルネももう俺の嫁なんやからそない畏まらんでも。。。それにこれからももっと色んなとこ、連れてくしな。」

と返した。

夕食後、部屋に戻り、今回の滞在で訪れた場所についてあれこれ感想を語り合いながらのんびり過ごした。

そして寝る前の入浴時間を迎える。いつもならルネが雄二の後に入浴するのだが、「今晩は先に入りたい」と言ってきた。

雄二は"気に留めてない、気が付かない"振りをしてルネの申し出を快諾する。

(無理する必要はないんやで?まだまだ先は長いんやから)

そう心の中で呟きながら。

30分くらい経ってルネが風呂から上がったので、入れ替わる形で雄二は風呂に向かう。

湯船に浸かりながら、雄二関連箇所のチェックを行う。

ルネが一大決意し、自分と対峙してくる事は既に把握済みなのだが、あくまでもルネのペースでルネのやりたいようにやらせるつもりだ。たとえどんな結果になろうともルネを優しくフォローし、決して見捨てたりしない。

そんな事を思いながら、頃合いを見て雄二は風呂から上がった。

身体を拭き、寝間着を身に纏い、ベッドのある部屋に入る。

灯りの魔道具は辛うじて視界が確保できる明るさに絞られていた。

ベッドの前に立っていたのは無論ルネなのだが、さっき見た時と明らかに違う。

先程、風呂から上がった時は確かにパジャマを着ていたはずだ。

だが、今のルネが身に着けているのは()()()()()()()なのだっ!

(が、がんばったなぁ・・・おい;;;)

ルネは震えていた。それでも一歩踏み出すための言葉を紡ぐ。

「ユージ様…お願いがございます。」

雄二は「うん。」と短く返事をし、次の言葉を待つ。

徐にルネは自分の想いを言葉にする。

「メルシオーネ姫様がユージ様に心を奪われたあの時、同時に私も貴方様に心を奪われました。・・・最初は自分のそんな想いなど叶わないものと諦め、心の奥底に封じ込めるつもりでした。」

そこでいったん切って雄二の顔を見上げながら瞳を潤ませ、

「でも・・・でもユージ様は諦めさせてくれませんでした。事ある毎に私の心を鷲掴みにしていかれたのです。そしてそんな私の想いを他の方々と同様に受け入れて下さり、父上にさえ、筋を通して下さりました。・・・でも当の私は臆病で意気地なしのまま、一歩を踏み出せないままでした。」

「このままではいつまで経っても何も変わらず、臆病のまま。。。それではせっかくこんな私でも受け入れて下さったユージ様に申し訳ないという想いが強くなってきました。それで…ようやく覚悟を決める事が出来ました。・・・ユージ様?」

決意のこもった眼差しで雄二を熱く見つめ、ついにルネはその言葉を口にするのであった。

「お願いです。どうか私を、ルネを本当の意味で貴方様のものにしてください!ルネは心の底から貴方様をお慕いしております♡♡♡♡ルネにユージ様の愛の証を刻んで下さいっ!!」

思いの丈を実直にぶつけてくるルネ。そんなひたむきさに触れ、雄二は何も言わずルネに近づくと、努めて優しく抱きしめた。

小さいルネの身体を包み込むように、それこそ"こわれもの"に触れるかのように。

やがてルネを抱き上げるとベッドに横たえ、

「ルネ…今からルネを俺のものにするっ!!ちゃんと優しくするから心配せんでええから。」

ルネを不安にさせないよう微笑みかける雄二。

そのままルネの頬をなでると、唇を合わせる。何度も啄むようなバードキスを繰り返した後、大人のキスに移行する。だが、そこには強引さはなく、あくまでもルネをいたわる様に。慈しむ様に。

「め、メルシオーネ様や詩織様達とは比べものにならないみすぼらしいお目汚しで申し訳ありません;;;」

露になってゆく自分の身体をひた隠すようにしながら唇を噛み、申し訳なさそうに悲しい顔をするルネなのだが、

「まだそんな事言うとるん?w・・・俺はルネの全てをそのまま愛せるで?なーんも引け目を感じる事も無いんやで?もっと自信持たんとなっ!」

努めて優しく言い聞かせ、ルネが未だ持っているコンプレックスを解きほぐしていく雄二。

右手をルネの胸に触れながら、

「この可愛い膨らみも・・・」

その手を腹部に下げると、

「このプニプニしたお腹も・・・」

更に手を下げていきお尻辺りをなでながら、

「小さく引き締まったここも・・・全部好きやで?」

されるがままにされているルネは恥ずかしそうにモジモジ。

「ユ、ユージ様ぁ;;・・・その…触り方がエッチ過ぎますーっ!!(//////♡♡♡♡♡」

口ではそう言ってはいるものの、顔は既に蕩け切っていていかにも幸せそう。

「そら、これからエッチぃ事するんやからなぁ♪」

笑いながらそう答えると、雄二はルネの負担を軽くする為、【状態改変】と極弱の【ホーリー・ライト】を行使する。

更に雄二は軽く【常識改変】を施し、精神面でも手厚くフォローしながら事を進めていく。

(こない、気ぃ遣ぉてするのってルネが初めてかもなぁ…)

心の中で苦笑いする雄二はそれでも最後まで気を抜くことなく、ルネの小さい身体をいたわりながら優しく愛を奏でるのだった。

こうして時間をかけ、じっくりゆっくりとルネを心身ともにほぐしていき、ついにルネは雄二とひとつになっていった。

「ああ・・・やっと、やっと…ユージ様と結ばれましたっ!・・・ぅぅぅっ。。。」

ようやく愛する人と身も心も結ばれて感激のあまり泣き出してしまったルネ。

「大丈夫か?ルネ」

そんなルネを包み込むように優しく優しく気遣う雄二。

「はい・・・あまりの感動につい。。。すみません;;」

「謝らんでええて。…これからはもっと我が儘に感情を俺にぶつけてくれな?ちゃんと受け止めたるからなっ!」

ルネの髪をくすぐりながら雄二はルネにそう告げる。

その後、ルネと自身の身体を【状態改変】で綺麗にすると、そのままベッドに寝転がる。

ルネもそんな雄二に寄り添うように自らの頭を雄二の左腕に乗せる。

「ルネ…指輪を確認してみ?」

ふいに、そう言われたルネではあったが、何の疑いもなく素直に自分の左手薬指にはめられている指輪を可視化する。

「わわっ!!・・・ゆ、指輪がっ!!」

指にはめられた指輪。…それはルネが雄二への恋慕を明らかにした時に秀美と共に雄二から贈られた物である。

しかし、その時はまだ気持ちを伝えるのみで精一杯であり、自分がメルや詩織そして圭子と同じステージに立てるとは露とも思っておらず、奥手で臆病なままだった為、か細い小さな指輪でしかなかった。

しかし、今…ルネが見つめている()()はメル達がはめていた指輪と全く同じなのだ。

「あわわわっ!!!・・・」

軽くパニクるルネをなだめながら雄二は、

「どーどーどー!落ち着きぃ?・・・ルネが頑張ったから指輪も成長したんや!あーっ!それと、おめでとう♪ルネ。ルネもめでたく人間卒業やわw」

おどけた様にとんでもない事を口にするのだった。

ついさきほど雄二と愛し合った事により、雄二から半端ない神力が注ぎ込まれ、ついにルネも人間と言う楔が外れてしまったのだ。

少しの間、呆けていたルネだったが、ある事に気が付き、震えながら雄二に確認する。

「あ、あのぉ…ユージ様?これで私も寿命が無くなったんですよね?」

コクリと頷き肯定する雄二に対し、更に、

「成長も・・・その・・・身体の成長も止まってしまう?…む、胸もこのまま?」

少し悲しそうに尋ねてくるルネ。

「あ・・・・・・・・・!!」と思わず声を漏らすが、慌てて取り繕うように、

「ま、まだ成長期やし・・・心配せんでもええんちゃうかなぁ?…たぶん;;;」

明らかにルネから目を逸らし、何の慰めにもならない事を宣う雄二。

微妙になりかけた空気を変えようと、

「ルネはそのまんまでええよ?さっきも言うたやんか!そのままのルネの全てが好きや!ってな。」

確かに雄二ならルネの壊滅的な"幼児体型"も【状態改変】を行使して、グラマラスなばでぃに変える事も朝飯前だろう。

だが、雄二はなるべくカノジョら=嫁達は自然のまま、ありのままを愛していきたいのだ。

そこは譲れない雄二は何とかルネを説き伏せ、話題を変えようと、ルネ専用の異空間部屋を披露するのだった。

そしてルネの要求通りにカスタマイズしていく。

ルネは秀美に感化?されてしまったらしく、アニメやキャラクターがマイブームになっているようで自分に与えられた異空間部屋もそのように様々な要素をおねだりしてきた。

(確かルネもココ、ズゾロやから普通に剣と魔法のファンタジーな世界のはずなんやけど、日本の魔法少女のアニメにハマるって・・・・(;・∀・))

ひと通りカスタマイズし終えると、結構いい時間になってきた。

いつの間にか隣から小さく寝息が聞こえ始めていた。

(ええ度胸やなぁ・・・)

溜息一つついて、雄二も灯りを完全に落として目を閉じるのだった。


次回は現実世界の日本に戻る予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ