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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
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異世界編 第十四話 ルネとともに③

お世話になります。


今回もルネのターンでございます。

ご指摘頂きました点の修正を時間を見て行なっていきます。

風呂からあがった雄二は浴室に【状態改変】を施し、綺麗にする。

寝室に入り、未だ蹲っているルネに風呂に入るよう促す。

照明用の魔道具があちらこちらに設置されているが、やはり電気照明程、明るくない。

異世界ならではである。

暇なので備え付けてあるバルコニーへと向かう。

ロッキングチェアに腰を下ろし、夜空を眺める。時々風がくすぐるように吹いてくる。

周囲を見渡せばポツリポツリと灯りが点々と存在するものの、概ね漆黒の闇が支配している。

やはりここは()()()なのだ。地球と異なり、煌びやかなネオンも雑多な喧騒もない。

徐に【異空間収納】から冷えたフルーツ牛乳を取り出す。もちろんガラス瓶に入っているやつ。

それを一気に飲み干す。

物寂しいのでBGMを鳴らす。

手始めとして流れてきたのは『ポール・モー○ア』の"エーゲ海の○珠"

雄二はこのようないわゆる『イージーリスニング』といわれる音楽ジャンルも好きで、気分を落ち着かせたい時などに聴いている。

以降、『マント・ヴァー○ー楽団』や『フラン○ス・レイ』などの雄二お気に入りプレイリストを【自動再生】させる。これらは無論、1975年当時ではあり得ない音質である。

(ふむ…我ながら音楽センスええなぁ)

などと、くだらない事を考えているうちにルネも入浴を終えたようだ。

背後でパタパタ物音がし、やがてルネもバルコニーにやって来た。

「ここにおられたんですか?」

「うん、自然な風が当たって気持ちええよ?」

そう答えながらルネを見ると、ルネは恥ずかし気にモジモジ。

「可愛いパジャマやなぁ♡」

ポツリとつい雄二が漏らした言葉に殊更、顔を赤く染めるルネ。

ルネが今着ているのは薄いピンクの花柄模様をあしらったパジャマ。

(そういえば、このパジャマは初めて見るかもな)

実はルネのはめている雄二特製指輪の【アイテムボックス】の中にも色々な物が入っており、衣服や生活用品などもいっぱい収納されているのだ。

本当は'こういう時'の為に買っておいた"スケスケネグリジェ"を着るべきなのだが、いかんせんルネにはまだまだそんな勇気も度胸もないのだ。

「座りなよ。」もう一つのロッキングチェアに座るように促す。

「はい。。。」と一言だけ返事をしながら、おずおずと腰を下ろす。

そんなルネに優しく微笑みながら雄二は、

「風呂上りには水分補給もせんとなっ!コーヒー牛乳とフルーツ牛乳、どっちがええ?」

(その2つしかないのかよぉ!!)と心の中でひっそりと自分でボケツッコミをかます。

「じゃ、じゃあフルーツ牛乳でっ!」何故か大声になってしまう緊張気味のルネさん。

「おっ!俺と一緒やね♪お揃いやなっ(⌒∇⌒)」

「一緒・・・お揃い・・・ユージ様と一緒・・・」

何やらブツブツ口にしながら恥ずかしさと緊張感が更に深まるルネ。

そんなルネをからかう事もなく、【状態改変】と極弱の【ホーリー・ライト】で緊張をほぐし、リラックスさせると、

「無理せんでええよ?今日は俺も疲れてもーたし、何もせんよ?せやからルネも安心して?」

と言って聞かせる。

黙ったままコクリと頷くと渡されたフルーツ牛乳の瓶を見つめるルネなのであった。

しばらくはそのまま夜風に吹かれていた二人だったが、頃合いを見て雄二が、

「眠なってきたわ。。。」と言って雄二が立ち上がる。つられてルネも立ち上がる。

【状態改変】を自分とルネの口中に施し、清潔にする。

地球のホテルなどのように備え付けのアメニティグッズがある訳でもないのだ。

二つ並んだベッドを指さして雄二が、

「ルネはどっちで寝る?俺はどっちでもええから。…ルネが選び?」

しかし尋ねられたルネはまたまた緊張がぶり返しているのか、黙ったまま俯いている。

少し沈黙の時間が流れる中、痺れを切らした雄二が再び、

「ルネ?」と問いかける。

やがて顔をあげたルネは雄二の顔を見つめて、

「ユージ様…我が儘を言います。。。」

そこには普段、秀美とふざけ合っている時の顔は影を潜め、真剣そのもの。

「ん?どーしたん?」

何が言いたいのかは既に把握済みではあるが、雄二は敢えてルネに問いかける。

「あ、あのぉ・・申し訳ございませんが、私はまだお夜伽をこなす勇気がありません。。。ですが…もし許されるのでしたら、ユージ様と形だけでも同衾しとうございます。」

震えながら精一杯の勇気を振り絞って紡いだ言葉がそれだった。

(まあ、よーがんばった方やな。うん!)

奥手で臆病なルネにはこれが限界なのだろう。

雄二はそんなルネを慈しむように見つめると、

「それぐらいお安い御用やで?」と言いながら、ルネの手を取りベッドに(いざな)う。

こうして雄二の腕枕に頭を乗せ、雄二に包まれるように横になったルネ。

心臓がバクバクである。雄二と一緒に寝る事は今までもあった。が、それは他のカノジョらとともに純粋に寝ただけである。

雄二と二人きりで寝るのは初めてなのだ。

雄二は自分も受け入れてくれると言ってくれた。父親のリベラール男爵にもちゃんと自分を娶ってくれると言ってくれた。

自分の初めてを捧げ、一生を添い遂げる男性は雄二しか考えられない。そう心に強く決めてはいる。

それはわかりきっている。わかってはいるのだが…まだ勇気が足りないのだ。

それでも雄二は優しく微笑みながら、

「無理せんでええし、焦る必要もないからな?ルネのペースで気持ちを高めていって本当に納得できて覚悟が決まってからでええよ?」

とまで言ってくれている。

情けなさ8割、安堵の気持ち2割である。同年代であるメル、詩織、圭子、良江は既にすべてを捧げ、名実ともに雄二の(カノジョ)となっているのだ。

焦りもあるが、それ以上に怖いのだ。

自分は身体も小さく起伏もない、はっきり言って幼児体型なのだ。本当にこんな身体で愛してもらえるのだろうか?がっかりされるのでは?すぐに嫌気がさして捨てられるのでは?…というネガティブな感情がどうしても頭をもたげ、臆病になってしまうのだ。

雄二はそんなルネの心の内は痛いほどよくわかる。

タイムリープ前の雄二はルネ以上にコンプレックスの塊だったのだ。

だからこそ、ルネには頑張って殻を打ち破ってもらいたいのだ。自らの力で。

それができるまで何年だろうがいくらでも待つつもりでいる。

緊張を解す為、ルネの頭を軽く撫でながら【状態改変】を施す。

そういう意味では雄二が一番目をかけているのはルネなのかもしれない。

「大丈夫や!何も心配ないから安心して寝たらええよ(^^」

そう言いつつ、灯りの魔道具を消す。

そしてルネのおでこに軽くキスをすると、「おやすみ♡ルネ」とだけ伝える。

1分もしないうちにルネから寝息が聞こえてくる。

恐らくほっとけば緊張のあまり眠れないであろう。なので強制的に寝かしつけたのだ。

(ルネをこない間近で見るの初めてかもな。こうして見ると…やっぱルネもまごうことなく美少女なんやなぁ…ちゅーか睫毛ながっ!)

ルネの寝顔をこれでもかと言うくらい堪能でき、満足した雄二は目を閉じて、眠りにつくのだった。

夜が明け、カーテン越しに朝の光が差し込んできている。

先に目を覚ましたのはルネだった。

意識がまだ完全には覚醒していない中、すぐ目の前には雄二の胸板。

眼をこすりつつ視線を上げていくと、そこには愛しい人の寝顔のドアップ。

一瞬、思考回路がショートしそうになるがどうにか冷静さを取り戻し、昨晩の事を思い出す。

そして自分の身体を確認し、パジャマ姿のままである事。自分の身体に何ら異常が無い事。それどころか、頗る快調である事。・・・などに思い至る。

雄二が自分をとても大切にしてくれている事を改めて思い知らされるのと同時に、自分のヘタレっぷりに情けなさを痛感するルネ。

「ユージ様・・・」ボソッと呟きながら目頭を押さえる。

すると、ルネは自分の頬が撫でられている事に気が付く。

「おはよ♡ルネ」雄二は一言そう告げるとルネのおでこにキスをする。

「おはようございます…ユージ様。。。あのぉ、昨晩は…そのぉ。。。」

「ん?ああ、夕べはルネの可愛い寝顔がいっぱい見れたし、満足やったわ(⌒∇⌒)」

事も無げにそう答えて起き上がり、伸びをする雄二。

あふれ出てくる雄二の優しさをしみじみと感じ、尚更いたたまれなくなる。

その心情を読み取って雄二は、

「ルネ?何べんも言うけど気に病む事無いんやで?・・・あと、今まで頑張ってきたんやからこれからはもっと我が儘言ってええからな?心配せんでもずっと一緒や!ずっと傍におるでな?!♡♡」

と、あくまでも柔らかく言い聞かせるの。

自分がいつまで経っても抱いている不安を変わらず包み込んでくれる雄二に対し、ルネは徐々にではあるが((自分も変わらないといけない…もっと強くならないと))という今までより更に強い思いが芽生え始めるのだった。



「この国は魔道具作りが盛んみたいやからおもろいもんあるかもな?見本市みたいなもん開かれとるみたいやから見にいこっか?」

朝食を摂った後、宿屋の主人に鍵を預け、外出する事にした雄二は付き従っているルネにそう告げる。

「わかりましたぁ(^^♪」

ルネも微笑みながらそう答える。

せっかくなので【転移】は使わず、のんびりと街並みを見ながら歩いて移動する事にした。

ヴィトゥルブ王国とは明らかに違う雰囲気を醸し出している佇まいを楽しみながら歩いていく。

昨晩の静けさが嘘のような賑やかさだ。色々な種族が問題なく共存し合っている事に少し驚く。

ヴィトゥルブ王国も特に種族による差別もなく、共存してはいたのだが、あそこはあくまでも人族の国であり、圧倒的に人族が多いのだ。

しかし、ここ『フレアルム連邦共和国』サロメイの街は人族と同じくらい獣人、エルフ、ドワーフといった亜人がいるのだ。

(異世界にもあるんやなぁ!…多民族が共存共栄できるリベラルな民主国家が。日本よりまともやんっ!)

雄二が今まで抱いていた異世界のイメージは、中世ヨーロッパの封建国家であった。

現に今まで実際に関わって来た『ヴィトゥルブ王国』も『ワルジン帝国』もそのものであった。

だが、この『フレアルム連邦共和国』は大まかには差別のない民主主義国家なのだ。

深く感銘を受けつつ、歩を進めていくと何やら大勢集まっている。

近づいてみると、

「さーさっ!お立合い、お立合い!ここに取り出しましたこの油っ!そんじょそこらにある油とわけが違うんだよっ!!」

「ガマの油売りかよっ!!」

(まさか実際にこれを目にするとは…しかもこんな異世界で?)

あまりの驚きについ大きな声で思いっきりツッコんでしまった雄二は慌てて口をつぐむ。

周りをよくよく見渡せば、バナナのようなものを並べてハリセン?をバシバシッと叩きながら売っているドワーフのおっさんがいたり、調理器?の実演販売をしているおばちゃん・・・などなど。

(ここって・・・確か・・・異世界だよな?)

半端ない既視感。。。しかも昭和の香りがプンプンしまくっているその光景を唖然と眺めていると、頭の中に突然、

〔どうやら地球からの転生者がこの街に結構来ているようです。〕

【アカシック・レコード】からの回答が響いた。

(転生者?)

〔はい。この場合、多くは自分の生きざま、環境に嫌気が差し、自らその人生を終わらせた者達になります。『自殺』という行為は最も愚かな行為でして、これにより冥界に送られてきた魂は通常の輪廻転生の流れから弾き出されてしまいます。〕

(ふむふむ。。。)

〔そういった魂は2度と地球での『生まれ変わり』は許されません。消滅もしくは地球以外の世界に転生するか?の二択になるわけです。〕

(えっ?・・・でも、ココって【天の川銀河】からもけっこう離れてるで?)

〔はい。確かに地球を含む【天の川銀河】全体の冥界を統括しております『ハーデス』の管轄外ではあります。よって、該当する魂の希望を優先し、"宇宙の意思"を通じ、【天の川銀河】以外の『ミニマムコスモス』の管理者に受け入れを要請するのです。〕

(つまり、本人がこういう異世界に行きたいと望んだ…と?)

〔ご推察の通りです。〕

(ズゾロ世界には多いん?転生者)

〔ここ以外にもこの世界のあちらこちらに存在します。ここ程多くはありませんが。〕

(なんか理由あんの?)

〔マスターがここに来られた際のご要望と同じく、『ファンタジーな世界』に憧れている者が多かったのではないかと推測します。〕

(なるほどぉ!!・・・・ん??…でもなんでバナナの叩き売りとか実演販売とか地球っぽい事してはるの?)

〔当人の潜在意識の中に地球での事象が残っている場合がございます。それと過去=転生前の記憶は転生の時点でほとんどリセットされますが、稀に残っている者も存在します。〕

【アカシック・レコード】とこんなやり取りをしているうちに、どうやら目的地に到着したようだ。

見本市の入り口で入場料を支払い、中へ入る。

ここでも多種多様な種族が入り混じっている。

「わあ~っ!本当に色々な魔道具が売られてますねぇ…びっくりです!!」

隣でルネが瞳をキラキラと輝かせながら楽しそうに話す。

ルネの言っている通り、様々な魔道具が売られている。

中には何の為に作られたかわからないモノもある。

特に欲しい物がある訳ではないのだが、こうして雄二と二人きりで歩ける事が何より嬉しいルネなので、いかにも幸せそうである。

「私・・・こうして好きな人と並んで歩くのが幼い頃からの夢でした。ユージ様に出逢えた事を心から感謝いたします♡♡♡」

屈託のない溢れんばかりの笑顔で雄二に告げるルネの横顔を見つめつつ、

(この娘もちゃんと幸せにせんとなぁ。)改めて心に強く誓う雄二だった。

~~ルネはヴィトゥルブ王国の貴族家がひとつ、リベラール男爵家の三女として生まれた。

物心がついた時には既に母親は他界しており、寂しい幼少期を過ごした。

それでも父親や兄姉に囲まれて大事に育てられた。

そんな頃から同年代であり、幼馴染のような王女様=メルシオーネ姫と一緒に過ごす機会が増えていった。

メルシオーネ、メルの方も何かにつけてルネの事を気にかけており、いつでも一緒にいられるように父親であるエドワード国王にお願いしてルネをメル専属メイドとして召し抱えてもらったのだ。

ルネは自分の事を本当に大切に思ってくれているメルにこの上ない感謝を覚えると共にメルの為にこの身命を捧げる決意をするのだった。

それはつまり一生を独身で過ごし、メルに尽くす事を意味する・・・はずだった。

そう。・・・あの時、あの場所で雄二に出逢うまでは。

ゲヴァール公爵の謀反により、訪問先から王都への帰路の途中、あろう事か護衛騎士達の襲撃に遭い、同僚で自分と同じくメルに仕えていた親友のサマンサが殺され、自分も絶体絶命に陥っていた。

((この身は既に姫様の為にあるもの。ならば姫様をお護りするのであれば惜しくはないっ!父上、ルネはお先に母上の許へ向かいますっ!))

と、ルネが自分の死を確信し、覚悟を決め、メルの盾にならんとしたその時だった。


雄二と出逢ってしまった。。。




次回でルネもついに・・・?

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