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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
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本編 第七話 初カノと妹と初めての使い魔

お世話になります。そしてゴメンナサイm(__)m


前回後書きで初デートの予告をしてましたが、まだデートはしません。

もう少しシスコンぶりを擦り付けてやろうかと・・・

あと使い魔を召喚するところも描いてみたかったんです。。悪気はなかったんです



旧校舎。そこは木造で今では全く使われていない所。

よって人影は殆んど無く、ひっそりと静まり返っていた。

その旧校舎の3階、一番西にある教室。昼間の今でさえ、独特の雰囲気を醸し出しているそんな部屋に、雄二は入っていった。

「来てくれてありがとう。」と圭子は微笑んだ。

「今日、返事をする事になっとったしな。。。しかし…ちょっと薄気味悪くね?ここ」雄二が眉間に少し皺を寄せながらそう答える。

「確かにねぇ~。でもここなら誰も来ないかな?って思ってネ」そう言いながら圭子は雄二を真っすぐ見つめる。

そんな仕草、その意図に応えるように見つめ返しながら雄二は圭子に告げる。

「正直、びっくりしたけど、嬉しかったわ!それは間違いない。それに俺も尾崎。いや圭子の事、可愛いなぁって思っとったし(照…まあ、俺達はまだまだこれから色んな事覚えて、経験するやろうし、色んな事、知っていくと思う。そんな中でお互い刺激し合って成長し合えればなぁと考えるんやけど。。どうや?俺と切磋琢磨しながら一緒に歩いていけへん?」

雄二が真摯な気持ちでそう伝えると、圭子は大きく目を見開き、両手で口を覆うようにしながら…嬉し泪を零すのだった。

雄二は少し慌てて「何も泣かんでも・・・」と言いながらそっと抱き寄せる。

「だ、だって…だってぇ・・・ふぇぇっ。。。」

とうとう本格的に泣き出した圭子。そんな彼女が泣き止むまで黙って右手で背中をさすり、左手で後頭部を優しく撫でる雄二であった。

落ち着いてきたところでいったん距離を取りながら、右手を差し出し、

「改めてこれからよろしくっ♪」と、圭子に向って笑いかけると、

「こちらこそよろしくお願いします♪」そう言いながら、圭子も右手で握手する。

こうして二人は付き合う事になったわけだが、帰宅するため、下駄箱に向かって並んで歩きながら、圭子は不安を漏らす。

「でもさぁ、心配だよぉ;;;雄ちゃんってすごくモテるから…」

それに対し雄二はとぼける様に「えっ?俺なんかモテんやろ?」と、返す。

すると、圭子はため息交じりに「自覚がないのが一番の問題だよねぇ…はぁー(呆」

(ありますとも。。自覚。でも口に出せるわけないやん!)とは雄二心の叫び。

やがて二人は校舎から外に出て、お互い帰る方向がほぼ反対だったので名残惜しくはあったが、それぞれの帰路についた。

何はともあれタイムリープして来て初めてできたカノジョである。初カノである。

タイムリープ前の同じ時間軸の雄二にはカノジョが居た事なんて無かったのだ。

確かにその頃の雄二にも気さくに接してくれる女子は幾人か存在した。

その中の一人が圭子だったりするのだが、イジメの標的にされていた雄二は卑屈で臆病のあまり、結局は自分から諦めてしまい、必要以上に仲良くはなれずに終わっていたのだった。

そしてやり直しのチャンスが巡って来た今回である。

()()()()()()()では出来なかった青春を()()()()()絶対やりつくそう!と、心に強く言い聞かせる雄二である。

そんな雄二なのだが、この時はまだ忘却の彼方へ置き忘れたままになっているかけがえのない存在との遭遇が数日後にある事を知る由も無かった。

もちろん、タイムリープ前の雄二にとっても結局は思い出せずじまいで大人になり、終わってしまった大切な幼い日の思い出なのだが。

恐らくはそれも雄二にもう一度思い出すチャンスを与える為、‟見えない大きな力”が働くわけなのだが。

それはさておき、雄二はこの時代における、とある事で愚痴っていた。

(うう~~、やっぱ携帯とか無いと、この上なく不便やわ~~!!何なん?この時代ww)

さすがにスマフォとかメールとかのネットが当たり前の時代から舞い戻って来た雄二にとって、唯一この時代に対しての不満である。一度沸き上がった不満に対し、グチグチ漏らし続け、挙句の果てには、

(連絡を取れる道具でも創るかぁ。よしっ!そうしよう)と、とんでもない事を思い巡らせるのであった。



期末試験も無事、乗り切り、カノジョもできて、さあこれから仕切り直しの青春を謳歌しようと想いを馳せながら、寝る準備をしていると、突然入口をノックされる。

「はい?」と応答すると「お兄ちゃん…入っていい?」と、(ひでみ)が問いかけるので了承すると、パジャマ姿の秀美が入ってきた。それも枕持参で。

「どーかしたんか?んん?」と、なるべく優しく尋ねる。

すると甘えるように、「あのね。。んとねぇ。。一緒に寝たいなぁ…て」と、秀美が爆弾を投下する。

「えっ?・・・えええぇ~~?」しばし固まる雄二

(おいおい。。なんだこれぇ?最近妹がデレデレと甘えすぎな件・・・じゃなくて~・・・こ、これどーするよぉ~?)

「だめぇ~?」瞳をうるうるさせながら秀美はじわりじわり、兄を追い詰める。

しかしここで負けるわけにはいかない雄二は、

「なんでだよ?」と突っ込む。

「だってぇ、お兄ちゃんが入院してる間、ずぅーっと一人ぼっちだったし。やっと帰ってきてくれたと思ったら試験勉強とかであんまりかまってくれなかったじゃん!」ぷんすかする妹様。

(そうはおっしゃいますけど、けっこぉ甘えてスキンシップしてきてますよ?秀美さん)そんな事を今にも口に出してしまいそうになり、堪える雄二だった。

こうして暫く、『雄二vs秀美』のトークバトルが展開されるのだが。。。

「ほらっ!ここ狭いし。。」「あたし、小さいから大丈夫♪」

「それに暑苦しいやろ?」「寒くなってきたから丁度いいくらいだよ♪」

「俺、匂うかもだし?」「お兄ちゃんの匂い、すきぃ~♪」

「俺、歯ぎしりうるさいし…」「大丈夫♪」

「俺、屁をこくし…」「大丈夫♪」

「えっと、それから…」「大丈夫♪」

「・・・・」「大丈夫♪」

「・・・・わかったよ・・・今晩だけやぞ?」「わーい♪やったぁ~(≧▽≦)」

見事なまでの惨敗を喫する兄であった。そして勝者である妹様は輝く天使の微笑みを晒す。

(か・勝てねぇ・・・勝てるわけがねぇ。。。し、しかしこいつって、こんなに甘々なブラコンだったっけぇ?いやいやいくらなんでも度が過ぎるよなぁ。『権能』効き過ぎじゃね?…マジで)

成すすべなしという感じになりながら灯りを消して、妹様を招き入れる雄二である。

(まあ、前の俺のように嫌われるよりはよっぽどマシなんやけどさ。。。可愛いし)

そんな思いを抱きながら、ふと、気になったことを尋ねてみる。

「そーいえば、あれから算数とか勉強はどうやのん?」

その質問を待ってました!とでも言わんばかりの笑顔で

「うんっ!お兄ちゃんパワーのおかげでぜぇ~んぶすごい解るようになったよー♪昨日も算数で100点満点取っちゃって、先生も友達もすごいびっくりしてたよ♪ありがとっ!お兄ちゃん♡」

などと言いながら、スリスリしてくる妹様なのであった。

「そ、そっかー。それは何よりだー はっはっはっはっ!」と、やや棒読みになる兄。

やはり色々と自分の行使した‟『権能』の力‟が、想像以上に影響を及ぼしているんだと、今頃になって気付くが反省も後悔もしない雄二なのである。

「学校はどうや?楽しいか?虐められたりしてへんか?」と、ついでに聞いてみた。

「うん、楽しいよ♪友達たくさんいるし。意地悪な男子はいるけど、イジメまでではないよ」

(よしっ!そいつ今すぐ殺そう!それが良い。)その考えが顔つきに出てたのか。それを感じた秀美は慌てて「だ、大丈夫だよっ!お兄ちゃん?大丈夫だから。ねっ!」と、宥めてきた。

なんだかんだ言いながらかなりのシスコンであるにも関わらず自覚の無い兄だった。

ただ、妹が殊の外、無類のお兄ちゃんスキーだという事は確認できた。



翌、12月8日。全国的に日曜日である。何故か家に置いてあったチャリンコ(自転車)であっちこっち探索に出かける。

これも『権能』のお陰である。()()は自転車さえ乗れなかったはずだ。

ちなみに秀美は友達と遊ぶそうである。何よりである。

ペダルを漕ぎながら【アカシック・レコード】に問い合わせる。

(遠くにいる相手の状況を把握したり、出来れば会話したり、危険を察知したり、防御したり出来んかなぁ?)

〔基本的に3つの方法がございます。〕

(ほお、どんな方法?)

そして教えられたのが次の3つ。

1つ目 使い魔を召喚して対象になる相手に付いていてもらう。

    使い魔を介して状況把握が可能。心で強く念じることで

    使い魔を媒体にしてある程度は会話は可能になる。

    いざという時は使い魔に守ってもらう事もできる。

    ただし、対象にある程度、使い魔の存在を認識させる必要有り。

2つ目 神力を付与して生成した固形物を対象となる相手に渡す。

    固形物を介して状況把握が可能。固形物を媒体にして念じ

    ることで会話が可能になる。

    固形物に結界をエンチャントすることで非常時、防御結界展開可能。

    その固形物を常時、身に着けていることが最低条件。

3つ目 対象となる相手の同意を得て、神力を直接、相手に付与。

    神力により、直接相手と繋がるので状況を容易に把握でき、

    会話もいつでも自由自在。直接神力の影響下にあるので、

    強力に防御が可能。また、直接救助も可能。

    ただし、その力を対象相手に認識させ、理解させる必要有り。


(ふむ。。何れも一長一短があるわなぁ。。お手軽度とか現実的なのは“使い魔”か。アクセサリーみたいな物で渡せるのであれば、2つ目も有りか。。最も安全性があって、強力なのは直接付与か。。。どーすっかなぁ?)

秀美と圭子。触れ合っていくうちに大切に思えてきた。それら大切なものを守れる力があるなら、出し惜しみする必要はない。どんな事をしてでも守ってやりたい。

唐突ではあるが雄二の中にそんな感情が芽生えてきた。だが、それと同時に、

(自分だけ得体の知れない力を持った化け物や。それを知ったらどお思うやろう?)

(それと、こんな俺と関わる事で余計な厄介事に巻き込んでしまわないとも限らない。)

いざとなれば無理にでも強引な力技でどうにでもなるだろうが、心情的にはあまりそういう手段は取りたくないという思いが頭を過り、色々考え込んでしまい、結論がなかなか出せない雄二であったが、

(まあ、悩んでばかりいてもしゃーないか。ここはまず今の段階で実現可能な事からやっていこう。)

と、ネチネチ考えるのを放棄して、頭を切り替える事にした。

(とりあえず使い魔を呼び出してみるか。どんなのがおるの?)

〔小さいものなら虫型、大きいものならドラゴンやリヴァイアタン、魔王など色々おります。〕

(あ、あまり目立たないものがええわ。それでいてできるだけ強いやつ)

〔でしたら猫型か犬型がよろしいかと〕

(そうやな…やっぱその辺になるか。。)

まずは召喚を行うべき場所を探す。人がいなさそうな場所。

という事で、チャリンコを走らせてやってきたのは標高数十メートル程の小山にある城跡。

この時期、人影はない。念のため【認識阻害】と【結界シールド】を施す。

準備が整ったので早速、『第七の権能』の中の【コーリング】を行使する。

(イメージは黒猫。。。)

やがてモクモクと鼠色の煙が立ち上がり、中から体高40㎝位の真っ黒い猫が現れた。

にゃ~と一鳴きすると頭の中に《ご主人様、此度はご用命頂き、有難うございます》と響いてくる。

(うん、よろしく)と返すと、《こちらこそ宜しくお願い致します。必ずやご主人様のお役に立って見せます。》と、言いながら伏せの状態になって頭をさげる。更に《ご主人様、宜しければ私めに名前をお与え頂けないでしょうか?》と、命名を懇願されたので(んー?じゃあ、『クロ』で。)

安直過ぎてかえって清々しささえ感じるのだが。

(じゃあ、クロには今後、俺の妹の影に潜んでもらい、常に見守って欲しい。んで逐次連絡してきてくれる?それといざとなったら妹を守って欲しい。頼めるか?)

すかさず、頭をもう一度下げて《御意!誠心誠意努めさせて頂きます。》と返事をする。

同じようにもう一匹、今度は圭子の護衛として茶色の犬を召喚し名前を『茶々』と付けた。

実に期待を裏切らない安直さが溢れるネーミングである。

こうして2匹の使い魔を召喚し終えた雄二は家に帰る為、施しを解除してその場を後にした。

一度召喚した使い魔は、いつでも呼び出せるので2匹はいったん送還しといた。

帰宅すると、居間で母親がTVを観ていた。どうやら歌番組のようだ。

(そういえばこの頃はまだ演歌が主流でアイドル系とかフォーク系は少しマイナーな扱いだったよなぁ。)

なんて事を思い出しながら一緒になってTVを眺めながら適当に時間を潰す。

夕方になり、秀美が戻ってきたので、夕食前に雄二は自分の部屋に連れてきて、

「今からお兄ちゃんが秀美を守るための()()をかけてやる。」

「へっ?」と変な声を出す妹を無視し、目を閉じさせ、『クロ』を再召喚し、すぐさま秀美の影に潜らせる。そして秀美に目を開けさせ、真剣な顔で、

「いいか?もしもお兄ちゃんが傍にいない時、危ない目に遭いそうになったら心の中でお兄ちゃんを呼べ。とにかく何遍も呼べ。必ず助けるから」と言い聞かせる。

最初はポカンと聞いていた秀美だったが、雄二の真剣な顔つきを見て、

「わかった!お兄ちゃんがそう言うんならそうするよぉ!!」と、真面目に答えた。

(うん。まずはこっちは第一段階クリアかな?)

まずはこれで様子を見る事にして一息ついた。

その後は秀美が甘えて来たので適当に相手をして、日曜日は過ぎていった。
















ここまでご閲覧頂きありがとうございます。


次回こそはデートします。

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