本編 第六十七話 実は俺・・・
お世話になります。
閲覧頂き、誠に有難うございます。
自分で書いていながら、なんか凄い事になって来たなとw
自分でも予測不能になってきました(・∀・)ニヤニヤ
雄二達が地球へ戻って来たその日の夜。
雄二は両親の前にいた。
夕方、両親は帰ってきたわけだが、
「晩飯の後、話があるから奥の座敷に来なさい」
と、母親の京子に告げられたのである。
予め予測されていた事であるし、カノジョ達にも既に連絡済みなのでさして騒ぐ事はない。
そして今、両親と対峙しているのである。
カノジョ達は何も言わず、2階に上がって待機している。
「雄・・・正直に話さんとだしかんでェ?」
「・・・・・・」
雄二はどこから話せばいいのか少し思案した。タイムリープしてきたとか、神に頼まれて結果的に『全宇宙』を救ってしまった事などはとても話せないし、たとえ話しても理解されないだろう。
ここはやはり詩織以外のカノジョ達に話した内容に沿って話す方が賢明だろう。
という事で昨年、意識を失ったくだりから話す事にした。
「去年の今頃、俺…意識失って倒れたやんか?」
「あん時はホンマ往生したわ!お前は小さい頃は体は確かに弱かったけどな…大きな病気にはなった事は無かったし、素直に育ってくれとったしな。」
やはり【常識改変】の効力がしっかり効いているようである。雄二がやや虚弱体質であった事は残されているが、超未熟児で生まれた事、育器の中でしばらく育てられた事、脳性麻痺を患いその後遺症がかなり重く残った事などの"事実"は無かった事になっている。当然、父親である功が雄二に対して頻繁に行なった暴力も世間から受けた仕打ちも学校で受けた壮絶なイジメも全て然り。
タイムリープ前の事実を思い起こしながら、一つ溜息。話を再開する。
「信じてもらえんかもやけど、あん時俺の意識を神様が起こしてくれてな」
「お、お前…大丈夫か?病院連れてった方がええわ。これ!」
今まで黙って聞いていた功が喚きだす。
「お父ちゃんは黙っときっ!!」京子の一喝で黙らせる。
「お前、神様に会ったんか?」
「いや…そん時は声だけ聞こえてきてん。声で起こされたんよ」
「ふむ・・・で?」
「なんか神様が言うには、俺の持っている魂が他の人と物凄く違っていて神様の力を取り込んで増幅できるって言われてん。」
「「っ!!」」
それを聞いた両親は文字通り鳩が豆鉄砲を食らったような顔つきになる。
思わず吹き出しそうになるのを何とか堪えて、
「んでな、"力を与えるから手伝って欲しい事がある"って言われてもーてん。」
「手伝いってなんやの?」
「簡単に言えばゴミ掃除やな。」
「「ゴミ掃除?」」
「そうや。…宇宙がある汚染物質に汚染されたらしゅーてな。それが地球周辺まで迫っとったらしいわ」
「えっ?誰もそんな事知らんかったで?」
「宇宙の詳細なんて誰もわからんやろ?それにまだまだ地球から遠く離れとったしな…誰も気づかんかったと思うわ!」
「でもなんでお前なんや?神様がやったらええやんかっ!」
「俺の魂しか対応できんかったって事やろ?神様では対応できるレベルやなかったちゅう事やね。」
「それでも・・・それでもなんで雄がっ!!・・・」
そう言いながらとても悲しそうな顔をする京子。そして憤りで拳を握りしめる功。
「でも、お前…あの時は昏睡状態でずっと意識が無いままやったやんかっ!」
「体はそのままで神様が魂?…思念体?だけ引き離したらしいわ。」
「そんな事・・・あっ!神様ならできるんか・・・・えええぇぇ~!!??ななな・・・」
「幽体離脱ってわかるかぁ?・・・身体と魂が離れていくってやつ。」
「っ!!!・・・そ、それって死んでまった事になるんやないんか?!」
「うーーん、でもホンマに死んどったら病院から連絡があるはずやろ?ちゃんと息もしとったし、脈拍もあったやろうし。」
「あっ!!・・・そうやな、確かに。」
「んで、魂?だけ宇宙まで飛ばされて汚染物質の除去。…具体的にはだだっ広い宇宙をあっちゃこっちゃ動き回り、その汚染物質の消去、消していったんよ。」
「「うちの大事な息子に何させとるんやっ!!!(怒」」
功はカンカンである。京子も顔をしかめて憤怒の様相である。
「まあ、、神様では出来んかったんやろ?神様にも出来ん事があるのは驚きやけどなw」
すると京子が急に雄二を抱きしめて涙を流しながら、
「雄ちゃんっ!!よーがんばったなぁ!!無事に戻って来てくれてホンマ良かったわっ!!」
あくまでも雄二の都合の良いように【常識改変】されているのだからこうなるわけだが、それでも実直に我が子を心配し、思いやる京子に対し、少し後ろめたさを感じずにはいられない雄二である。
血の繋がりがなくてもこれ程の愛情を注いでくれる京子に心から感謝する。
いつもはちょっとだらしない昭和親父である功も、
「お前がどんなんであろうと俺の息子に変わりはない!あの時、意識を取り戻したっちゅう連絡を受けた時はどんなけ嬉しかったことかっ!今、こうして元気な姿を見せてくれるだけで十分やわっ!」
そう言って雄二の頭をクシャクシャ。
親が子供を思うのはごく当たり前だ。当たり前なのだが、やはりありがたい。タイムリープして舞い戻ってきてしまった雄二だが、タイムリープ以前にはあんまり感じる事がなかった温もりをここにきて味わう事が叶った。少し後ろめたさはあるものの、ここは素直に感謝しておく雄二なのであった。
少し間をおいて雄二は話を再開し始める。
「んで、手伝った見返りとしてある程度の力とこんなもんをくれたんやけどな。」
そう言うと雄二は【異空間収納】から純金100%のインゴットを取り出す。
何もない所から突然出てきたそれにたまげて呆然とする稲村夫婦。
「ついでにこれを捌いてくれる人も紹介してもろてな。・・・せやからお母ちゃんに渡した通帳の口座に捌いてもらったお金を振り込んでもらっとる。ちゅーわけやな!」
「「・・・・・・・・・・」」
これでもかと言うくらい口を開け、目をひん剥いている両親を見てプルプル笑いをこらえて震えだす雄二。
やがて我に返った京子が、
「ほんならあのお金、雄のもんやんかっ!!お母ちゃんが使ーてもええんか?もうだいぶ使ーてるから今更やけど…」
「ん?…かまへんよ♪お父ちゃんやお母ちゃんにはぎょーさん心配や迷惑、苦労かけたしな!それにあの子んたの生活費もバカにならんやろ?」
それを聞いて京子はある事に気が付く。
「そういえば雄二…詩織ちゃんとかメルちゃんとか圭子ちゃんとか…皆知っとるんか?雄の事。」
「うん。ちゃんと全員に話してある。もちろん秀美にもな!」
「秀美にもか。。。それでもあのべったり具合なんか?・・・」
秀美がお兄ちゃん子なのはデフォルトだったらしい。だが雄二の秘密を知っても尚、兄にご執心な秀美に若干戦慄するご両親である。
「んでな。もう一つもらった力の事なんやけどな。。。」
そこでいったん止めて深呼吸すると、
「これから話す事はもっと信じられんかもしれん。でも本当の事やし。・・・絶対誰にも言わんで欲しいんやけど?」
「当たり前やっ!自分の息子を世間に晒すなんて真似できるわけないやろっ!」
功が語気を強めて言う。京子も、
「そやでっ!?雄っ!お前を信じとるし、ちゃんと守ったるわっ!心配せんでええっ!!」
そこまで言ってくれるならと、雄二は覚悟を決める。
「まずはしーちゃんな…実はひき逃げされて死にかけてん。…それを俺が見つけて力を使って助けたんよ。」
本当は死にかけではなく死んでいたのを蘇生したわけなのだが。
「「っ!!!・・・ええええ~~!!!!」」
「お母ちゃんと秀美に贈ったブローチ。・・・あれな、お母ちゃんと秀美を危険から守る力と健康を維持する力を込めて俺が創ったんや。」
「えっ?!・・・あれってそない凄いもんなんや・・・」
「あと、メル、ルーシェ、ルネ・・・あの3人、ホンマはドイツの貴族ちゃうねん。他の世界の人間でな、メルとルーシェはとある国のお姫様やねん。。んで…力を使って悪い奴らから守ってやったら懐いてもた(笑)」
「・・・・・ハア・・・もぉなんかなんでもありやねぇ!!(げんなり」
京子が先程とは違い、かなりのお疲れモードである。
「じゃあ・・・圭子ちゃんとか良江ちゃんも?」
「あの二人は俺が中一の時、同じクラスでな。ありがたいことに俺が意識を失う前から好いてくれとったみたいやわ♪」
「これだからスケコマシは・・・」
┐(´д`)┌ヤレヤレ…というポーズでそんなことを言う功に対して京子は汚物を見る目で、
「どの口が言うとんのかなぁ??」と一言。
「まあ…雄は昔から優しい子やったしな!!秀美も可愛がってくれとったしな!こないなええ男やったら女の子らもほっとかんわなっ!!詩織ちゃんの時もそうやったしな!」
そんな風に京子に言われてポリポリする雄二。
「でもまあ…詩織ちゃんやメルちゃん達を助けた事は凄い立派やし、我が息子ながらあっぱれやわな!」
妻の鋭い視線から逃れるように雄二を讃える功。
「それに誰かさんと違ってちゃんと慕ってくれる女の子には誠意をもって接しとるしな!ホンマ自慢の息子やわっ♪」
功は妻の言葉を聞き、いつものポーズで項垂れるのであった。。
こうして雄二はほんの一部ではあるが、かいつまんで自分の秘密を両親に打ち明けた。
これに対して両親は特に何も言わないし、何も思う処もないようだ。
逆に幾人もの少女達を救った事に対し褒め称えるのと同時に、昨年意識を失くしたのは神様が仕事を押し付ける為に強引に行なった横暴のせいだと激怒して糾弾するのであった。
こういう所もタイムリープ前と大きく異なり、本当に雄二を大切に思っている表れだろう。
更にいくら神様に貰ったと言ってもそれは雄二の物である貴金属を売ってのお金。それを丸々京子に渡しているのだ。そしてそれによって、家のローンはおろか新しく作業所を土地ごと手に入れたり、家を増改築したり、新車を購入したり、家財道具を全て買い替えたり、生活が非常に豊かになったりしているのだ。
雄二に対してとても申し訳ないやら、ありがたいやらの気持ちで一杯の京子なのである。
自分が生んだ子供ではないので血は繋がっていない。にもかかわらず、グレもせず真っすぐ育ち、学校も真面目に通ってるし、自身の本当の娘であり、雄二にとっては腹違いの妹である秀美もとても可愛がってくれている。
京子にとって雄二は本当に自慢の息子なのだ。たとえ神様に力を与えられようが、そんなの関係ないのである。
だから両親は二人ともそれ以上は雄二を問い詰めたり、下手に詮索する事はしなかった。
与えられた力は何れもカノジョ達を救う為に使われており、悪事に使ってる訳ではないし、悪事に使う事もなかろうと、100%雄二を信用しているようだ。
それでもふと思い出したのだろう京子が念の為、尋ねてくる。
「そーいえばついこないだ、暴走族とか過激派が壊滅した件あったやろ?…アレもお前が?」
(やっぱ聞いてくるよなぁ。。。それ)
予想された事なので少しも顔色を変える事無く淡々と、
「それは俺が神様に偶然、夢の中で会った時にお願いしたんやけどな。」
と答えた。
半分は真実なので全てが嘘ではない。実際、女神であるアリーに頼んでいるわけなのだから。
「えっ?!!おま…神様に会えるんか?」
功が驚いたように問いかけてくる。
「たまたまやし…めったにそないな事ないわ。」と雄二が答えると、
「そら、そうやわな」どうやら納得したらしい。単純で何よりである。
最後にいちおう雄二は念の為、両親に頼んでおく。
「大丈夫やろうけど…お父ちゃんもお母ちゃんもしーちゃんやメル達とは今まで通り、普通に接してやってくれっ!この通りやっ!」
両手を合わせて頼み込む雄二に笑いながら京子が、
「何当たり前の事、言うとん?心配せんでもわかっとる!何も変わらへんw」
と言ってくれ、功も頷いてくれた。
尚、今までの雄二と両親との会話は全てカノジョ達に【テレパシー】で伝わっており、前もってこういう風に持っていくということも知らされている。
なので雄二が両親から解放され、2階に上がって来ても特に質問されることなく自室に戻る事ができた。
新世界『ネオアース』から戻って来たばかりであり、感覚もおかしくなっているだろうという事で今晩はそれぞれがゆっくり過ごす事にした。
雄二も久しぶりに自室でゆっくり好きな洋楽を聴きながら過ごしていた。
ちょうどこの頃、日本でもソウルミュージックがディスコサウンドとして流行し始めていた。
アース・ウィ○ド&ファイアやKC&ザ・サンシャイ○・バンドとかが日本でも認知され始めていた。
(そういやぁ阿久根君が学校にベイ・シ○ィ・ローラーズのLPを持ってきとったなぁ)
この時代の洋楽は本当に魅力的なアーティストが多かった。
ア○やカーペン○ーズもバリバリだった。
雄二がそんな洋楽を聴いていると【アカシック・レコード】から連絡が入って来た。
【ネイティブ・コア】への『ゼロ∞』受け入れ準備が整ったらしい。
早速、雄二はカノジョらに一言ことわってから直接『ゼロ∞』に転移する。
そして【アカシック・レコード】の誘導の許、『ゼロ∞』を【ワープ】させる。
『暗黒大星雲』の対処の時、一度訪れた事がある【ネイティブ・コア】内に入り込むのだ。
そして【ネイティブ・コア】のほぼ中心に存在する【カーネル・コア】や【アカシック・レコード】など、いくつかの【ネイティブ・コア】の中枢と直結させる。
するとこれらが連結された多面体が形成され、その中央に『ゼロ∞』が存在する形になった。
更にはこの多面体の周囲を回る衛星?のようなものがいくつも出来上がる。
『ゼロ∞』の真下には半球面体が形成されている。切り口が真上に来るように。
つまり『ゼロ∞』の真下は真っ平らな広大な面がある状態である。
その面をまるで太陽のような衛星が光り照らしている。
この真っ平らな面の面積は相当広い。『ネオアース』の表面積より遥かに広い。
『ゼロ∞』が塵のような大きさである。この『ゼロ∞』と連結されている【カーネル・コア】や【アカシック・レコード】などの多面体の構成要素はそれなりに大きい。いずれも小惑星並みの大きさである。
したがって『ゼロ∞』と連結していると言っても目に見えるような連結ではなく電波?宇宙レイ?のように不可視なだが強固な連結である。
やがて『ゼロ∞』の底面中央部から半球面体へ向かって目に見える形で透明な管みたいなものが落ちていき、平面部と接続される。
一連の流れを終えると【アカシック・レコード】より、
〔とりあえずは連結は完了しました。この平面部は『地球』と全く同じ環境であり、空気も地質も気圧、重力、構成要素も全て同一です。無論、水も存在しています。上空も透明なドームで平面部全体を覆っており、疑似太陽の紫外線を緩和しています。この平面部をはじめ、ここ【ネイティブ・コア】内は全てマスターの所有物です。どうぞご自由にしてください。もちろん、わたくし【アカシック・レコード】もです。既にお世話やお手伝いをする要員も準備できておりますのでいつでもご用命ください〕
ここまで{雄二が自室から行動し始めて}時間にして約1時間。雄二は『ゼロ∞』内から転移して平面部に降り立った。
「ふむ…確かに普通に呼吸できるな。」
当たり前だが、そこには何もなく見渡す限り平らな地平線がずっと続いている。
雄二はキョロキョロ周囲を見回しながら、気になる事を念のため尋ねる。
「ここへは嫁達も連れてきてええんやな?」
「もちろんです。マスター」といつものように頭の中に答えるのではなく、実際の声で答えながら姿を現した【アカシック・レコード】。
「えっ?アンタが?」
「はい♪そうです。初めまして、マスター・・・わたくしは【アカシック・レコード】の分身体です。本体はマスターが創られた『ゼロ∞』と直結されております。この姿はわたくしの自主学習機能を駆使して、マスターの嗜好を読み取って作ってみました♪いかがでしょう?」
そうなのだ!今、雄二の目の前には雄二の嫁達に匹敵する極上美少女が立っていたのだ。
次回からはカノジョ達とのデートかなぁ?・・・恐らくw(エッ!




