新世界編 第零話 残念ですが重度の中二病ですw
お世話になります。
引き続き、中二病患者の妄想をお送りいたしますw
「学校とか病院とか…あとお店とかは?」今度は圭子が質問してくる。
「それもおいおいやな。居住区、公共施設、病院、学校、商業施設、娯楽施設、交通網、港なんかの海洋設備、ライフライン、インフラ…生産性、自由経済を念頭に整備せなアカンわな。」
「法律とか制度、貨幣とかはどうなさるのですか?お1人で全てお決めなさるおつもりですか?」
さすが1国の王女であるメルからそんな問いがされる。
「法律、制度、治安、貨幣は基本的には日本のそれを模倣しようと考えとる。ただそれもある程度人口が増えていったらやな。…その中から幾人か大臣、官僚、公務員を登用していって細かな所まで決めていきたい。」
「その人間とかはどうやって集めるのですか?」ルネが真剣な顔で聞いてくる。
「そこは【天の川銀河】を管理しとる神とその使徒たる天使の仕事やな。サリエル達には普段そういう仕事をお願いしとる。冥界ちゅーのんがあってな…生物は死ぬと一旦、魂は冥界に行くんや。そこで浄化され、選別されて輪廻転生するわけや。その冥界を管理しとるんが『ハーデス』やな。こん中ではしーちゃんは一度、冥界に行っとるなw」
「その魂の選別の時、邪な考え、悪意の無い綺麗な魂の中で本人がこの世界に転生してもかまわないと思うならここに転生してもらう事になっとる。あくまでも地球に住んどった人間限定やけどな!それと…今地球で生きとる人間の中に自分の住んどる世界に嫌気がさしたやつがおったりしたら本人が来たいのであれば、ここに来てもらおうかと…」
「あとは皆の知り合いとか一緒に来てもええっちゅう人がおればやね。あっ!いちおう俺がチェックするけどな。」
「てぇことで、人員確保は今はまだ準備段階やな。」
一通り説明を終わらせると、雄二はソファーに座りひと息つく。
「しゃべりすぎて喉がカラカラやわ;;;」人数分のアイスティーを取り出しながらそう話す雄二。
「ハード面についてはある程度の基本は俺が合間合間でするつもりや。他に質問がないならとりあえずは説明会は終了やな。細かい事や後から疑問に思った事はその都度、聞いてくれ!」
雄二の言葉に一同「コクリ」と頷く。
「よっしゃ!ほんなら夕食までは自由行動って事で♪」そう言うと壁の光を消して窓、天井を元の明るさに戻す。更に【テレパシー】で呼び寄せたであろう8名のメイドがラウンジに入って来た。
「このメイド達は先程話した特別にここまで来るのを許可している専属メイドや。何か足りない物や要件があれば遠慮なく言えばええ。じゃあ各自、自分の部屋に案内してもろーてくれ!あと、宮殿内も案内してもろてなっ!」
それぞれ担当が既に決まってるようで、一人一人にメイドがついて案内されてゆく。
ラウンジに一人残った雄二は窓から外を見やる。
「やれやれやなぁ・・・」ボソッと呟く。
次の瞬間、雄二の姿がふいにその場から消える。
そして雄二の目の前には超巨大モニターが2つ。
このモニターは縦8m横12mの大きさだ。それら2つを雄二は見つめている。
左側には先程までいた『ネオアース』のリアルタイム衛星画像。右側モニターには銀河?がやはりリアルタイム画像で映し出されている。
「Rモニター、【アンドロメダ銀河】画像に切り替え!」
と雄二が告げると右側にあったモニターの画面が違うものを映し出す。そこに映るのは先程まで表示されていた銀河ではなく、別の銀河の画像が映し出される。おそらくはこれが【アンドロメダ銀河】であろう。
現在、雄二がいるのはさっきまでいた宮殿の上空500㎞に浮かぶ要塞『ゼロ∞』の中にある第一デッキ。
この『ネオアース』上空の構成も『地球』のとほぼ同一なので、上空500㎞ともなればもうそこは大気圏の外、宇宙になる訳だが。
もちろんこの『ゼロ∞』は雄二が創造した代物。オーバーテクノロジーの塊である。
形状は固形石鹸の長辺を少しだけ長くしたような感じである。大きさは長辺が約6㎞、短辺は約2.5㎞、厚みは約800m。見るからに丸みのある石鹸である。これだけ大きければ普通は目立つのだが、この『ゼロ∞』にはステルス機能と反重力機能、更には【結界】が付いている為、不可視であり、近づこうとすると反発して接近物を弾いてしまう。
実は地上にある宮殿はあくまでも仮の居城であって、こちらの『ゼロ∞』の方が真の根城、つまり要塞なのである。
『ゼロ∞』自体で移動も可能であり、【ワープ】もできる。こんなドデカブツはタイムリープ前の21世紀の科学技術でも到底実現不可能であり、まさに空想の産物のはずだったのだが、【アカシック・レコード】で得られる様々な科学技術と雄二の持つ力技『権能』が見事に融合させて雄二が創り上げたトンデモナイモノなのだ。上面はエネルギー変換率が半端ない超高性能ソーラーパネルが、そして心臓部には半永久光子力エネルギーコアが組み込まれている。
その外装部はダイヤモンドの数百倍の強度を持ち、耐熱性、耐衝撃性などにも優れており、放射線、強酸に対してもビクともしない。絶対防御コーティングされている。更に【結界】まで張ってあるのだ。もう訳が分からない。。。汗
今、雄二がいる第一デッキ、ブリッジなどを含むコントロール部、生活する環境が全て整っている居住部、倉庫や格納庫があるストレージ部。この3つの部分が一つにまとめられ、ベアボーンに収められている。
このベアボーンも絶対防御【シールド】で包れており、大きさは長辺約1.5㎞、短辺約1㎞、高さ250m。
地上にある宮殿の機能、設備は全て余裕で網羅しており、更に+αなのだ。もちろん空間拡張全開である。
このベアボーンが『ゼロ∞』内部に内包されており、二重構造になっているのだ。
更に更にこの『ゼロ∞』の本体底辺部分には船底のようにぷっくりした物がいくつか子供のようにくっついている。
その中の一つ、ひときわ大きな舟底のようなふくらみの中にはあるモノが格納されている。
全長700m、幅100m、全高40m。これは本体である『ゼロ∞』=マザーシップと分離され、単独飛行できるアレである。
いわゆる"空飛ぶお舟"である。名前は『アストラル』と名付けた。
これも21世紀でもとてもじゃないが実現不可能なオーバーテクノロジーなのだが、創ってしまった。。。
本人の弁「だって創りたかったんだから!しょーがないじゃないかっ!(某え○り風w)」
他にも様々なオーバーテクノロジーが【異空間収納】に詰まっているのだが、それはまた別の機会に。
「んじゃあ、『アストラル』の方も試運転すっかなぁ!」
独り言を言うと、使い勝手を確認すべく『ゼロ∞』第一デッキの隅の方に設置してある転送用ボックスに入り、起動させる。
転送ボックス内が青白い光に包まれる。光が収束するとそこに雄二の姿はなかった。
次の瞬間、雄二が現れたのは無論、『アストラル』艦内のブリッジ。
『ゼロ∞』もそうだが、この『アストラル』も雄二の脳波とシンクロされて起動している為、雄二にしか操縦、制御できない。
形に拘る雄二なので操縦桿、各種計器類、レバーやボタン類が所狭しと並んでいる。
雄二は現在、中三のはずなのだが、中二病全開である。中身はおっさんなのだが…
「1号ドックオープン」「ストッパー解除」「分離」と口に出してみる。今ここには雄二しかいないので恥ずかしくはない…はずなのだが。。。
その声に呼応して、「ウィーーン」機械音が響き、扉が解放され、ロックが解除される。
(起動、自動操縦)さすがに【テレパシー】で制御し始める小心者、雄二。。。やはり恥ずかしくなってきたらしい。
ブリッジ上方に設置してあるスピーカから「これより自動操縦を開始いたします」とアナウンスされる。
正面モニターには進行方向の映像が映し出される。この『アストラル』もステルス機能搭載なので周囲からは視認できない。
スピードを変え、飛行テストを繰り返しながら高度を下げていく。
高度100㎞になったところで大気圏に突入するのだが、『アストラル』自体強力な【シールド】が施されている為、大気圏突入時の高温だろうが電磁だろうが空気抵抗だろうが全く問題ない。
やがて、先ほどまで過ごしていた宮殿の乗っかっている台地が見えて来た。
(停止&空中待機)と念じて、上空300mの位置に『アストラル』を停止させ、そのまま空中で待機させておく。もちろん不可視状態にしてである。
そして雄二は宮殿内にある自室に転移する。
少し寛いでいると、備え付けのフォンが鳴り、夕食の準備が整った旨、伝えてくる。
夕食は2階のメイン食堂で摂る様だ。いつも転移ばかりで移動するのも味気ないので、今回は歩き、エレベーターを使って2階まで降りる。
食堂まで歩いていくと、入り口の大きなドアの前でライラが待っていた。
「お待ちしておりました。主様!皆様、中でお待ちです。」
ライラに案内され、一番奥に設置されている自分の席に座る。
メイン食堂だけあって、昼食を摂った食堂よりかなり広い。
天井には豪華絢爛なシャンデリアがいくつもある。
出された献立も超高級レストランも真っ青なフルコース料理だ。ミシュランどころではない。
いちおう未成年が多いってことでアルコールなし。炭酸水かアイスティーもしくはジュース。
順番に一人ずつに配膳される。
アミューズ→オードブル→スープ→ポワソン→ソルベ→アントレ→デセール→カフェ・ブティフール
これにパンが付いてくる。
メインのアントレは黒毛和牛A5ランクのシャトーブリアンステーキ。
ポワソンは真鱈のホワイトソース仕立て。
デセールは様々なフルーツの盛り合わせ。
カフェ・ブティフールはブルマンコーヒーもしくはミルクティーとプチケーキ。
どれもこれも絶品であった。
秀美、良江は少しキョドっていた。しかしメル、ルーシェはさすが王女様なだけあり、立ち振る舞いもお上品で様になっていた。
詩織、圭子、ルネ、アリーはテーブルマナーをある程度弁えているようだ。
食事も済んで自室で寛いでいると秀美達に呼ばれたので行ってみると、TVの扱い方が分からないようだった。
この時代の一般的なTVはまだチャンネルを手で回すアナログタイプである。雄二が各自の部屋に設置したTVは液晶大画面でリモコン操作の21世紀仕様だったのでわからなかったようだ。
その後、女の子達から先に5階の展望大浴場に入ってもらい、雄二は皆が出た後にゆっくり入った。
新世界転移一日目という事で疲れているだろうから早めに休む事にした。
のだが・・・どうやら一人で眠らせてはくれないようだ(泣)
主寝室にて全員一緒に眠りたいというカノジョ達の要望に応えざるを得なかった。
1人では落ち着いて眠れないそうである。
仕方ないので設置してある超キングサイズの落ち着いた感じのベッドで横になる。
空調が適切設定されているので寝苦しい事はないだろう。
しかしこのベッド大き過ぎないか?一度に9人が横になってもまだ半分以上余っている。
ベッドの上方にあるタッチパネルスイッチで明かりを落として目を閉じる。
間を置かず、幾人かの寝息が聞こえて来た。やっぱり疲れていたのだろう。
ちなみにこのベッド、豪華な天蓋付きである。
新世界転移2日目の朝が来た。時刻は8時ちょい前。
地球と同様、この『ネオアース』も一日24時間であり、陽は東から登る。
皆を起こして顔を洗って朝食を摂る為、食堂に向かう。今回は皆で転移コーナーから直接、食堂前まで転移した。
出された朝食は昨夜の超高級洋風ディナーと打って変わって、"純和食"だった。
炊き立ての白米、豆腐とシソの葉の味噌汁、甘めの玉子焼き、焼き鮭、パリパリの海苔、梅干しと漬物、納豆。
雄二は納豆が苦手だったので秀美にあげた。ルーシェも苦手なようで姉に渡していた。意外にもメル、ルネ、そしてアリーは平気みたいだ。何食わぬ顔で口元から糸を垂らしている。
「へぇ~~~!雄二君にも苦手な物があるんだぁ?」興味深げに良江が言う。
「そそっ!お兄ちゃんは昔から納豆とか嫌いだったよねっ!」秀美も追随する。
「あの匂いとネバネバが嫌やねんっ!」と顔をしかめて答える雄二。
このようにワイワイ楽しい朝食を済ませた後は歯磨き、着替えをと身支度を整える。
他の皆も準備OKなのを見計らって、【テレパシー】で、
(30分後、1階玄関ホールに集合でよろしくっ!動きやすい服装、下履きでなっ!)
と伝える。
20分過ぎた頃、雄二は自室から出て1階に降りる。エレベーターから玄関ホールに向かう。
改めて玄関ホールを見渡すとまるでどこかの大聖堂のような豪勢で派手なドーム型の高い天井。それを挟む大きな柱。ギリシャのパルテノンを彷彿させる。
(ちと俗っぽかったかな・・・)などと考えているうちに三々五々皆が集まってくる。
全員集合したところで、
「え~、今日は今からこの世界をザックリとではあるが、見て回ろうと思う。とは言っても、名所とか建造物とかは何も無い。地球に似せて環境、気候は設定してあるし、動植物も適当に分布させてあるので見るもんはそれくらいやなwあとは山とか川とか?」
と説明する。
「どうやって行くの?転移?」とアリーが尋ねてくる。
「転移やと味気ないやろ?せっかくやから旅行気分で行こう思うてる。乗り物でなっ♪」
「乗り物ぉ~?どんなぁ?彡ねぇ♪どんなぁ?彡」秀美のテンションが数ポイント上昇した。
「まーまー!見てからのお楽しみやっ(^^♪」
それを聞いてぶうすかぶうすか言い出す残念な妹君をさりげなくスルーし、
「ついてきてくれ!」と言うと玄関の途轍もなく大きな扉を開けさせる。
大きな音と共に外の明るさが感じられるようになる。
この玄関ホールはメイン棟から半透明アーチトンネルで200m抜け、サブ棟まで連結されている。
それを更に進むと大きな城門に辿りつく。城門をくぐるとようやく外気に触れる。
この『ネオアース』に来て初めて外に出るカノジョ達から歓声が上がる。
高く澄んだ青空。空気も凄く澄んでいる。見渡す限りの緑の地平線。足元は白く綺麗な大理石の石畳?
雄二が更に歩いていくと、やがて地面が足元に広がってくる。そこには昨日ラウンジから見えていた庭園が広がっていた。
「よっしゃ!着いたで♪」と言って足を止める。
しかし周囲には乗り物らしいものはおろか、何も無い。
雄二以外、キョロキョロしたり、頭上に『?マーク』を浮かべて小首を傾げている。
その様子に満足した雄二は「インディケーション」と口にすると徐に空を見上げた。
釣られて皆も見上げる。
すると、突然上空にどでかい船が現れる。しかも宙に浮いている。
「「「「「「「「っ!!!え…ええぇぇっ!!!!」」」」」」」」
皆、顎が外れそうなくらいになる。せっかくの美少女が台無しである。。。
しばらくはパニクっていたが徐々に落ち着いてくると、
「何?・・・あれ」と圭子。
「見ての通りや」と雄二。
「船?・・・だよねぇ?」と詩織。
「どーしたの?・・・これ」良江が問う。
「創った」と答える。
「「「「「「「「・・・・・・・」」」」」」」」
「ちゅーか、後ろの宮殿もこの星も、あとココの太陽系も全部俺が創ったって事…忘れんでなぁ?」
それを聞いて全員、ハッとしたようになり、
「「「「「「「「今更かっ!┐(´д`)┌」」」」」」」」
何もかも諦めて悟りきったような眼差しで雄二を見る嫁軍団。
とてもいたたまれない気持ちになるのをグッと堪えて、
「じゃ、じゃあ乗船するからっ!;;」
そそくさと皆を連れて空中に浮かぶ船?の真下のある位置まで来ると、
「ピックアップ!」と呟く。
すると真上から雄二達がいる周囲に向けて照射される。ふいに全員の身体が浮き上がり、ハッチに吸い込まれていく。
あれよあれよという間に船内に吸い込まれていき、気が付けば大きなモニターやレーダーらしきもの、そして見た事のない機械、計器類がたくさん目の前に並んでいる部屋の中にいた。
雄二以外は再びキョロキョロ、グルグル、ガヤガヤと姦しい。
既に慣れてきたのか、雄二は落ち着くまで待つことにした。
「ウィーーーン」とか「ピコーンピコーン」という機械音が鳴り響く。
操縦席、乗組員席とは別に設けられているソファーにゆったり腰を下ろしている雄二をよそに「あーだこーだ」と話し合っている嫁軍団。
「ゆ、雄二君?・・・言いにくいんだけど、これって確かTVでやってた『宇宙戦艦ヤm「ちゃうからっ!!断じて『ヤ○ト』ちゃうからぁっ!!!」」
益々傍若無人ぶりに磨きがかかって来ましたw
ご了承くださいm(__)m




