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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
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新世界編 序ノ二 えっ?ここってやっぱり?

お世話になります。

毎日暑いですね。くれぐれもご自愛ください。

パニクる良江を落ち着かせながら続きを口にする雄二。

「どーどーどー・・・器っちゅうても目には見えん。『魂の器』っちゅうもんやな。んで同時に俺は昨年の今頃、意識を失った。」

実際は45年後の疲れ果てた雄二が『ゼウス』の口車に乗せられ、依頼を承諾したばっかりにタイムリープさせられて中二の頃に戻って依頼遂行した訳なのだが。

この事実を知ってるのは女神であるアリーと一番最初に『魂の絆』で繋がった詩織だけなのだが、雄二の事情を察して特に何も言わない。

「・・・で、意識を失っていた数か月の間、『ゼウス』が俺に自分の持っている神の力、いわゆる『権能』を注ぎ込んだ。俺の『魂の器』っちゅうのんはその()()()を増幅する事ができるらしい。・・・やけど、ここで『ゼウス』が予想だにしなかった事が起こるねん」

「えっ?…予想外の事って?」圭子がやや戸惑いがちに尋ねてくる。

「そう・・・俺の『魂の器』の持つ容量ポテンシャルが『ゼウス』の想像を遥かに凌駕している事に全く気付いていなかった。。。」

「そそそそそ、それってつつつつ、つまり?・・・」秀美も狼狽し始める。

【状態改変】でそこでパニクっている者全員を落ち着かせる。

「『ゼウス』をはじめとする全ての神々が俺の『魂の器』に吸い込まれてしもた。ここにいるアルテミスも全て・・・な。」

「でも…でもぉアリーねぇね様はここにいるですぅ~?」ルーシェが可愛く指を咥えて雄二に問う。

「それは俺が問題を解決した後、『権能』を駆使して神々全員を復活させたからや。」

「『ゼウス』を含む神々全てを吸い込んだと同時にその力が俺の『魂の器』内で何億倍、何兆倍、いやほぼ無限大に増幅してもーた。その()で全宇宙を侵食していた『暗黒大星雲』を全部削除し、全宇宙を元通りにした。そして俺の中に吸い込まれていた神々も元通りに戻したっちゅうわけやな。」

【天の川銀河】の神々だけではなく、全宇宙の神々もしくはそれに近しい存在の力を尽く吸い込んだ事。そして神々ばかりか敵対勢力などのある程度の力量あるものも全て吸い込んでしまった事は黙っておく。

ここまでの話だけでも既にグロッキー気味なのだ。これ以上はヤバいだろうという判断だ。

「こうして我々神々を復活させて頂いたわけですのでここにおられる主様は『ゼウス』よりも遥か上位に君臨される唯一絶対の存在であり、その主様の奥方様であられる貴方様がたも同じく唯一絶対の存在であらせられます。」

とアリーが結論づけるが、雄二が、

「せやからアリーも奥方様やてw」とツッコむ。

「ほいで、『ゼウス』に相談したんよ。俺が新しい世界を創った時、サポートしてくれるもんおらんか?ってな」

「ああ!…だからサリエルがここに?」アリーが納得したようにサリエルの方を見る。

「左様でございます。アルテミス様」サリエルが頭を下げながら答える。

するとメイド姿の美女がサリエルの横に来て、

「皆様、お初にお目にかかります。私はライラと申します。私達もサリエルさんと同様、自ら望んでこちらへ馳せ参じました。メイド長を仰せつかっております。どうかよろしくお願いいたします。」

と言いつつ頭を下げて来た。

それに呼応するかのように燕尾服、メイド服のもの全員が一斉に頭を下げる。

「全部で何人おるん?」と雄二がサリエルに尋ねると、

「執事、庶務が全員で20名、一般メイドが50名、専属メイドが15名、警護、雑務が200名ほどです。私を含めまして全員が主様と絶対的従属契約を結ばせて頂いております故、主様並びに奥方様方に不快、不敬を働いた瞬間、抹消されるようになっておりますのでご安心ください。」

なんかとても物騒な言葉が返って来たような気がしたがスルーを決め込む奥方様達。

「まぁ、今回は様子見…ちゅーか設定確認に来ただけやし、本格的にこっちに来るのはまだまだ先やけどな。とにかく今後もよろしくなっ!」

この場にいる使用人天使?達全員に向けて雄二がそう言葉を結ぶと、再び一斉に頭を下げる。

「では私達はそれぞれの持ち場に付きます。御用があればいつでもお呼びください」

サリエルが代表してそう述べるとそれぞれ散っていった。

と言っても何人かのメイドはそのまま部屋に待機する。

雄二とアリー以外はしばらく口をポカーンと開けたまま固まっていた。

いち早く再起動した詩織が苦笑しながら、

「でもぉ…凄い凄いとは思ってたけどさぁ、まさか神様超えちゃってるとか、私達の旦那様ってホント凄すぎだよねぇ~♪・・・でも、ゆうくん?心配いらないからねぇ?私の、ううん…私達のゆうくんを愛する気持ちは全然変わってないからね?♡♡♡♡神様だとしても悪魔だとしても、ゆうくんはゆうくんだしぃ~♪そこは信じて欲しいなぁ~w」

自分に対する不変で永遠の愛を誓う言葉に胸が熱くなる雄二。更には、

「私も何度も雄ちゃんに救われてるし、ううん…救われていようがいまいが関係なく、雄ちゃんそのものが好きなんだからね?私の、いえ私達の愛を甘く見ないでよね?雄ちゃんへの愛情が変わるなんて絶対有り得ないんだからネッ!♡♡♡♡余計な事考えるの禁止だよ?私達をもっと信用してほしいなぁ♪」

「ユージ様ぁ?(わたくし)もルーシェもルネも幾度となくユージ様に窮地を救って頂き、ユージ様の凄さなどとうに存じ上げております。本当に今更ですわよ?(わたくし)達のユージ様をお慕いする気持ちは未来永劫不変不滅なのですっ!♡♡♡♡二人もそうでしょ?ルーシェ?ルネ?」

「はぁいですぅ~♪ねぇね様ぁ!ルーシェはぁユージお兄様のお傍でないと生きていけないのですぅ~だぁいすきなのですぅ~♡♡♡♡」

「もちろんでございますっ!メル様。…ユージ様がなかなか私に手をだそうとしないヘタレだとしても私は、いえ私達のユージ様をお慕いしている気持ちは永遠でございます♡♡♡♡」

「雄二君?私は雄二君と正式にお付き合いするようになってからまだそんなに経ってないけど気持ちの強さは他の皆さんにも負けてないつもりだよ?愛してるの♡♡♡♡私達はもう貴方無しでは生きていけないの。…だから何も悩まないでね?私達の想いは揺るぎない確固たるものなのだから」

「お兄ちゃん?お兄ちゃんの事だから、どうせあたし達から敬遠されるんじゃないか?とか、恐れられるんじゃないか?とか…しょーもない事考えてるかもだけど。チッチッチッ!見くびらないでよね?私達の気持ちを!…私達はね?生まれる前から結ばれる運命なんだよ?♡♡♡♡わかったぁ?お兄ちゃんw」

「主様?私は全て存じておりましたし、気持ちは全く変わりません故、特に申し上げる事はございませんが、敢えて言わせて頂けるのであれば…私も他の皆様方と同様に、お慕い申し上げておりますっ!♡♡♡♡この気持ちはこの身がたとえ滅びようとも決して変わる事はありません。」

このように詩織を皮切りに圭子、メル、ルーシェ、ルネ、良江、秀美、アリー…と次から次に変わらぬ永遠の愛を誓う言葉を紡がれていくのであった。

それぞれの言葉を一つ一つ噛みしめながら雄二はこの素晴らしいカノジョらにお礼の気持ちを込めて一礼すると、

「みんな・・・ホンマ有難うっ!正直、、怖かったっ!でも取り越し苦労やってわかった。…せやから改めてここに誓うわっ!みんなを永遠に愛し続けるっ!そして絶対幸せにするっ!!」

目を真っ赤にしながら力強く宣言する雄二であった。

そしてカノジョ達も皆、幸せの泪を流しながらも輝くような笑顔で答えていた。



「ふと、思ったんだけど…聞いていいかなぁ?雄二君」

お互いの揺るぎない愛を誓いあって、落ち着きを取り戻した頃、お茶を淹れ直してもらい、一息ついてる中、良江が尋ねてくる。

「ん?…ええよ?」と雄二が返すと、

「よくTVとか雑誌とかで『無限の宇宙』って言ってるけどさ…実際どうなのかなぁ?本当に無限なのかなぁ?」

「ああ、それなっ!…結論から言えば()()()()()()()()()()

そう答えると、昨日自宅でも展開したホログラムを空中に投影する。

そこに顕現されたのは銀河?ではなく、球体?やや横長な靄がかかった状態のモノだった。

そして自宅の時と同様にレーザーポインタを当てながら説明を始めた。

「今映ってるこれが最終的な全天全宇宙の姿、『マキシマム・ユニヴァース』やね。この外側にはなにも存在しとらん。…んでガス状に見えるのは天体の塊やな。全部で数千兆個ある。そしてその数千兆のうちの1個を拡大してみるで?」

そう言って雄二は数千兆ある中の一つを拡大する。すると、またガス状の少し先程と形が異なる球体が現れる。

「これがさっきの『マキシマム・ユニヴァース』を構成している数千兆の中の一つである『グランド・コスモス』という、これもまた数千億の天体の集まり、いわゆる星々の集合体で構成されとるっちゅこっちゃ!」

更にまたその『グランド・コスモス』の中にあるガス状の中から1点を絞り、それを拡大する。

それを幾度か繰り返し、ようやく【天の川銀河】が表示される。

もう一度まとめると以下の通り

『マキシマム・ユニヴァース』=宇宙の最終形態であり、全宇宙。数千兆に及ぶ『グランド・コスモス』で構成されている。

一つの『グランド・コスモス』=数千億の『ヒュージ・コスモス』で構成されている。

一つの『ヒュージ・コスモス』=数千億の『グレート・コスモス』で構成されている。

一つの『グレート・コスモス』=数百億の『ラージ・コスモス』で構成されている。

一つの『ラージ・コスモス』=数十億の『ミディアム・コスモス』で構成されている。

一つの『ミディアム・コスモス』=数千兆の『ミニマム・コスモス』で構成されている。

『ミニマム・コスモス』=宇宙の最小単位。それは地球人類でいうところの『銀河』あるいは星雲、クェイサー、セイファートと呼ばれている。つまりいわゆる【天の川銀河】もこの『ミニマム・コスモス』の中の単なる小さなありふれた一つに過ぎない。『ミニマム・コスモス』もそれぞれ大きさ、構成要素は千差万別である。他の構成形態も然り。

【天の川銀河】を例にすると【天の川銀河】は直径10万光年、厚みはおよそ千光年。数千億の恒星、そしてそれに群がる数多の惑星、衛星で構成されている。

「ガス状に見えて密集しているように思えるやろうけど、実際はそれぞれの集合体の間は途轍もなく離れとるし、繰り返すけど、それぞれの集合体で大きさ、構成要素がかなりバラバラやからな。」

初めて明かされる宇宙の成り立ちにまたもやポカーンとするカノジョ達。

「あと、地球でいわゆる宇宙の存在として認識されとるのは『ミディアム・コスモス』のほんの一部くらいまで。それも地球を含んだ【天の川銀河】の周辺辺りのごく限定された部分だけやな。将来的に見ても地球人類が認識できるのは恐らくこの『ミディアム・コスモス』の一部分までやろうな。オリオン座大星雲とかアンドロメダ銀河とかはもっと鮮明に認識されると思うわ。観測可能な限界ラインっちゅうやつやね。」

「はぁーーっ!!!もうなんかスケールが大きすぎて訳わかんないwww」

「と、とりあえずは無限じゃないって事は理解できたよーっ!」

「それで…雄ちゃん?さっき言ってたがん細胞?黒いミストだっけ?・・・それってどの辺まで拡がってたの?」

追加で圭子から質問される。

「全天全宇宙、つまり『マキシマム・ユニヴァース』全域やね。【天の川銀河】を除く全部。」

「・・・でも、なんで【天の川銀河】だけ助かったのかなぁ?」

「なんでやろうなぁ・・・」

実際は全宇宙の中心にある『ネイティブ・コア』の中にある【アカシック・レコード】も含む"宇宙の意思"により、雄二がそこにいたからこそ、雄二が存在する【天の川銀河】だけが辛うじて守られたわけだが。

もっと言えば、既に雄二自身が"宇宙の意思"であり、【アカシック・レコード】のマスターなのだ。しかしながら今はまだ雄二の()()()によりその職務は全て今まで通りにされている。

しかし、現状でさえカノジョらはパンク寸前になっているのだ。まだ【アカシック・レコード】やら"宇宙の意思"やら『ネイティブ・コア』の存在の話はできる状態ではない。と言うわけで言葉を濁す雄二。

「ゆうくんがいたからだよぉ~!だから【天の川銀河】は無事だったんだよぉ♪」

なかなか鋭い指摘をする詩織さん。さすがです!

「じゃあ…ユージお兄様はぁ、神様の王様になっちゃうですぅ~?」

つぶらな瞳をキラキラさせてルーシェが疑問をぶつけてくる。

「神様っちゅうわけやないけど…まあ、いずれはそれなりに責任を負わんとアカンかもなぁ。。メンドくさいわぁ~;;;」

「そうは申されても主様は我々神々を含む()()()()()()立場であらせられます。唯一絶対の…」

「あはははっ・・・わかっとるけどなぁ;;;あー、それとアリー?そろそろ喋り方を普通に、ちゅか…フレンドリー口調に戻してくれへん?」

「主様がそう言われるのであれば…わかりま、わかったわ!雄二さん」

「まぁアレだっ!まだしばらくは普通の地球人として暮らしていくつもりやけどな♪」

「どこが普通?」と言う鋭く抉るような視線を一斉に浴びせられる雄二は目を泳がせながら、

「そ、そー言えば…腹が減ったなぁ!飯食ったら色々案内するから。まずは…」

と言うと、控えていたライラを呼び寄せ食事の確認をした。

「はいっ!既にお食事の準備は整っております。…では大食堂にご案内いたします。」

ライラの案内で大食堂まで一行はぞろぞろ歩いてゆく。

「わわわわぁ!!こんなに広いとどこがどこなのか・・・迷子になっちゃうよぉ~っ!!」

秀美が目を回しそうになりながら嘆く。

「大丈夫やっ!ちゃんと考えてあるから心配せんでええよ♪今は実際の距離感を測るために歩いとるだけやから。」

雄二がそう返していると、ようやく先頭を歩いていたライラの足が止まる。

「こちらが第一食堂でございます。」と告げると、タッチパネルに手を翳し、ドアロックを解除する。

入ったところはこれまた天井が高く広さも半端ない。豪華なシャンデリア、アイボリーホワイトな壁、中央に設置されたこれも豪華でバカ長いダイニングテーブルにレース調のテーブルクロス。

椅子も重厚な雰囲気の代物。

「主様は一番奥のお席です。奥方様方はそれぞれ左右にお座りください。」

ライラが席を指定してきたので言われた通り着席する。

全員着席した事を確認したライラは部下のメイドに配膳の指示を出す。

真夏の日本から来たわけだがこちらも夏に設定されている。しかし室内はどこも適温適湿に保たれている様で暑さは感じられない。

運ばれてきたのは、なんとっ天ざる!・・・どう見ても西洋人にしか見えないメイド(実は全員天使)がモロ和食であるはずのセイロに入った二八そば、そして天ぷらの盛り合わせを運んできたのだ。

雄二が予めリクエストし、食材も用意しておいた訳なのだが、まさかこのタイミングでこのメニューが出てくるとは思ってなかったカノジョらは目をパチクリ。

特に生まれながらの日本人である秀美、詩織、圭子、良江にとってはオッタマゲーっ!である。

めんつゆの入っている器も薩摩切子だったりする。ちゃんと薬味も用意されている。

「めんつゆ、薬味が足らない時は近くの者にご用命ください。ではごゆっくりお召し上がりください」

ライラが一言添えて頭を下げる。

雄二はめんつゆに刻みネギ、山芋、ワサビを適量入れ、早速そばをすする。

食べ方が分からないルーシェは隣に座っているねぇね様に教えてもらって何とか食べているようだ。

箸がまだ使えないのでフォークでだが。

そばはもちろん手打ちなので適度にコシがあり、のど越しが良い。天ぷらも高級料亭顔負けのサックサクのアツアツである。

しかし日本から遠く離れてはるばるやって来た『新世界』というか、異世界で初めて食する食事が和食って…いったいどうなっているのだろう?



次回は『新世界』の概要説明になります。

ご了承ください。

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