本編 第二十七話 ご対面~~っ!!
お世話になります。
ご都合主義万歳ですぅ~♪ww
祝勝会もようやく終わり、雄二ら家族は父親の運転する車で帰宅した。
雄二は自宅に着くなり、速攻でシャワーを浴びて、汗や汚れを落とした。
先程、詩織を連れてくる事を伝えておいたので、その準備である。
着替えて家族に出かける旨を伝える。
「んじゃあ、迎えに行ってくるわ。あっ!たぶんあと二人追加で連れてくるから。それも外人w」
「「「ええ~~~っ!聞いてないよぉ~~~っ!!」」」
(おおーっ!出たぁ♪ダチョ○倶楽部っ!!ww)
家族の抗議を華麗にスルーして家を出る。
時刻は午後2時半。
詩織と連絡を取ってCルームで落ち合う。
「しーちゃんとこのおじさん、おばさんにもちゃんと挨拶しときたいんやけどなぁ」
「うん♪そだねぇ~。ママさんもゆうくんの事、話したらすっごく会いたがっていたからねぇ♬近いうちに来てくれるぅ?♡」
「もちろんっ♪」
「うふふ♡…じゃあ、そろそろメルさん達をお迎えに行こっか?」
雄二はその言葉に頷き、詩織の手を握りながら即座に待ち合わせ場所に転移する。
一瞬で二人の視界が変わる。
視界が変わると同時にそこには既に見知った3人が待っていた。
「おはよう」
「詩織さん!雄ちゃん!おはよー♪」
「おっはよぉ~♪圭子ちゃん、メルさん、ルネさん」
「おはようございます!ユージ様、詩織さん」
「おはようございます♪ユージ様、詩織さん」
テンションやや高めの3人である。
「メル、ルネ。どうやった?こっちの生活は」
「はいぃ~っ!見るもの、聞くもの、その全てが驚きの連続でして。まだ理解が追いついて行っておりません。」
「姫様の表情がコロコロ目まぐるしく変わって面白かったです♪」
「っ!!…ル、ルネ?」
ルネは相変わらずメルを弄るのが生きがいらしい。
「圭子、色々面倒事を頼んでもーて悪かったな。ありがとな」
圭子に頭を下げながら感謝の言葉を口にする雄二。
「ううん♪全然大丈夫だよぉ。私も楽しかったし」
しばらく和やかに会話を楽しんでいたが、
「メル、ルネ 準備はええか?ぼちぼち日本へ行くで?」
「は、はいっ!(ドキドキ)」
「はーい♪」
「じゃあ、圭子 ご両親によろしくな!近いうちにちゃんとお礼がてら挨拶に来るでな。」
「っ!!!うんっ♪わかったぁ♡♡」
「圭子さん、大変お世話になりました。またお会いしましょう♪」
「圭子さん、本当に色々とありがとうございました。またです♪」
「圭子ちゃん♪いつでも会えるしねっ♪また、ゆうくんの恥ずかしエピソード教えたげるね♪」
「なんやそれっ!!」
ひと通り挨拶を済ませ、雄二の左手を詩織が。右手をメルが。そして雄二の背中にルネが触れる形で転移を開始する。
一旦、Cルームへと転移した。
「えっ?ここは?」
「ん?・・・メル達もこの前、異空間部屋はいっぺん入っとるやろ?…ここも俺が創ったしーちゃん専用の異空間部屋、通称"Cルーム"やね♪」
キョロキョロ辺りを見回しながらフル装備されているその空間に目を白黒させているメル。
「そ、そうなんですね。…ユージ様には驚かされてばかりですぅ…;;;」
「あはっ♪そぉだよねぇ~!ゆうくんにはビックリさせられっぱなしだよぉ♬…そのうちメルちゃん専用のお部屋も創ってもらえると思うよぉ?」
「そうやな…創っとくわ。」
それから雄二と詩織はメル、ルネに簡単な日本の説明をした。
「まあ、まだ知識が整理されていないみたいやし、これから少しずつ吸収していけばええしなっ!焦らず、じっくりやな♬俺としーちゃんでフォローするし。」
「はいっ!よろしくお願いいたします。」
「あと、わかってるとは思うけど、うちはあんまり大きないけど日本じゃ普通やからw」
苦笑いしながら雄二は日本の住宅事情を説明した。
いちおうメルとルネが家にいても違和感がないように【常識改変】を住んでいる地域周辺に、更に雄二の家族に会っても緊張しないように【状態改変】をメルとルネに施しておく。
そして雄二はCルームから出て、3人を連れて徒歩で自宅に向かった。
ついにご対面である。
「ただいまーっ!」
玄関のドアを開けて雄二が帰宅を告げると、母親と秀美が出迎える。
「「おかえり~!・・・って!!ええっ??!!」」
母親も秀美も返事はしたものの、あまりの驚きに固まる。
「お久しぶりですっ!おばさん、秀美ちゃん。詩織でぇす♪」
「し、詩織ちゃん?久しぶりやね・・・どえらい美人になって・・・そ、それで…そちらの・・・」
「は、はじめまして…私はメルシオーネと申します。何卒宜しくお願い致します。」
「お初にお目にかかります。私はルネと申します。宜しくお願い致します。」
「に、にほんご・・・」再起動した秀美がポツリ。
「ああ、見た目はモロ外人やけど二人とも普通に日本語話せるから大丈夫や」
「まあ、とりあえず上がってくれ」
そう言いながら応接間へと3人を招く。
「おじゃましまぁす♪」と言って土足を脱いで上がる詩織に倣ってメル、ルネもそれに続く。
応接間で控えていた父親とも挨拶を交わすが、3人の美少女、特に詩織とメルのあまりの美しさに父親はじめ家族3人が唖然とする。
「私、小さかったからほとんど覚えてないんですけど、詩織さんは私の事、知ってるんですよね?」
「うんうん♪今も可愛いけど、小さい時の秀美ちゃんもすごく可愛かったよぉ~♪…あっ!それとぉ丁寧にしなくって大丈夫だよぉ♪秀美ちゃん♡」
「へ~~!!メルさんは西ドイツの貴族なんですね?」
「お義母様、どうか普通におしゃべりください。…貴族と言っても親が貴族なだけです。私はただの子供です」
メルは西ドイツの古い貴族の令嬢。ルネはそのメルの専属メイドという設定にする事を事前に申し合わせていた。
こうして馴染ませる意味で家族と詩織、メル、ルネの会話に必要以上には入っていかないよう心掛ける雄二であった。
すると何かを感じ取った秀美が突然、「女の子同士でお話がしたい!」と言い出した。
[ゆうくん!ゆうくんっ!どぉしよっかぁ?たぶん、秀美ちゃん、色々聞いてくると思うよ?]
詩織が【テレパシー】で話しかけてきた。
(ん?何も悪い事してるわけでもないし、別に普通に話せばええよ?しーちゃんにまかせるわ。…それにどのみち、秀美はもうある程度はわかっとるしな)
[そだね♪わかったー]
というわけで秀美、詩織、メル、ルネは自宅奥にある和室に移動していった。何故か母親の京子も一緒なのだが。
(しーちゃんがおるし、たぶん大丈夫やろ♪)
しかし、応接間に残った父親と雄二の間に何とも言えない微妙な空気が漂っているのだ。
居心地が悪いったらありゃしないっ!!
「むちゃくちゃべっぴんやなぁ!!おいっ!」父親が興奮なさっている。
「お父ちゃんはしーちゃんと面識あるんやろ?」
「ある事はあるけど…お前ら、小さかったし、いつもあの子、マスク着けとったしなあ。」
「もう病気は完治しとるらしいわ。元々顔は可愛かったやん」
「お前、詩織ちゃんだけでは飽き足らず、あんなすげー美人の外人さんまで…」
「なんでそーなるんやっ!」
「っるさい!このバカ息子めっ!色気だけはいっちょまえになりやがってっ!!」
「うぜぇなっ!クソ親父に言われたくねぇわっ!」
「親に向かってなんつう口のききかたしとるんやっ!おまけに今朝の試合でも目立つだけ目立ちやがってからにぃ!!秀美は余計にお前にベッタリになっとるしっ!」
「お父ちゃんが強引に試合に出したんやろがぁ!それに今は秀美は関係ないやろっ!」
「だまれっ!クソ坊主っ!俺の目の黒いうちは秀美に手を出す…<ドドドドッ!ガチャッ!>
「あんたらっ!お客さんが来とるのにうるさいっ!!(怒」
「そうやけど、このバカ息子が‥「お父ちゃん!?(怒」
「は、はいっ!」
「雄はちょっと自分の部屋にいっとき?お母ちゃんにここはまかせて」
笑いながら雄二にそう告げる母親にコクリと頷いて2階の自室に向かう雄二。
「お父ちゃん?雄にエラそうに言えるような立場なんかな?」
そんな言葉を背中で聞いて階段を上っていく。
(やれやれ・・・あの親父はちょっと煽っただけやになぁ・・・大人げないわぁ)
溜息をつきながら自室に入る。
それよりも多分今頃、秀美は詩織やメルに根掘り葉掘り尋ねているだろう。知ろうと思えば容易に知る事もできるのであろうが、そこはエチケットであるので弁える。
そういうところは意外と気を遣う雄二なのである。
自分のベッドに寝転がって今後の事に思いを巡らせながら、【マルチタスク】を働かせてメル専用と圭子専用の異空間部屋をそれぞれ作る。更には異空間収納にまだ溢れる程、貯蔵してある純度100%の貴金属・宝石を【エクスチェインジ】で換金してしまう。これによって以前換金した物と合算して何と100垓円もの日本銀行券が出来てしまった。1万円札でなんと100京枚!しかもちゃんと正規のシリアルナンバーがふられた本物であり、日本銀行のデータとリンクしている。更には自動的にお札のデザインが更新されるという全くチートにも程があるのだ。更に更にこれでも異空間収納に貯蔵してある貴金属・宝石のうちのほんの微々たる量にしかすぎないのである。父親とやり合った憂さ晴らしにとんでもない事をしでかす雄二なのである。
その後も異空間収納にてこの時代には未だ存在していないであろうオーバーテクノロジー的な多種多様の物を創り出してしまう「自重なにそれ?」な雄二であった。
そして気が付けば既に外は暗かった。
「雄ぅ~!ごはんだよ~!!」
下から母親に呼ばれたので下に降りて行くと、どうやら詩織、メル、ルネも一緒におよばれするみたいである。
今日は奥の和室で夕食を摂る事になったみたいだ。
和室に入ると秀美とお客である美少女3人は完全に打ち解けて、和気あいあいにキャーキャー仲良く騒いでいた。
(・・・なんだかなぁー)おいてけぼりを食らっているみたいに感じる雄二。
そんな雄二に母親がさも当たり前のように、
「今日はとりあえず、詩織ちゃんはわかっとたけど、メルちゃんもお嫁さんという事が分かったって事でお祝いするよ♪」
「えっ?ちょ・・・まっ・・えええぇ~~?」
(な、何言うとるんだ?この母親は)
「あっ!あと圭子ちゃんって人もおるんやろ?その子は会えた時にでもすればええし。秀美はまだ小さいし、ルーシェちゃんだっけ?その子と一緒でええよね?」
「お兄ちゃん?しー姉ちゃんとメル姉ちゃんから色々と話を聞かせてもらってるからねっ♪もう逃げられないよ?♡♡♡」と、秀美がとても悪そうな微笑みを浮かべながらそんな事を宣う。
どうやら完全に逃げ道を封鎖されてしまったらしい。というか…随分と秀美とこの3人打ち解けるのが早いっ!。。驚きである。いったいこの短時間の間に何があったというのだろう?
「ええか?雄二っ!これからも多分、お前のことやからお嫁さんがぎょ~さん増えるやろし、お前なら大丈夫やと思う。ちゃんと皆、同じように幸せにせなだしかんで?くれぐれもお父ちゃんや他の男みたいに無責任な不実な事だけはしなさんな?世間的にはまだまだこないな事、許されんやろうけど、皆を平等に幸せにするんやったら、あと、それでお互いが納得しとるんやったら、お母ちゃんはとやかく言わん。…でも、もしも無責任で不誠実な事したらお母ちゃんが許さへんで?わかったか?雄二!」
[ゆうくんの能力の事とか、未来から来た事とか神様の事とか話したら不味い事は話してないから大丈夫だよぉ~♪]
詩織から【テレパシー】で話しかけられる。
(こうなるわなぁ。やっぱ・・・)と思いながら
「もちろんっ!俺を本当に必要としてくれて、俺と一緒に歩いてくれて、俺を心から愛してくれる人やったら、俺もちゃんと平等に愛するし、平等に大事にするし、どないな事があっても守り切る!ここで誓ってもええわ!」
はっきり宣言する雄二をそれはそれは蕩けきった眼差しで熱く見つめる視線が3組。
「ゆうくぅ~ん♪・・・♡♡♡」
「ユージ様ぁ~♪・・・♡♡♡」
「お兄ちゃん~♪・・・♡♡♡」
「ついでに私もいかがでしょぉ?」ルネがここでぶち込んで来た。
「・・・ちゅーかお父ちゃんは?」
「そうですかっ!無視ですかっ!?」
「まあまあ…ルネちゃんはまだまだ努力せんとね?」
「お父ちゃんやったらさっき、お母ちゃんに説教されてイジケてどっかに行きよった」
今日も楽しい稲村家である。
詩織は電話でどうやら自宅に連絡を入れたらしい。
メル&ルネはこのまま今晩泊まるらしい。と言うよりもこのままここに住んだ方が何かと安心できるという話が出来上がってるらしい。
という事はそれだけ出費が嵩む。ってぇことで、
「じゃあお母ちゃんにこれを渡しとくわ」
そう言いながら雄二は母親に雄二名義の預金通帳と印鑑、そしてキャッシュカードを渡す。
【常識改変】により、細かい事は問われないようにしてあるのだが、
「ゆ、ゆ、雄二?な、何でこない大金・・・」
「あー!ちょいと宝石を探し当てて…ヤバイ金とちゃうから、安心してええよ?」
かなり苦しい説明だが、どうにかこうにか説き伏せて納得してもらう。
「この金でこの子んたの生活費やら家のローンやらに充てて、残りはお母ちゃんの自由に使ってくれてええからっ!」
それを聞いた母親は速攻、雄二に抱き着き、ウルウルである。
その光景を周囲は生温かい目で見つめていた。
「さあて…じゃあ食べようか!これは詩織ちゃんの入学祝を兼ねとるし♪」
食事後、やっと帰って来た父親と共に詩織を家まで送っていった。その間にメルとルネは入浴する事にし、秀美が入浴方法を教えた。
時間も時間であった為、後日改めてキチンと挨拶をするという事で、詩織の両親には父親が簡単な挨拶とお土産で済ませた。
雄二は車で待機していた。車で帰る際、先程の言い合いをした手前もあり、お互い一言も発する事もなく、気まずいままだったが。
明日、詩織は高校の入学式であり、雄二は明後日から新学期である。
帰宅後、その事を確認し、急遽居候が増える事になった為、家を増改築する相談をする。
資金は先程、母親に渡した預金から賄うのだが、この預金の話を聞いた父親が車を買い替えたいと言い出した。
難色を示した母親であったが、雄二が
「お父ちゃんにも今まで色々苦労かけたし、今後もメル達がお世話になるんやし、車ぐらいやったら別にええよ?」と言ってきたため、仕方なく許可した。
しかし中学生が十億以上の金を持ってるって・・・ご都合主義にも程があるのだが。
まったくもって、どうかしてるぜっ!なのである。
次回予告ww
新展開するはず…




