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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
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異世界編 第六話 えと、つまり、その…やっぱこうなるよなw

お世話になります。

私の拙作を評価頂いたり、ブクマして頂いたり、本当にありがとうございます。


今回は少し長くなりました。m(__)m

突然、目の前に現れた雄二に対し、その女神はポカーンと口を開けたまましばし動きを止めた。

「よぉ!エウリアネさん、ちょっとお茶飲まない?」

まるで使い古されたナンパのセリフ!まごうことなくナンパである。

はっ!と我に返ったエウリアネは努めて冷静に

「貴方はどなたです?なぜこの場所にいるのです?」

「俺は稲村雄二や。覚えてないか?かなり前にここも『極暗黒大星雲』に飲み込まれて、一度死んでるはずやけどなぁ?」

それを聞いて、自分の記憶を引き出そうと額に手を当てるエウリアネ。

「そのあと確かひと月以上前に一旦あんたも消滅しているはずやけど?」

それを聞いて「あっ!!えっ?・・えええ??」驚いた表情のエウリアネ。

「んで。あんたの上司から聞いとるやろ?あんたの上司共々、俺が全て元に戻したって」

それを聞いてすかさず、跪くエウリアネ。

「し、失礼しました。。。主様とは存ぜず…」

「まあ、それはええとして、このズゾロ、ちゃんと管理しとったか?」と問う雄二。

「えっ?・・・ええと…」目が泳ぎだすエウリアネ。

「ドラゴンが霊峰から出てきたのは知っとるわな?」尚も問いただす雄二。

「あ、あのぉ…えっとぉ…」焦りだして汗が噴き出るエウリアネ。

「なんでドラゴンが出てくる前に神託を下界に流さんかったん?」鋭く指摘すると、

「え・あ・・えと・・・その・・・」しどろもどろになるエウリアネ。

「おかげでぎょうさん人や動物が喰われて死んでもぉたやんか!」糾弾する雄二。

「ずびばぜんでぢだぁぁ・・・うわぁぁぁん!!!」と泣き出してしまった。

するとそこに光が集まり、集束すると一人の老人が現れる。

老人もエウリアネの横に跪き、雄二に向かって、

「私はここを含む一つの銀河をまとめとりますアイヴェルと申します。此度は私の弟子の不手際で主様に大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。私が責任をもって処理いたします。どうかお怒りをお沈め下さい」と深く頭を下げて陳謝してきた。

雄二は「具体的にどうすんねん?」と尋ねると、

「はい。私の力をもって犠牲者を甦らせ、荒れた大地も修復いたします。そして星に住まう者全ての記憶を書き換えます。無論、件のドラゴンに関する記憶のみですが。」

「ほんとやね?嘘やったらお前ら二人とも消すよ?」と脅しをかけるヤクザな雄二であった。

「は・ははあ…しかと肝に銘じまして必ずや;;;」怯えながら答えるアイヴェル。

「わかったわ。ま、今回は信じたる。。。ところでなんで神託流せなかったん?」

「じ、実は居眠りをしてたら既にドラゴンが…」とビクビクして答えるエウリアネ。

「どんだけ寝とんねん!!どんだけ!!今度はちゃんとせえよ?」呆れながら告げる雄二。

「御意っ!!!!!」

(まあ…あれか、同じ【ミニマム・コスモ】でも色々あるっちゅうこっちゃな)

こうしてアイヴェル達が言ったとおりに仕事を終えるのを見届けてから雄二は再びヴィトゥルブ王国に転移した。



既に日が沈み、暗くなってしまった為、メルが心配し過ぎて泣きそうになっていたので、ひたすら謝っておいたのだが、許す代わり二人で定期的に出かける事を約束させられた。

変異種ドラゴンの事は皆すっかり頭の中から抜けてるようだった。

それからはまた、のほほんとした平穏な日々を過ごした。

少し気になって…いや、かなり気になっていたので雄二は一番最初に()()ドラゴン達の被害を受けた大草原=ウル草原という名称らしい。を見に行ってみた。普通に馬車とか使えば、行くだけで1か月以上かかるそうなので、夜コッソリと城を抜け出し、転移した。

(うん。ちゃんと綺麗な草原に戻っているし、犠牲になった人々や動物達も蘇ってるな)

こうして雄二はドラゴン達が通った道筋をなぞりながら、ちゃんと修復されているのを確認していった。

(よかったわー!あのまんまやったらなんか後味悪かったし)

安堵の表情でヴィトゥルブ王国国境付近まで戻るとそこから転移で城内の自分にあてがわれた部屋まで戻るのであった。

その後は、メイドさん達の仕事ぶりを見て大変そうだったので、電気の代わりに魔力で稼働する洗濯機、掃除機を作ってあげたり、食物を保存できるようにとこれも魔力で稼働する冷蔵庫を作ってあげた。

(これくらいは、ええやろ?)ちっとも良くないのだが。

二日に一度の割合でメルとあちらこちらに出かけた。たまにルーシェも混ざっていたが。

この世界にきて早数十日経っているが、一番一緒ににいる時間が多くなって来たのがメルだ。

最近は人の目もはばからず、大胆にスキンシップをするようになってきた。

ご自慢のウェポンであるきょぬーを惜しげもなく、雄二の腕に背中に時々顔にまで押し付けてくる。{誰かの入れ知恵?なのだろう}

(こ、これ…わざとやろ? うん!ぐっじょぶ♪)既に篭絡されかけてる雄二。

一緒にいる時間が増えれば増える程、色々見えてくるものなのだが、メルは根っから純真無垢だった。

やや子供っぽいが、感受性豊かで好奇心旺盛でよく感動し、よく笑う。そして何よりも心根が優しい。

誰にでも分け隔てなく、接する事ができる。

(ほんま、ええ子やわぁ)

そんな子が雄二だけに純粋で穢れのない本当に一生懸命に想いをぶつけてくるのである。

何も感じないわけがない。雄二もそのあまりにもひたむきで純朴な愛を受け入れても構わないような気がしてきた。

そんなある日。もう何回目かわからないが、その日もメルとのデートを楽しんでいた。

場所は王都のはずれにある小高い丘の上。そこに造られた四阿みたいな所。護衛の騎士達も姫様に気を遣って少し離れて待機している。

「なあ、メル?」雄二にそう呼ばれて、「はい?」と、小首をかしげるメル

(かあいい~~♡…じゃなくて、、)

「メルって今まで男性とこんな風に接する事ってなかったん?」何気なく聞いてみた雄二。

「そうですねぇ。。。祝福の儀とか感謝祭とか(わたくし)のお誕生会とかに他の貴族の御子息とか他国の皇太子様にはお会いする機会はそれなりにありましたけど、自分から積極的に話しかけたりとかはなかったですね。。。なんていうか…心が嫌がるってゆぅか…話しかけられてくる皆さんの心の色が濁って見えてしまうんです。一度そう見えてしまうと、(わたくし)の心が受け付けなくなってしまって…」と、言いつのり、やや伏し目がちになるメル。

「それに…」続けて「お父様やお母様、それからお兄様が(わたくし)のそんな胸の内をわかってくださってて、そのような殿方は極力遠ざけて下さったり、貴族が持ってくる縁談も全てお断りして下さっていたものですから」そう言い終えると「ふっ」と小さく微笑むメル(かぁい…以下同文)

「俺はええの?」軽い気持ちで問いかけた雄二に、

「ユージ様は全然違ってましたっ!」と力強く答えるメル。

「えっ?なんで?」と問うと、

「ユージ様の御心には最初から濁りはありませんでした。(わたくし)やルネを守って下さった時も、オルト様達をお助け下さった時も、お父様、そしてこの国を守って下さった時も、ユージ様はただ純粋なお気持ちでそうして下さりました。そこに打算的なものは全く感じられませんでした。」

それに対し、雄二が「買いかぶりすぎや」と笑うと、メルは真っすぐ雄二を正面から見つめ、両手で雄二の手を包みながら

「いいえっ!ユージ様はその御心のままに純粋に動いてらっしゃいます。(わたくし)にはわかるのです。でもなければ、(わたくし)やルーシェに貴重な魔力をくださったり、メイドさん達の為にあんな凄い魔道具を作ってくださったりしませんっ!」

やや声を大きくしてそう宣言するメル様。

「・・・・」あまりの迫力に少々、顔が引きつり、たじろぐ雄二。

「そんな慈愛に溢れた無償のお優しさに幾度も触れて(わたくし)は…(わたくし)は…」

そこまで告げてメルは一旦、深呼吸をしながら目を閉じる。

再び瞳を開けるとジッと雄二を見つめながら、

「お慕い申し上げております♡♡♡この想いはどなたにも負けませんっ!たとえこの身が砕け消えようと、この愛だけは永遠に…貴方様に捧げ続けます!」

全身から溢れる純粋な清らかな愛情をこれでもかと言う程、ぶつけてくるメル。

一筋二筋、メルの大きな瞳から泪が頬を伝う。

(この子は本気や。本当に純粋でひたむきに俺の事を愛してくれとる。ええ加減な扱いできんわ。。。きちんと真摯に答えてやらんとな。)そう心に強く感じながら、背筋を伸ばす雄二。

そっと指で泪を掬うと、優しく背中に手をまわし、抱き寄せると、

「ありがとう。メル!そこまで俺の事を想ってくれて、、むっちゃ嬉しいわ!俺もメルの事、好きや!かけがえのない存在やと思うてる。」

そう告げて、少し震えるメルの肩に軽く手を添えてメルの小さな桜色の唇に自分のそれを重ねる雄二。

瞳は閉じられているのだが、また溢れてくる泪。数秒に渡る口づけののち、漸く唇が離れると雄二が決心した面持ちでメルに向かって、

「メル。お前に話さんとあかん事があるんやけど。聞いてくれるか?」

メルは黙って雄二の眼だけを見つめながら頷く。

(うん。やっぱちゃんと全部話さなあかんやろな。)

そして雄二は、自分がどこから来て、どの様にしてここまでたどり着いたかを丁寧に話した。神々との邂逅に始まって、宇宙の事、地球での事、そして既に愛する人がいることも。

詳細はともかく、かいつまんでではあるが事実を話した。

雄二にはできなかった。嘘をつくことが。隠し事をする事が。正直に打ち明ける事がメルへの誠意であり、思いやりであると思ったから。

メルは最後まで黙って聞いていた。真っすぐ雄二をみつめながら。

そして全てを聞き終えると微笑みながら、

「ありがとうございます。全てをお話してくださいまして。やっぱりユージ様は想っていた通り、素敵な殿方です。ユージ様が何者であろうと、お慕いしてる方が幾人おられようと、(わたくし)の貴方様を愛する気持ちは全く変わりありません♡♡♡」と、言ってのけた。

気が付くと周りは既に暗くなっていた。いつまでも護衛の騎士達を待たせておくのも忍びないので王城に戻る事にした。その際、あまりにも幸せそうなお姫様のお顔に、騎士達は口から砂糖を吐いていた。

そこからまた何日か経過した。その間、雄二は心の中で悩んでいた。迷っていた。

(どーすっかなぁ?・・・う~~~~~~ん!!)

色々考えてるうちに、この世界に来てからとうとう80日が過ぎ去ってしまい、そろそろ元の世界に帰らなければならなくなった。

そして雄二は一大決心をすると、王族全員が揃っているのを確認してエドワード国王に告げるのだった。

「急な事で申し訳ありませんが、明日、自分の世界に帰ろうかと思います。」

それを聞いて国王はじめそこに居る王族全員が「ああ!!とうとうか!!」という顔をした。

そんな中、メルは俯いて小刻みに震えていた。

「そうか。。。帰られるのか。。。。うむ・・・・・・・・・・で?メルシオーネは連れて行ってもらえるのだろうか?」エドワード国王が雄二に尋ねる。その瞬間、メルがビクッとなる。

「メルは・・・・・()()()連れて行きません。」

その言葉を聞いた途端、メルの身体から力が抜けて、崩れて蹲ってしまう。大きな瞳から泪がとめどなく溢れる。

咄嗟に母親たる王妃達がメルに駆け寄り、今にも倒れてしまいそうなメルを何とか支える。

悲壮感漂う沈痛な空気が流れる中、エドワード国王が目を閉じて重い口を開いて

「そう・・・か・・・・・其方がそう決めたのなら・・・・・仕方あるまい・・・」

雄二は慌てて大事な言葉を口にする。

「あ、あの…聞いてください。()()()()()ということです。」

その一言で沈んで俯き加減になっていた一同が顔を上げる。

エドワード国王が「それは…どういう。。。」と言いかけるのを待たず、雄二は続ける。

「今はまだ俺は向こうの世界ではひよっこなんです。勉強をしている立場なんです。まだ何もなく何もできない立場なんです。そんなところにメルを無理に連れて行ってもメルが辛い思いをするだけです。そんなの俺は嫌なんです。俺にはちゃんと自信を持ってメルを幸せにできるという資格が必要なんです。」

ここで一度言葉を切り、メルの所まで歩み寄って行くと、メルを立ち上がらせ、手を握りながら、

「だからメル!俺を信じて待っててほしい。必ず迎えに来る。約束する!絶対だ!!1年後、2年後かもだけど。絶対に迎えに来る!!」

雄二がそう言い聞かせるように優しく説くと、さっきとは全く違う意味の泪を零しながらも笑顔で返事をする。

「はいっ!!お待ちしています。何年でもっ!!うわぁぁぁぁぁんっ!!!」号泣しながら。

それを温かく見守りながら家族は「よかったねっ!!」と安堵した。

やがて落ち着きを取り戻し、夜も更けていき、それぞれが寝床に入る時間になった。

雄二もこちらの世界での最後の夜を迎え、ベッドに入ろうとすると、突然ノックされた。

返事をすると「メルシオーネです。少しお話したいので入ってもよろしいでしょうか?」という答えが返ってきた。(最後の夜だし、仕方ないか)と、思い、承諾すると、すぐに寝間着姿のメルが入ってきた。

ベッドの上に座らせると、ソワソワしたり、モジモジしたりで言いにくいのか、なかなか切り出してこない。それでも言い出すまで待つことにする。

やっと言葉にする決心がついたのか一つ深呼吸をして、上目遣いに

「あ、あの…お願いがございます。」目を潤ませながらこんな事言われるとどんなお願いでも聞いてあげたくなっちゃう雄二なのであった。

「ん?何?…できる事やったら何でも聞くけど?」と言うと、

「ほ、ほんとうですかぁ?」おめめキラキラである。

「あ、あのぉ…こ、今夜…こ、ここで…抱いてください!!」真っ赤になりながらそうお願いするメル様

一瞬固まって、ひと呼吸して「・・・へっ?…えええぇぇぇ?それって…」

思わず間抜けな声が出る雄二。

「はいっ!お夜伽という意味です。お願いしますっ!!」必死にお願いしてくるメル。

「でも…それはちょっと一国の姫として…」と、何とか止めようと試みる雄二だが、

「大丈夫ですっ!お父様もお母様方も喜んでお許し下さりましたっ!」

そう言って尚も言い募るメル。

「し、しかしなぁ…」未だに躊躇いを見せる雄二にボロッと泪を零しながら、

「おねがいですぅ!ユージ様ぁ!お待ちしてる間の…温もりが欲しいんですっ!!ユージ様に愛されてるという確証が欲しいんですっ!!お願いしますっ!!」

こんなに必死に泣きながらお願いされたら・・・(聞くしかねぇよなぁ…)

「・・・わかった・・・なるべく優しくするから」

それだけ伝えると雄二はゆっくりメルの身体を引き寄せ…

こうして雄二はメルとひとつになるのだった。メルの泪ときょぬーには完敗の雄二である。

優しく時が流れてゆく。

あくる朝、雄二の横でスヤスヤと幸せそうに寝息を立てているメルがいた。

その左手薬指には光り輝くダイヤモンドリング。無論、雄二お手製の加護てんこ盛りの逸品である。

起こさないようにそーっとベッドから這い出て、頬にキスをして

「今度逢える時まで元気でなっ!」と呟いて部屋を出た。

早朝でまだ早い時間なのだが、既にエドワード国王は起きていた。

なので、握手をしながら、挨拶をした。

「必ずまた来ますのでそれまでメルをお願いします」と雄二が言うと、

「うむ。其方には色々世話になりっぱなしでまだ何も返せておらん。必ずまた来てくれ!あの子の為にも」

と答えるエドワード国王。

「はいっ!!必ず!!・・・では国王陛下…お義父さんも、お元気でっ!」

最後に雄二がそう告げると、笑いながら雄二はこの世界から姿を消した。









お読み頂き、ありがとうございます。

一旦、今回で異世界は終了します。

次回から再びタイムリープした後の現代(1974年)に戻ります。


それにしてもメルが良い子すぎてツライっす

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