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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第二章 未来の為に… ~高校時代そしてテイクオフ~
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本編 第070話 下級生たち・・・・⑤ ~アネモネ

そ、そろそろ打ち止めにしないと;;

「まず一つ目 俺はこのアンタの家族の記憶から忌まわしい出来事を消去する事が出来るんやけど、どないする?俺としては消した方がええと思うんやけど?」

「二つ目 多分大丈夫やと思うけど、あいつらしつこいから万が一の事を考えて俺が指定するとこに家族の方達には落ち着いてもらうのを提案させてもらう。」

「三つ目はアンタ自身の事や。今回の悲劇の直接的原因であるアンタ自身の異能(ちから)そのものを消す事も出来るんやけど、どーする?」

三本の指を立てて雄二は心愛に優しく尋ねる。

心愛はそれを聞き、目を閉じて熟考する。

「すべては竜ケ崎さん・・・アンタが決めるべき事や!強制はせんよ?」

決して強制では無いが、同時に絶対悪いようにはしない旨を雄二は付け加える。

だがしかし、、、

わざわざ心愛の了解を取らなくてもこれらの問題は全て雄二がその気になれば一瞬で片付くはずである。

特に二つ目などは元凶を即座に消去すれば事足りるのだ。

とは言え、既に心愛の家族は二年以上前から日本において行方不明になっていたし、KGBの情報操作により全員死亡扱いにされて、それを日本政府も真に受けてしまっている。

よって世間的には心愛以外は存在していない事になっている。

心愛自身もKGBの管轄下に置かれ、かりそめの知人に養われている事になっている。

こんな歪な実情も含めて雄二なら問答無用に何とでも容易くできるはずだ。

にも拘らず雄二はこんな回りくどい事をしている。

何故か?

そこには心愛に対する雄二なりの想いが込められていた。

罪滅ぼしの意味もあるが、まずは彼女の意志を尊重するのを優先すべきだと考えたのだ。

その上で最善を期するよう取り計らう。

独善的と言えなくも無いが、心愛の為にできうる事はして行くという気持ちには嘘偽りなどこれっぽっちも無い。

実際、今回も雄二は既に殺されて『輪廻の理』に組み込まれて浄化までされていた父親=宗介の魂を強引に呼び戻し、【アカシックレコード】を基にその全てを宗介としてのそれに復活させている。

本来 このような事はあってはならないし、冥界を統べる‟ハーデス”でさえ絶対不可侵の掟なのだ。

いちおう【テレパシー】にてハーデスに断りは入れている。

当のハーデスは消されたくないがため、ビクビクしながら速攻で二つ返事だったが。

神々でもタブーである行ないを平然とやってしまう辺り無自覚ではあるが、既に人間の感覚をとうに逸脱しているのかもしれない。

雄二自身はまだ普通の人間のつもりでいる様だが。


しばらく瞑目して思案していた心愛は目を見開き、雄二を見つめる。

そして・・・・

「ほ、本当に私の家族は安全な所で平穏に安心して暮らしていけるのでしょうか?(ウルウル)」

目を潤ませ心の底からの願いを噛みしめる様に吐露してきた。

「もしそれが叶うなら他には何も要りませんっ!こんな呪われた能力(ちから)なんて欲しくありませんっ!!命だって惜しくありませんっ!!!」

こんな魂の叫びに対し雄二は、

「幸せな家族の中にはもちろん竜ケ崎さん自身も入っとる事 忘れたらあかんよ?^^アンタも含めて家族全員で幸せになるんやっ!アンタが幸せにならなお父さんもお母さんも悲しむでぇ?」

優しく諭すように返した。

ただ、ここで無自覚にスキル【♀コロリ】が発動してしまった。

心愛はみるみる顔を真っ赤にして先程とは違った意味で瞳がウルウル。

当初から徐々にではあるが薄いピンクではあったが…

即ち〔心愛様完オチしましたぁ~♪〕となるのは必然。

「わ...私も幸せになっていいんでしょうか?」

「もちろんっ!(⌒∇⌒)」

「じゃ...じゃあ先輩が責任を持って私を幸せにして下さいっ!♡♡♡♡」

その瞳には綺麗なハートマークを宿していた。

「もちr・・・・・あっ(;・∀・)」

(またやっちまったΣ( ̄ロ ̄lll))

〔こうなる事はある程度、初めから予想出来てましたよねぇ?マスター〕

(う゛~~~~~っ!)

往生際の悪い雄二は無駄だと解っていながら、

「もうアンタも勘付いてると思うけど、俺は普通の人間やない・・・・とんでもない化け物やでぇ?」

心愛は少し呆れた様に微笑みを浮かべながら、

「フッ・・・今更ですよ?あんな奇跡を起こせるのは神様しかいません☆彡入学式の時に初めて先輩を拝見した時からずっと感じてた神々しい波動。。。正直恐ろしくもありました.....何故なら私は既に罪を犯し汚れてしまっていたからです。先輩から放たれる暖かくも清らかな波動に全てを見透かされている様でとても怖かった・・・でも同時に縋りつきたかった。」

一転して伏し目がちに唇を噛みしめ言葉を続ける。

「周囲から色々と先輩の話が伝わってきていましたし、何よりも佐倉先輩や尾崎先輩、杉田先輩達のとても幸せそうな顔を見るたびに『ああっ、私もあの中に入れたらなぁ♡♡♡』なんて儚い願望を抱くようになって行ったのです。こんな汚れた私なんて相手にされる訳ないとわかっているのに・・・」

〔補足説明しますと…入学式の段階で心愛様はマスターに対して何かを感じ取っていらした様ですし、それが日を追うごとに段々大きくなっておられた訳です。同時にSOSを無意識のうちに出されていた。───それを今回見事なまでにご家族も含めて完璧にマスターに救い出されたのですから「惚れるなっ!」と言うのが無理な話ですよぉ?〕

これぞ‟ご都合主義!”である。

要するに心愛は入学当初から雄二により放たれていたスキルに呼応する因子を持っており、既にある程度は出来上がっていたという事だろう。

(まあな・・・確かにな;;)

ここで雄二は心愛に近づき 抱き寄せて、

「全然汚れとらんて^^」と耳元で囁いた。

「ホンマにええんやな?・・・自分で言うのもなんやけど、俺はとんでもないスケコマシやし嫁がびっくりするほど居るねんでぇ?ええのん?」

雄二の問いかけに答える様に心愛はコクコクと何度も頷くと雄二にきつく抱きついて来た。

「わかった!俺も腹括るわ^^ああっ とりあえず俺の事、色々話さなあかんな;;今から話す事は信じられん事ばっかやと思うけど全部真実やから」

ここからは他の嫁らにも打ち明けた事を解り易く話していった。

俄かには信じ難い奇想天外な内容ばかりだったが、心愛は真剣に聞き入っていた。

(本来のこの子はとても素直やし純粋でホンマええ子やな♡♡♡♡)

だから尚更、今回のソ連の…正確にはKGBの理不尽な蛮行に対し、(はらわた)が煮えくり返る思いなのだ!

(本音を言うとソ連ちゅう国ごと即座に潰してまいたいんやが・・・・『前・世界』とこれ以上変えてもなぁ;;それも今更か(苦笑))

もはやタイムリープして来たとは言え、雄二が元いた世界とは色々と変えてしまっているので似て非なるもの=ある意味 異世界になっているのが今の世界なのである。

さておき。

KGBへのお灸をすえる為、【マルチタスク】を駆使してリモートで執行する事にした。

まずはモスクワにあるKGB本部建屋上空1000mに巨大な聖母の幻影を映し出す。

その表情は深い悲しみに暮れており、目からは血の涙を流している。

突然顕われた聖母像にモスクワ市民は騒然となる。

更に雄二は雲による文字で万人に対するメッセージを添える。


『Божий молот за глупость!(愚かな行ないには神による鉄槌を!)』


前例のない超常現象に更なる混乱が起きる。

ある者はその場で祈りのポーズをとり、ある者は恐れ戦き悲壮になり、またある者は疑心暗鬼に。

中には意に介さず無関心な者、真に受けず嘲り笑う者もいる。

しかし…次の瞬間、そこに居る者全てが顔色を失い呆然と立ち尽くす事になる。

何故なら突然顕われた聖母像の真下に位置する荘厳で頑強な建物=KGB本部が一瞬にして瓦礫の山と化したからである。

これだけでは無い。

後に明らかになったのは多数の他殺とみられる変死体。

その殆んどがKGBの幹部であったり実行部隊だったり。

しかも超能力研究に携わって来た者も多く含まれていたという。

真相および詳細については国家機密として封印されてしまったという。

(やっぱ国ごと潰した方がよくね?)




あくまでも本作はフィクションです。

実存する人物・物体・事象とは一切関連はありません。

ご了承下さい。

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