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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第二章 未来の為に… ~高校時代そしてテイクオフ~
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本編 第051話 異世界にて…突然?悪役令嬢の純愛

ここで一句!「秋深しオナラもふかして芋食べる」・・・・す、すみませんm(__)m

「改めて・・・よくぞ参られた、勇者殿 そしてそのご家族の方々。どうかごゆるりと過ごされよ^^」

雄二に念を押されて恐縮しつつもエドワード国王は普段通りの口調で雄二らに歓迎の挨拶をする。

それに対して、

「有難うございますm(_ _"m)この度は突然、このようにお邪魔してしまい、申し訳ありません;;」

雄二は突然の訪問を謝罪するのであった。

これに対しても国王は慌てたように、

「と、とんでもない;;貴殿は我々を、このヴィトゥルブ王国を救ってくださった勇者様であり、使徒様であられる。更には我が娘=メルシオーネの大切な伴侶であられる御仁なのだからして。おまけに貴殿のお陰でファナが二人も御子を授かったのだからな。貴殿には返しきれない恩義が有り過ぎるのぉ^^」

国王の発する言葉が微妙にまだ謙ったおかしい塩梅になっているのが気になる雄二であったが、ここは敢えて触れない様だ。

「いえいえ^^;俺が勝手な事ばっかやってたまたまの結果なんで。それに‥‥陛下は俺の愛するメル、ルーシェの父君であり、ルネの直接の主でもある訳です。つまりは俺にとっても義父であり、陛下を含めて皆さんは俺の大切な家族なんですからそれを護るのはごく当たり前の事ですよ♪」

雄二は普通にやや謙遜気味に宣っただけなのだが、エドワード国王はじめ王族の皆さんは甚く感動されてしまい、軒並み嬉し泪を流していた。

更に脇に控えていた臣下や侍女らまでもが感涙を零していた。中にはぎゃん泣きしている者もいる。当然 ルネさんである。

(あ、あれれぇ....そない感動されても(アセアセ))

雄二はドン引き。横にいる功、京子、純もお口ポカーン。彩華と大樹は…何故かリカちゃん人形と塩ビの怪獣とを戦わせていた。

(・・・・カオスやなぁ(-_-;))

数分この状態が続く。

しかしこのままでは埒が明かないと思った雄二は少々強引に次に移る事にした。

「コホンッ!ええと…それでは陛下、ここで俺の家族を紹介しておきますね。」

雄二はこれ以上ないワザとらしい咳払いをして自分の連れてきた家族の紹介にシフトする。

ホケーッとしていた功らは途端にぴくりとして居ずまいを正す。

「まずは・・・・俺のすぐ右隣にいるくたびれた陳腐なおっさんが悲しい事に俺の父親である功ですw」

「誰が陳腐やねんっ!誰がっ!確かにくたびれとるけど…ちゅか親に向かって・・・・あっ!;;;」

雄二の自分に対するぞんざいな扱いに全力でツッコむ功であったが、隣の妻にチョンチョンされ前を向いて気付く。

「しっ…失礼しました;;;えーっ、私はここにいる雄二の父親で稲村功というごく一般庶民であります。何卒宜しくお願い致します。」

多少の緊張はあったものの、功は先ほど雄二によってかけられた【マインドコントロール】が(こう)を通してテンパることもなく、堂々と自己紹介するのであった。

これに対しエドワード国王は、

「おお~っ!やはり御身は勇者様のご尊父であられたか!!お会いできて感銘の極み。・・・・ご子息には数え切れぬ甚大な恩義がございましてな!心より感謝致します。」

と功に深々と頭を下げてきた。それに倣って他の王族や臣下達までも。

慌てて功は頭を上げてくれるよう頼むと、

「いやはや…倅が色々やらかしてしまい申し訳ないです。まあ^^でも雄二が皆様にとって少しでもお助けできていたのであれば、親としては誉れに感じます^^ありがとうございます。」

と言いつつ、逆に頭を下げた。

「ええ…続きまして、父親=功の右の位置に控えております妙齢の女性は俺の母親で名前を稲村京子と申します。」

「おお~っ!これはこれは^^やはり勇者様のご母堂であられるだけにご威光が麗しく素晴らしい!さすがかの英雄を育てられた事はありますなぁ♪ほんにありがたや!」

国王に「麗しい」などと煽てられた京子はテレながらも、

「ウチのバカ息子が色々とすみませんっ;;大切なお姫様にまで手をだしてしまって(アセアセ)…なんてお詫びを申し上げたらいいやらっ!!」

何度も頭を下げていた。

(イヤイヤイヤ^^;どっちかちゅとこっちが手を出された方やからっ!お母ちゃん)

雄二はそう思ったが、後が怖いので決して口に出せない。

代わりにと言う訳でも無いだろうが、雄二の心情をエドワード国王が代弁する。

「いえいえ、どちらかと言えば我が娘達の方がご子息にぞっこんでしてな^^それに勇者様の伴侶の席に並べられるという事は我らにとってもこの上ない名誉でありますゆえ。」

こうして両親の紹介を無難にこなせた雄二は純、彩華、大樹の紹介をすべく口を開く。

「では次に、俺の左隣 もう一つ隣の女性を紹介します。彼女は三枝純という名前で…彼女も俺の嫁です^^」

その言葉に純はまるで少女のように顔を真っ赤にしてもじもじ。

以前 訪れて新たな嫁を紹介した時は呆気にとられ、呆然としていた国王をはじめとする王家の皆さんも雄二の破天荒ぶりに対する免疫がついたのか?今回は特に驚く様子も無い。

恐らくメルやルネから純の事もひっくるめて色々と情報が知れ渡っているのもあるだろう。

紹介された純は大樹を抱っこしたまま立ち上がって深々とお辞儀しながら、

「三枝純と申します。見ての通り私は雄二さんより年上でこの子=大樹の母親です。実はこの子も雄二さんに命を救われまして…幾度か逢ってるうちに年甲斐も無く、私の方が雄二さんに惹かれてしまい、そこにいらっしゃるメルさん、ルーシェちゃん、ルネさん同様 お嫁さんにしてもらいました。ポッ(/////」

本人が言ってる様に雄二より明らかに年上な見た目なのだが、まるで少女のようにハニカミながら自己紹介するのだった。

そのギャップに密かに萌え萌えな雄二。

そんなママに抱っこされている大樹はキャッキャッとはしゃいでいる。

大樹と彩華が前世における雄二の子供の生まれ変わりである事(そういう設定)もメル、ルネから伝えられているからだろう、エドワード国王はじめ王族らも穏やかで優しい眼差しで二人の幼児を見つめている。

そんな視線に気づいた彩華は腰掛けていた椅子から降りてすくっと立ち上がり、

「おとーさんのむすめのあやかですっ!」

と元気に挨拶するとペコリと可愛くお辞儀をする。

その仕草に王族や臣下らはメロメロにされてしまう。いや…既に幾日か一緒に暮らし始めている功、京子、純までもがデレデレに蕩けていた。

尤も一番酷かったのが雄二だったのは言うまでもない。

嫁に対する時とはまた異なったデレぶりである。

その様子を見ていた現場にいる嫁(メル、ルーシェ、ルネ、純)は呆気に取られて、

((えっ!?こんな姿、見た事無いんですけどぉ;;))と揃って感じていた。

イタイ視線を感じた雄二は慌てて居ずまいを正すのだった。

少し間を取って、次は王国側のメンツの紹介が為された。

事前にある程度の話を雄二から伝えられているので、雄二側の家族も特にビックリするような事も無く、淡々とこなされていった。

ただ…紹介された三人の王妃が何れもあまりにも若く美しかったものだから功の鼻の下がビローンと伸びきってしまい、隣にいる京子により足の甲を強か踏まれていた。

痛みに耐えかねて悶絶して蹲ろうとする功だが、妻に支えられ?強制的に?姿勢を保った状態になっていた。

雄二も相手方に変に思われないよう軽~く【認識阻害】を施し、自身はあくまでも気付かないフリ。

「今宵は盛大に勇者様ご家族歓迎晩さん会を執り行うゆえ、それまでは用意した部屋でごゆるりと寛がれるよう願い奉る。」

また少し時間を経て、まだ若干オカシイ口調のエドワード国王が一人ずつ部屋を手配している事を告げてくる。

雄二は両親の顔を窺い、目配せし、両親も頷くと少し申し訳なさそうに、

「あーっせっかく手配して頂いておきながら、申し訳ないのですが…両親は同室でお願いします。それから純と子供らも俺の部屋で一緒に過ごさせて頂けますか?我が儘言ってすみません。」

と頭を下げた。

功も京子も根っからの庶民であり貧乏性がまだ抜けきっていない。それにも増して純を含めた三人は一人ずつ大きな部屋に放り込まれるのが不安で仕方ないのだ。

エドワード国王も英雄であり勇者であり、神の使徒である雄二の申し出を無碍にするはずも無く、快諾する。

またまた少し待たされた後、雄二と純、そして子供らは元々の雄二用にあてがわれていた部屋に。そして両親はその近くの部屋に案内されるのであった。

各部屋には侍女も数名手配された。

王城にある一般的な客室は一部屋だけでも日本の高級マンション3LDK並みの広さがあるのだが、雄二専用の部屋としてあてがわれている部屋は明らかにその数倍、下手をすればマンションワンフロアー分の広さがある。

「ここも広いねぇ~^^;」

純がソファーで一息入れながらそう呟く。

雄二は笑いながら、

「何言うとん?wトゥルリバパラピア帝国の宮殿にある純の部屋もココと同じか、それ以上に広かったやろ?それに俺の実家にある純の部屋も結構広いやろぉ?^^」

「確かにそーなんだけどねぇ(苦笑)」

純はこんな返しをしながらぐるぐる見回す。

彩華と大樹はそんな部屋の中を傍若無人にはしゃいで走り回っている。

「あっ!お嬢ちゃま、お坊ちゃま…そんなに走られては危ないですよっ!;;;」

慌てて子供らの後を追う若いメイド。

ペリーヌの淹れてくれた紅茶を飲みながらそれを優しい眼差しで見つめる純と雄二。

と言うかだ。いつの間にやらペリーヌさん…雄二専属メイドの地位を確保したご様子。

本能的にそのペリーヌに若干警戒感をつのらせる純さん。

女の直感がそう教えているのだ!実際、ペリーヌはこれまでに幾度となく雄二を篭絡しようと色々仕掛けてきているのだ。

自分に向けられている純の視線に気づいたペリーヌさん、悪びれる事も無くちょっと挑発的な笑みを浮かべていらっしゃる。

恐らくはペリーヌの方も〘純は嫁とは言ってもまだ日が浅く、未だ雄二とは結ばれてはいないはず〙という確信めいたものを感じ取っているのだろう。

いと恐ろしや。。。

二人の間にはバチバチ火花が散っているのが見えてるような…見えてないような。

こんなプチ修羅場の状況で晩餐会までの時間を過ごさなければならない雄二にとっては居心地が悪いったらありゃしない。

『権能』を行使すればどうにでもなるのだが、

(こないなしょーもない事に使うのはなぁ…;;)

と考えてしまい、結局は時間までどうにかやり過ごすしかなさそうである。



それよりも雄二が先程から気になっているのが彩華と大樹の相手をしてくれているメイドだ。

先程、二人の幼子に声を掛けたのも彼女である。

雄二は普段から余程の事が無い限りは見知らぬ人に対し【アナライズ】は使わないようにしている。

しかし、悪い予感は無かったにせよ何故か気になったので失礼だとは思いながらも、彼女を【アナライズ】してみた。


【個体名】パトリシア(パトリシア・ツー・ジーゼル)

【年 齢】16歳

【種 族】人間

【職 業】ヴィトゥルブ王国王城侍女見習い 非処女

【現在地】ヴィトゥルブ王国

【現 状】健康状態:良好(但し気分的にはである)

          実際は右目は失明、右耳は鼓膜が破れて極度の難聴

          体のあちらこちらに裂傷、切られ傷が数か所

     精神状態:勇者様の面前にてやや緊張気味

【体 格】身長:155㎝ 体重:50㎏

    B:84 W:60 H:86

【体 力】40

【筋 力】35

【腕 力】33

【瞬発力】25

【知 力】60

【攻撃力】50

【防御力】55

【魔 力】140

     属性 火、土

【幸運度】15

【称 号】特に無し

【備 考】元々はゲヴァール公爵一派に属していたジーゼル子爵の三女であった。

     パーティでゲヴァールに目を付けられる。

     ゲヴァールに娘の献上を要求された父親がゲヴァールに媚びを売る為、

     躊躇いなく引き渡された。

     絶望のうちに慰み者にされてしまい、生きる気力を失う。

     ゲヴァール、そして父親を心の底から憎むようになる。

     ゲヴァール失脚後、家は取り潰され、ゲヴァールと共に父親も処刑され

     る。

     パトリシア本人も平民に堕とされ、路頭に迷う。

     昔からの知人である男に騙され、数人がかりで嬲り殺されそうになった

     ところをマリアンナ第一王妃一行に救われる。

     事情を聞いたマリアンナ第一王妃の計らいで侍女見習いとして城に置い

     てもらえるようになる。

     嬲り殺されそうになった際、右目の視力、右耳の聴力を失う。

     他にも衣服で隠されているが、背中や太腿、わき腹に痛々しい傷跡が残

     されている。

     助けてもらった事もあるが、元々王家に忠誠を誓っており、心から敬っ

     ているし、父親が処刑され、家が取り潰しにあった事は当然の報いだと

     捉えている。

     ゲヴァールや父親を憎む気持ちはあれど、王家に対しては全く恨みは無

     く寧ろ申し訳なさと感謝の気持ちしかない。

    ────────

(・・・・・不憫やな・・・・・)

雄二は何ともやるせない気持ちになるのであった。

直接的には雄二と接点がある訳でも無く、無関係と言えば無関係なのだが。

それでもこの少女の人生に影響を少なからず及ぼしたのは確かな様だ。

そんな想いが頭を()ぎった瞬間、雄二は行動を起こしていた。

途端にパトリシアと雄二以外の人間全ての動きが止まる。

人間のみならず、『ズゾロ』世界全体の文字通り全てが停止したのである。

もちろん雄二が‟第六の権能”【スパシオ・テンポラル】により停止させたのだ。

パトリシアは周りの異変に直ぐに気付き、ビックリする。

「えっ?!!ええええぇぇ~~~!!!彩華お嬢ちゃまが宙に浮いたまま?あわわわわ~~」

驚きのあまり盛大にパニクるパトリシアを落ち着かせるため、【状態改変】を施し、

「落ち着いてくれ!パトリシアさん」

と柔和に声を掛ける雄二。

「ゆゆゆ…勇者様ぁっ!!((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル」

ところがパトリシアは何を勘違いしたのか?更に震え、恐れ慄くのであった。

自身の素性がバレて殺されるとでも思ったのだろう。

「そないビクビクせんでも…何もせんから安心してくれ(⌒∇⌒)」

雄二がそう言っても未だ震えながらパトリシアは跪いて、

「ぁぁぁ...わたくしは所詮は王国に仇を成した国賊の娘にございます。今まで王族の皆様のご厚意によりこうして生き長らえて参りました。然るに勇者様にはわたくしの正体を見破るなど容易き事…し、しかしながら決して勇者様に害をなす為にこの場にいるのではございません。それでもわたくしめがお目障りであるのならどうか如何様にも断罪くださいまし。。。ですから王族の皆様だけは…どうか。。。」

平伏したのだ。

雄二はもう一度【状態改変】そして極弱【ホーリー・ライト】をパトリシアに施す。

(エライ勘違いされてまっとるなぁ;;)

ため息を吐いた後、

「何もせんから…とにかく顔を上げてくれん?」

と言って半ば強引に立たせて顔も上げさせた。

どうしても恐縮しきってしまうのは仕方ないかもしれない。

自分の父親がしでかした行ないはそれ程の大罪なのだ。今ここで殺されても、それも宿命として受け入れてしまうだろう。

「結果的に俺がパトリシアさんを不幸にしてしまったかもしれない・・・・すまなかった。」

と頭を下げて謝罪する雄二に慌ててパトリシアは、

「ああっ!そ、そんな…わたくしめ如きの卑しい女などに頭を下げないで下さいまし!・・・・貴方様は陛下を、姫君を、このヴィトゥルブ王国をお救い下すった勇者様であられます。。。わたくしは感謝の気持ちはあれど、貴方様を恨む気持ちなど毛頭ございません;;;」

言いながらパトリシアは深々と頭を下げる。

(どこまでも清らかで純粋な心なんやなぁ・・・・こっちまで浄化されるようやわ^^)

そんな真摯な気持ちが雄二にもひしひしと伝わって来た。

「せめて貴女の身体を元通りの穢れの無い美しい姿に戻してあげたい・・・・ちょっと失敬する。」

と言うと雄二はパトリシアの方へにじり寄り、彼女へ手を翳す。

右耳がほとんど聞こえなかった為、雄二の言葉がはっきり伝わらなかった。

少し身構えるパトリシアであったが、((相手はかの勇者様であるのだ。今更自分に何ができよう))と思い直し、なすがままにされることにした。

やがてパトリシアは温かく柔らかな光に包まれる。

((ああ...なんて心地いい温もりに満ちた光なのでしょう。。。))

しばらく目を閉じてこの光に身を委ねていると、

「目を開けてみ?パトリシアさん」

「っ!!!!・・・・・えっ?・・・・・・」

今まで片耳しか聞こえていなかったはずなのに雄二の声がはっきりすっきり、しかも両方の耳から聞こえたのだ。驚きのあまり小さく叫んで、そこでまた自分の声が両耳にクリアーに響いてきてさらにビックリ。

更に更に目を開けて、

「っ!!!!・・・・み、見える・・・・・・・見えますぅ~…ぅぅぅ...うわぁぁぁ~ん!!!」

火鉢で焼かれ、視力を失った右目も完全に修復され、傷跡も消え失せている事を確認するや否やパトリシアはその場に蹲り、号泣しだした。

雄二もしゃがみこみ、彼女の肩に触れ、

「身体のあちこちに付けられた傷も全て無くなっとる思うから後で確認してくれっ!それと…お腹、子供をなす部屋も酷い事されとったから全て治してちゃんと子供も授かれるようにした。ついでに・・・・男を知らない穢れない生娘の身体に戻した。」

それを聞いた途端、驚いたようにアワアワと震えながら顔を上げて雄二の顔を見つめるパトリシア。

雄二も輝きを取り戻した綺麗な瞳を見つめると、

「あとは・・・・忌々しい記憶も全て消し去って、本当の意味で人生をやり直せるけど…どーする?」

問答無用でリセットさせるのは簡単だが、パトリシア自身の人生をこれ以上勝手にするのもどうか?と思った雄二は本人に確認する事にした。

するとパトリシアは少し悲しそうに微笑み、泪もそのままに首を横に振りながら、

「いいえ・・・・これはわたくしが一生背負うべき戒めですのでこのままでお願いいたします。」

と小声だがはっきりと口にした。

(やっぱそう言うやろなぁ…)

「でも・・・・どうしてこんなわたくしめにここまでして下さるのですか?そんなにまでされたら…わたくしは・・・・」

と、そこまで彼女が言いかけたところで雄二は彼女の口に指を添えて遮ると、

「これは貴女の為だけやない。フィリップ王太子の為やねん!」

「へっ?!!っ!!!!えええぇぇぇ~~!!!;;;;(/////////」

ここで突然フィリップ第一王子の名前が出され、あからさまに狼狽え、先ほど同様にテンパりだすパトリシアさん。お顔が真っ赤かである。

(わっかりやすっ!w)

実はここのヴィトゥルブ王国第一王子フィリップ殿下とパトリシアは面識がある。というかお互い初恋の相手だったりする。しかしお互いの気持ちを伝えられないまま…つまり両片思いのまま月日が流れてしまっていたのだ。二人揃って純情で奥手だったらしい。

そしてパトリシアはフィリップ殿下への想いを心の奥に仕舞い込んだまま、ゲヴァールの毒牙にかかり、更に平民に堕とされてからも幾人もの輩に慰み者にされたのだった。

どん底に堕とされ、汚され、穢された自分など誰にも想いを寄せる資格など無い…と、全てを諦めていた。

フィリップ殿下の方もパトリシアへの想いをずっと仕舞い込んだまま、ここまで過ごしてきた。

数年前から多くの縁談の話が来ていたのだが、全て乗り気が無く断り続けていたのだ。それほど殿下の心の中はパトリシアで占められていたのだ。

無論、反逆者の娘である事もその後のパトリシアの受けてきた理不尽な仕打ちも周囲の者から知らされている。

更にはマリアンナ第一王妃により救われ、城内で働き始めた事も把握はしていた。

だがしかし、彼女はあくまでも国賊の娘であり、強引ではあるが、汚れきった女なのだ。

世間体もあり、なかなか一歩を踏み出せない。

更には自分の事など既に忘れてしまっているだろうと勝手に決めつけてしまっているのだ。

それでも未だ婚約者はおろか特定の女性を持つ気にはなれないでいるのだ。

雄二は【アナライズ】でパトリシアとフィリップ殿下の心の奥に秘めた想いをも見出してしまった。

だからついでにおせっかいを焼く事にしたのだ。善は急げである。

(恐らく二人の想いをわかとったからマリアンナ第一王妃はパトリシアさんを救い、王城に置くように取り計らったんやろーなぁ^^)

雄二はとりあえずパトリシアを落ち着かせ、止めていた時間を再び動かし始めた。

雄二とパトリシア以外は多少違和感を感じたものの、やり過ごして行った。

パトリシアも雄二の顔を一瞬見た後、彩華と大樹の処まで慌てて走っていき、そのまま仕事に戻った。

雄二は、

「ちょいヤボ用w」と純に一言告げて、部屋の外へ。

更に【テレパシー】でメルに連絡を取り、マリアンナ第一王妃とフィリップ第一王子と取り急ぎ話が出来るよう段取りをしてもらう事にした。

もちろんメルには王子とパトリシアのいきさつをかいつまんで話した。
























本人はまったくまともなのですが、悪役の娘なんで悪役令嬢♪・・・・なんちてww

あれれぇ~?

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