本編 第006話 高校入学前の春休みあれこれ その六 ~ここでまさかの??~
お世話様です。じいじです。
物価高ですね。。。色々負の連鎖ばかりでいやになりますよねぇ?
転移して元の場所にもどってみれば、純はまあくんを抱いたまま固まっていた。。。眼鏡の奥の瞳は開けられたまま。
雄二が純の眼前で掌をかざして振ってみるが反応なし。
仕方ないので【状態改変】で正気に戻す。
「っ!!・・・い、今消え…えっ?」
「一旦落ち着きましょう!ハイッ、深呼吸!」
言われるがまま、純は呼吸を整えてひとまず落ち着くよう努める。
抱っこされているまあくんは、
「うーたんきたぁ!きゃはははっ♪」相変わらずご機嫌なようだ。
どうにか落ち着きを取り戻した純に雄二は苦笑いを浮かべながら、
「大丈夫ですか?先生 でもこんなもんはまだ序の口なくらい、色々話さないといけないんですが。」
「あ…はい、大丈夫です。」
「とりあえず、ここから移動しましょうか。」
と言いつつ、純の肩にそっと触れて【異空間部屋】へ移動する。
突然、目の前の景色が変わった事で純は再び固まりかけるが辛うじて意識を保ち、
「こ、ここは?;;;」と雄二に尋ねる。
「ここは【異空間部屋】と言って、外部から全て遮断して独立した空間として僕が創ったものです。ここなら誰にも邪魔されずにじっくり話が出来ると思います。」
と答えながら雄二は何もない室内に色々創っていく。
まあくんはびっくりするどころかキャッキャッと両手を上げて喜んでいる。
みるみるうちにソファー、ローテーブル、ティーセットが創られて行く。
しかも改めて見回すとかなり広い空間である事に気づかされる。
純はその光景や空間を目の当たりにして呆気に取られていたが、そもそもの話…遡る事およそ9か月前、つまり昨年の6月末にまあくんの手足の再生、障がいの修復、病の完治を目撃しているはずなのである。
もはや自重を忘れた雄二は、まあくん用に玩具やらぬいぐるみなどもたくさん創造してしまう。
更に両手持ちのマグカップにニップルが付いたものを創る。中身は栄養満点雄二特製加護ミルク。
純により床に降ろされたまあくんはさっそく玩具に飛びついた。
「うぅたぁまん♪まぁま、うぅたぁまん♪」
某円○プロ制作の空想特撮シリーズに出てくるヒーローの塩ビ人形をママに見せるように持ち上げてご機嫌なまあくん。
純は雄二に促されるがままソファーに腰を下ろす。
「紅茶がいいですか?それともコーヒー?」
「あ・・・紅茶で。。。」
雄二は【異空間収納】からダージリンティーの茶葉とティーポット、はちみつを取り出す。
瞬く間に空っぽだったティーポットに水が満たされ、雄二が茶葉を投入しふたを閉めるとアラ不思議!あっという間に沸騰しだす。
ティーカップにはいつの間にかレモンの輪切り。
それらをボーッと見つめている純。
「こんな化け物なんですよ?僕は。・・・僕と一緒になるって事はこういう事が日常茶飯事なんですよ?先生。」
雄二は純にまずは小手しらべとでも言うようにわざわざ見せているのだ。
「ウフッ…今更ですよ?貴方様が普通の人間じゃない事など百も承知です。・・・それと、先生呼びはもうやめてもらえませんか?“純”と呼んでください♪」
「えっ?・・・あ、はいっ!わかりました純さん「純っ!」・・・純。。。」
(うっ!文乃やカーミラの時のパターンやんかっ!年下に呼び捨てで呼ばせるってww)
「それと…私も貴方様の嫁の一人になる訳ですから丁寧な言葉遣いは無用ですよ?」
「うぐっ!わかりま…わかった。ほんならいつものような口調にさせてもらうわ。こんでええかぁ?」
「はいっ♪嬉しいです♡♡♡♡」
「なら純も“貴方様”禁止!それと・・・謙った言葉遣いも禁止!普通に喋ってくれっ!」
「へっ?・・・あっ!じゃ、じゃあ何て呼べば?」
「様付け以外ならなんでもええで?」
「えっとぉ・・・じゃあ、雄さんで♪」
「うん?ま、えっかww」
そう返すと雄二はまあくんと遊ぶため、席を立った。
まあくんは大喜びではしゃぎまわっている。
積み木をしたり、一緒に走り回ったり。
高い高ーいをしてやると何回も要求して来る。
子供は気に入った事は飽きるまで何回もしたがるものだ。
おうまさんをしてやったり、柔らかいボールで遊んでやったり。
その場で雄二は室内用のブランコやすべり台、幼児用乗り物まで創ってしまう。
雄二にしてみれば、タイムリープ前の世界で子供がまだ小さい頃、よくこうして遊んでやったものなので、それを思い出し、ごく当たり前に接しているだけなのだが、純から見れば、いくら懐いているとはいえ他人の子供である学にこれ程の愛情を注いで接してくれている事にありがたいやら申し訳ないやらの気持ちで一杯になるのだった。
やがて遊び疲れたのか、まあくんはぬいぐるみを抱いたたままコックリコックリしだした。
雄二はまあくんを抱き上げると背中をポンポンしながらそのままゆっくりゆりかごの様に左右に身体を揺らす。
完全に眠りに入ったのを確認すると、雄二は即座にベビーベッドを創ると、まあくんをそこにそっと寝かしつける。
すると一瞬だけまあくんの身体が光ったような感覚、妙な違和感を感じてしまった。
直ちに雄二はまあくんを【アナライズ】してみるが、特に身体的異常は見られない。
(うん?・・・気のせい?…やないと思うけど、特に何もおかしいとこはないなぁ。。。なんやったのかなぁ?さっきの。)
違和感はあったものの、悪い感じはなかった。むしろ感覚的には雄二にとってどこか懐かしい既視感みたいな?かけがえのない何か?のような感覚だった。
この時、雄二は外観的な所見しか着目しなかったのだ。普段の様に内面的な部分までちゃんと【アナライズ】などの『権能』を行使していれば、そこで眠っている幼子の内面で起きている変化に容易く気付く事が出来たはずだ。
一方、純は雄二でも気付かない事が分かるはずもなく。。。ただ別の事が以前から気になっていたのだが、先ほどの雄二が自分の息子と戯れている姿を見て尚更気になって仕方なくなって、
「あのぉ・・・前から気になっていたんだけど?」
「ん?何?」
「初対面の時も、お宅にお邪魔した時も気になっていたんだけど、、、雄さん…子供のあやし方とか接し方、慣れ過ぎてない?まるで子育てを何年も経験して来てるような。。。私以上に学の事を理解しているって感じなんだけど?」
「あ・・・」
(やべっ!!久々に小さい子を相手にしとったから、ついつい昔の感覚でやり過ぎてもーたΣ( ̄ロ ̄lll))
「雄さんって確かまだ15歳よね?」
「はっはっはっはっはっ!・・・こないなとこも化け物なんやわっ!」
苦し紛れに出まかせを宣う雄二。
純は目を細めて雄二を射貫く。眼鏡がキラーンっ!
「っ!!・・・(;・∀・)。。。ま、まぁアレだ!俺と所帯を持つっちゅーわけやし、時期が来たら全て話すわ…それまでちぃと待っとってくれると助かる。」
「ふぅ…惚れちゃった方の負けかぁ。。。仕方ないわねぇ...きっとよ?約束だからね?」
「ああ、約束は守る。」
そして雄二は純の座っている場所に面と向かう形で腰を下ろすと、新たに淹れ直した紅茶をひと口含むと、
「じゃあ、少しずつ俺や周りの事を話すわ。今から話す事は現実離れしている事がかなり多いけど全部真実やし、他の嫁らには既に話してる事やからそのつもりで聞いて欲しい。」
純の眼を見て真剣な面持ちで告げる。対して純も、
「もう色々とこの目で見ちゃってるし、今更何を言われても平気よ?w」
微笑みを浮かべながら穏やかに受け答えする。
少し離れた場所でスヤスヤ可愛い寝息をたてながら眠っているまあくんを一瞥した後、雄二は視線を純に戻して口を開くのだった。
「そやなぁ…どっから話せばええかなぁ?」
少し思案するフリをしてソファーに深く腰を落とすと、ひじ掛けに両肘をついて両手を組んで自分の口を隠すような、久々のゲン○ウポーズを披露する雄二。
「そうやなぁ・・・やっぱなんで俺がこないな力を持ったか?からやな。」
いかにも深刻そうな顔をして話し始めるのであった。
話の内容は今まで嫁達(真実を知っている詩織、アリー、ヘスティア以外の)に語った内容とほぼ同じく、
・突然意識不明になり、神様と遭遇して頼まれ事(宇宙の危機を救ってほしい)をされた事。
・その頼まれ事を完了させた見返りとして神の力『権能』を授かり、それが神々を軽く凌駕するに至ってしまった事。
・その『権能』を駆使して女の子達の直面した問題を尽く解決してしまい、その彼女達に好意を寄せられ、これまた尽く嫁になった事。
・その嫁の中には地球以外に存在する異世界のお姫様や人間ではない者、女神様なども含まれている事。
・そしてその異世界を含め、地球…もっと言えば『天の川銀河』以外の宇宙に行ける事。
・更にはこの地球を参考にして雄二自身が創った惑星(世界)が存在し、将来的には嫁ら全員でそこに移住する事が決まっている事。
・雄二と結ばれるという事はその女性も人間ではなく、女神になるという事。
・今のところ嫁は詩織、圭子、メル、良江、アリー、ルネ、ルーシェ、デュオン、ガブリエル、カーミラ、マリア、文乃、ヘスティア・・・異母兄妹ではあるが本人が嫁になりたがっているのでいちおう秀美も嫁枠である事。
・このうち、既に結ばれているのは詩織、圭子、メル、良江、アリー、ルネの6名である事。
・嫁らはお互いを尊重し合っていてとても仲が良い事。
・純は15人目の嫁になるわけだが、今後も嫁が増殖していく事は必然らしく、嫁達もそれを認識しているらしい事。
・雄二の中では基本的には嫁の序列は存在せず、全員を平等に等しく愛するよう努めている事。
以上の項目をかいつまんで、たまに端折って純に伝えたのだった。
話を聞かされた純は時々目を丸くするものの、雄二のしてきた行動については概ね想定内として受け入れているようだった。
それでも、
「確か・・・メルさん、ルネさん、アリーさんは以前お宅にお邪魔した時に紹介されてたから。。。でもまさか既に14人もいるなんて・・・(;・∀・)」
「しかもメルさん、ルネさん・・・異世界の?えっ?じゃあ宇宙人?」
「それ以前に日本人名が少なくない??;;」
「秀美ちゃんは、まぁ確かにお兄ちゃん大好きっこみたいだったし・・・でもまさか本気でお嫁さんに?」
「アリーさんて・・・ギリシャ神話に出てくる女神のアルテミス様…ってこと?おまけにヘスティアさん??あれって人間が造った作り話だったんじゃあ?・・・」
「増殖してくる嫁の中には恐らく妹も入ってるんでしょぉけど。」
「私・・・15人目。。。。はぁ~(呆気」
などとぶつぶつ独り言を口にし始めていた。眼鏡の奥の眼が若干虚ろになっていた。
雄二はそんな純をしばらくは黙ったまま見つめていた。
純にとって雄二が宇宙を救っていようが、神様を超えていようが、自分で星を創っていようが、それはそれで凄い事なのだが、自分の息子を救ってくれてる過程を実際見てきている訳なので許容範囲?というか取り立てて騒ぐ事でもなく、「ああ、やっぱりそれぐらい凄いひとなんだなぁ。」と思う程度だったのだが。
殊、女性関係になると話は別なのだ。
複数の嫁が存在する事は以前も聞かされていたので認識はしていたし、それなりの理解も覚悟もできていた。
できていたのだが、、、まさか既に二桁になっていようとはっ!しかも、である…異世界からの嫁ぇ~?女神様も嫁ぇ~?
明らかに想像の範疇を遥かに超えていたのである。
しかもこの1970年代当時は21世紀のファンタジー小説などの世界観など一般的にはあまり認知されておらず、地球人以外=宇宙人という頭しか無く、女神様とか含めて想像の産物であって実在する訳がないという固定観念が強かったのだ。純自身も例に漏れず、そんな一般的な思考だった訳である。
加えて自分は15人目。更に今後もどんどん増えるだとぉ??
純の頭の中は一気にカオスな飽和状態に陥り、様々な思考や感情が入り乱れていた。
そんな百面相の如く表情がコロコロ変わる純を敢えて雄二は何も言わず、黙ったまま静かに眺めている。
純が自身で判断し、熟慮し、自己完結させ、純自身がどうすべきか?の最善解を導き出すのを待つ事にしたのだ。
(この時代の普通の考えならとてもとても受け入れ難い話やろうし。。。)
まだしばらくは時間を要するようなので雄二はふと、スヤスヤ眠っている可愛い天使に視線を移した。
すると、またまあくんの身体が微かに光を帯びたように感じた瞬間、
〔人格変換コンプリート確認しました。〕
あまりにも唐突で衝撃的なメッセージが【アカシック・レコード】から告げられた。
「っ!!!!!ええ~~!!!・・・っ!!!!」
驚きのあまり思わず大きな声を上げかけ、慌てて手で口を塞ぐ雄二。
幸い目の前の純は相変わらず未だ自分の世界にて絶賛熟考中のようで雄二の声には無反応あった。
(ど、ど、どーゆうことぉ???)
最近では珍しいくらいに狼狽しながら【アカシック・レコード】に回答を求める。
〔百聞は一見に如かず…です。まずは対象を【アナライズ】してみてください。〕
言われるがまま、雄二は眠っているまあくんを今度はキッチリ【アナライズ】で走査する。
【個体名】三枝大樹(稲村大樹)
【年 齢】2歳
【種 族】人間
【職 業】なし
【現在地】日本
【現 状】今しがた魂及び人格がこの器たる肢体とのマッチングが完了した状態
【体 格】身長:83㎝ 体重:11㎏
【体 力】17
【筋 力】14
【腕 力】12
【瞬発力】15
【知 力】66
【攻撃力】12
【防御力】10
【幸運度】80
【称 号】なし
【備 考】父親である稲村雄二が失踪して行方不明になって途方に暮れ、失意し
ていたが、ある日突然“宇宙の意思”に話しかけられ、「父親が神な
る存在にある依頼を受け、過去の時代に飛ばされた」と聞かされる。
同時にその父親が向こうで目覚めると同時に今自分達が存在する現世
界は消滅する。父親の存在する時代に行くか、もしくはこのまま世界
と共に消えるのを待つか?の究極の選択を迫られ、迷うことなく父親
の居る過去の時代への転生を選択する。
この場合、父親同様過去の記憶は保持したまま。但し、あくまでも唯
の転生なので特別なスキルなどは付与されていない。
尚、姉である彩華も同様の選択をし、既に父親の居るこの時代に存在
している。
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(・・・・・・・だ い き !・・・・・大樹っ!!!・・・・・・・・・)
正に雄二にとって〘青天の霹靂〙である。
雄二がこの時代にタイムリープし、神々をも凌駕する『権能』を授かり、全宇宙を救う羽目になる事を知らされて以来、最大級の衝撃である。
タイムリープしてきた時点で「もう逢う事は叶わないだろう」と諦めていた我が子とのまさかの再会であるのだ。
改めて眠っている幼子を見つめると、自然に眼から雫がとめどなく溢れてきた。
今すぐにでも傍に行って抱きしめたいところなのだが、その衝動を何とか抑え込み、少しばかり冷静になって考えて疑問を【アカシック・レコード】に投げかける。
(ん?・・・今しがたマッチング??・・・って事はさっきまではまあくんだったんだよなぁ?・・・ま、まあくは?まあくんはどうなったん?;;;)
〔ご安心ください、マスター。学様は近い将来改めて健全にご生誕されます。マスターと奥方様のどなたかとの間に♪〕
(へ?・・・あ、ああ・・・そうなんや。。。)
〔どなたとの御子になられるかは後のお楽しみです~♪〕
(・・・だと思ったわ(呆))
(ちゅうか、、彩華も来とるんかいなっ!!彩華は今どこに?いつ逢えるん?)
〔それも…お楽しみです~~♪☆彡〕
(・・・・・・)
最近、【アカシック・レコード】が妙にSっ気な件。
(・・・・・・しゃーないか(諦)。でも…そもそもなんで俺に言わんかったん?)
〔強いて言うならば、我々『コア』からのサプライズ?高校ご入学祝いのプレゼントとでも申しましょうか♪〕
(・・・・でも、なんでわからんかったんかなぁ?俺。)
〔“宇宙の意思”により完全秘匿された状態で進行しておりましたし、マスターがその気で『権能』を行使されていれば容易く全てが判明してしまっていたでしょう。。。しかし、幸いな事にマスターはさほど深くは追及されてませんでしたし、御子様方の件を既に諦められていたのが特に大きかったかと。〕
(・・・・・・・・ハァ~~・・・・)
深いため息を漏らすものの、諦めていた我が子らと再び時間を共にできる喜びの方が遥かに大きい雄二は泪で濡れた顔を手で拭い、その喜びをかみしめるのだった}
{最後に敢えて言わせて頂こう。。。ご都合主義マンセーッ!!}
予定通り次回から高校生活本格始動です。
それにしても…自分で書いていてなんですが、ここで来るか?って感じですねw
まあ、伏線らしきものはそれとなくありましたけどね(^^♪




