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俺ってばぁ、何か知らんけど神超えちゃったみたいなんだけど?えっ?好き勝手しちゃっていいのぉ?  作者: 未だ厨二病な翁(じいじ)
第一章 過去への帰還 ~中学時代~
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本編 第九話 DESTINY? めぐりあう魂

お世話になります。


ついにメインヒロインとの初遭遇になります。

いきなりな形での遭遇ですけどね。

ふと聞こえてきた微かな震える呻き声。

それは誰にも聞こえるはずのない弱弱しく、今にも消えてしまいそうな程の声。

雄二だから聞こえた声だった。

すかさず、声の聞こえた方向を探し当て、猛然と走り出す。

(間に合えっ!)妙に切迫した焦燥感に駆られながら。

この時、周囲に多くの人が居たわけだが、緊急時のため、【認識阻害】が無意識に発動していた。

それ故、周囲に気付かれることなく迅速に行動できるのだ。(ご都合主義万歳!)

が、しかし、少しでも冷静さが保たれていれば【テレポーテーション】で容易に移動できたはずだ。

それ程までに気が動転していたのもあるが、この頃の雄二はまだ『権能』の全てを把握できておらず、上手く使いこなせてはいなかったのである。


そこは繁華街から少し離れたところにある市が運営する自然公園。

公園内には標高300m位の山があり、車で山頂付近まで行ける山道があるのだが。

今はたまに車が通るほどでそんなには混んでない。

その中腹辺りの山道から10mほど山林に入った場所でぐったり横たわっている人影。

「くそぉ!間に合わんかったか!!」

既に事切れて、動かなくなっている一人の少女。

雄二はその姿を見るなり、今までにない物凄い何かに囚われた。

(助けなきゃっ!失っちゃいけないっ!俺のかけがえのない大切な…!傍にいなきゃ!)

そんな感情が何故かぐるぐる頭を駆け巡って、尚更焦燥感を募らせる。

(大丈夫だっ!まだ間に合う!俺ならなんとかできるっ!)

少し気持ちを落ち着かせ、冷静に行動するように努める。

「まずは状況把握やな!」

『第五の権能』の中の【アナライズ】と【サイコメトリー】を行使する。


【個体名】佐倉詩織

【年 齢】15歳

【種 族】人間

【職 業】学生(中学3年生)、処女

【現在地】日本

【現 状】死亡してから3分経過した状態

【体 格】身長:155㎝ 体重:46㎏

     B:87 W:58 H:85

【体 力】0

【筋 力】0

【腕 力】0

【瞬発力】0

【知 力】0

【攻撃力】0

【防御力】0

【幸運度】0

【称 号】なし

【備 考】自転車で一人、山頂にある史跡探索後、帰り道のこの辺りで前方から

     来た乗用車に撥ねられ、加害者によりこの場所まで運ばれ、そのまま

     遺棄される。

【サイコメトリー】の結果、灰色のセダンとぶつかる瞬間が映像として入ってきた。ナンバープレートも判明している。加害者は若い男だった。

「くそったれがぁっ!!ひき逃げかよっ!!」と思わず怒りがこみ上げてくるが最優先はこの少女だ。

【アカシック・レコード】に問い合わせをしてどうにかできないかを模索する。一刻の猶予もない。

〔魂は既にこの世から離脱し、冥界(アストラル界)に存在しています。この遺体と一緒に冥界に渡り、そこの管理者と交渉して『魂の選別』及び『浄化・輪廻転生』される前に魂と器である肉体を再融合させれば蘇生できる可能性はあります。条件として器となる肉体が完全体である事。更には再融合後、意識を取り戻した際、マスターの神力を用いる訳ですから、それはつまり対象者と『魂の繋がり』が必然的に結ばれる事になります。この『魂の繋がり』は非常に強力な"絆"となりますのでマスターの存在を認識させ、運命を共にする事が前提となります。〕

(それって…つまりこの子を一生傍に置けと?)

〔端的に言えばそうなります。〕

(・・・・・・・)

(い・いや…まずはやれる事やらんとっ!)そう思い直し、とりあえず、傷みの激しい遺体に権能を行使する。

【アカシック・レコード】からこの子の情報を取り込み、それを参照して『第三の権能』の中の【リペアー】と『第五の権能』のうちの【状態改変】の合わせ技で完全に綺麗な肉体を再構築していく。

(うわぁ~~!!むっちゃ綺麗やんっ!どーしよー!むっちゃ綺麗やんっ!)あまりにも美しい容姿にやや興奮気味の雄二。

(こんな綺麗な子を・・・)再び憤りを感じながら遺体をいったん【異空間収納】に収めて、『第七の権能』【ワープ】で冥界へと転移する。

予め【アカシック・レコード】で目的地である『冥界』の位置を掌握していた為、すんなり転移できた。

初めて訪れた冥界。以前行ったことがある『神界』と似てはいるが、神界とは異なり、少し暗い紫色っぽい空間だった。



いきなり現れた雄二に周りにいた異形の者達は驚き、一瞬固まる。

その中のひときわ大きな、さながら仁王のごとき者(【アナライズ】すると『ダイモーン』という名前らしい)が素早く復帰して威嚇するように誰何してくる。

「貴様は何者だ?ここはアストラル界だ!」

それに対し、雄二は「俺?雄二。『ハーデス』いるぅ?」とのんきに答える。

冥界の王たる君主を呼び捨てで言い放った雄二に対し、ダイモーンはじめその場にいた者たちが一気に敵意を募らせる。

「貴様のような羽虫ごときがハーデス様に何たる無礼!!許すまじっ!!」そう叫ぶとダイモーンらが手に剣や槍を持ち、雄二に襲い掛かってくる。

「遊んでる暇ないんやてっ!!急ぎだっつうのっ!」とめんどくさそうに雄二は攻撃を躱す。

躱された事に驚いていたが、手綱を緩めることなく、何度も襲ってくる。それを全て躱し切る雄二。

それでも容赦なく執拗に攻めてくるダイモーン達に埒が明かないと感じた雄二は仕方なく、

(無闇に消滅させたりすると後々厄介やからなぁ。。しゃーない、動きだけを止めるか)

そう思いながら『第六の権能』の中の【重力操作】を使い、ダイモーン達全員を地面に張りつけ、身動きできないようにする。

「ぐへらっ!!!んぎぃぃ~~」と、呻きながらその場で這いつくばるダイモーン達・

するとそこに、神々しい威光と共にダルマティカに似た衣装に身を包んだ老人が現れた。

『ゼウス』に似た風貌のその老人は雄二の顔を見るなり、慌ててその場で跪きひれ伏した。

「こ、こ、これは…これは主様・・・お、お初にお目にかかります。」仰々しく挨拶する老人を見て、

「『ハーデス』か?」と問う雄二。

その光景を地面に這いつくばりながらも驚いた表情で窺っているダイモーン達。

「ははーっ!仰せの通り、我が名は『ハーデス』。ここを統べる者にございます。此度は消え去ったはずの我が身を再び甦らせて頂き誠に有難うございます。」と一層首を垂れる『ハーデス』。

「あのさー…部下はちゃんと教育しとけよなぁ。。人の話もろくに聞かずに攻撃してきやがってっ!!」

威圧を込めて『ハーデス』を諫める。その途端、冷や汗タラタラにしながら陳謝する『ハーデス』に用件をかいつまんで話し始めた。

「多分まだここにあると思うんやけど、ちょっと前に死んだ『佐倉詩織』って名前の日本人の魂を渡して欲しいんだよねぇ」

通常は理から逸脱する行為であり、神に背く大重罪である。しかしその理由を聞き、雄二が()()()()()全てを請け負うと提案してきたので『ハーデス』は了承するのであった。

まあ、それ以前にその神々を軽く凌駕している時点で、神に背くもクソもないわけだが。。

そして『ハーデス』に指定させた部下のひとりを張り付けから解放し、担当の者に連絡を取ってもらい、該当する魂をここまで送ってもらうよう頼んだ。

待ってる間、『ハーデス』は再度、雄二に向かい跪き首を垂れると、この冥界も含んだ【天の川銀河】を。更には全宇宙を救い、自身も復活させてもらった事に対し、深く感謝の言葉を告げる。そして改めて自分の部下達が行った愚行に対し、謝罪するとともに許しを請う。

それに対し雄二は「次は無いからっ!」とそこにいる全員に向けて威圧をかける。

それを受け、『ハーデス』はダイモーン達を厳しく叱責するのであった。

漸く張り付けの呪縛から解放されたダイモーン達はガクガク震えながら、土下座して雄二に対し、謝罪した。

やがて、『佐倉詩織の魂』が透明な立方体に入れられた形で届けられた。ギリギリ選別される直前で間に合ったようだ。

()()を受け取った雄二は残りの作業をこなす為、ハーデスに頼んで部屋を借りた。

その部屋は荘厳な空気に包まれており、非常に神聖でかつ気高い、神しか入れない部屋。

雄二はすんなり入れたみたいだ。つまりはそういう事らしい。

まず雄二は誰にも邪魔されないよう、強力な【結界】を張った。

そして徐に【異空間収納】から詩織の肉体を取り出し、そこに設置してある石壇の上に横たえた。

ちなみに全裸である。

(ほんま顔も身体もむっちゃ綺麗やなぁ!)という雑念を振り払い、次に“魂”の入った立方体を両手に持ち、肉体の真上に来るよう、手を伸ばし『第五の権能』の中の【テレパシー】、【状態改変】及び【アポート】更には第七の権能の中の【コーリング】を同時に行使する。じっくり丁寧に、慎重に。

1分、2分、3分・・・・5分過ぎたところで肉体の方が仄かに赤く輝き始める。

そこから更に5分、今度は魂が強い白い光を放ち始めた。プルプルと振動しながら。

一段と強く光り輝き、一瞬、視界が真っ白になった後、立方体の中にあったはずの詩織の魂が消えていた。

同時に今度は肉体の方が光を強めながら点滅を繰り返し始めた。数十秒その状態が続いた後、ひと際、輝いた後、それは収まった。

そして、ついに・・・

「ん・・・・ぅぅぅ・・ん・・・」微かに吐息を漏らし始め。。。

「んん・・・ん?」段々意識がはっきりしだし。。。

瞼が開き、少しずつ視界が鮮明になっていき、雄二と視線が交差して

「ぁ。。。。」と掠れた声を出す。

雄二が労わる様に努めて優しい声音で「気分はどぉ?」と尋ねる。

意識が完全に戻った詩織は頭を少し動かし、周囲を見回し、体を起こそうとするが、まだ力が上手く入らない様で僅かに震えたので、雄二が背中に手をまわし、起き上がるのをサポートしてやる。

雄二に支えられながらどうにか起き上がった詩織は自分の身体の状態に気づき、

「あれぇ?・・・わたし、確か車とぶつかって・・・えっ?・・・あれぇ??・・・」

かなり混乱し始めたので雄二はとりあえず、落ち着かせる。

「まずは落ち着こうか。。はいっ、深呼吸!」

一通り落ち着いてきたところで雄二は問いかける

「んで、どこまで覚えてるん?」

「ん・・・と、自転車でうちに帰ろうとして、山道を下ってるときに車が突然ぶつかってきて・・・それで・・・」ここで一度言葉を切って、一泊置いて詩織は

「あっ!と思ったら身体中が物凄く痛くて、目の前が真っ赤で・・・段々・・真っ暗になっていって・・・」

ぶるぶる震えながらなんとか言葉を紡いだ。

そんな詩織を優しく包み込むように抱きしめて雄二は「もう大丈夫や!なんも心配せんでええ!」と囁く。

「でも、今はどこも痛くないし…怪我もしてないし身体も綺麗になってる…気分もなんかとてもすっきりしてるし…あれっ?」

ふと、周囲の雰囲気にも気が付いて、絶望に打ちひしがれ、涙をためながらポツリと

「わたし・・・死んじゃったんだ・・・ぅぅぅ。。」

黙って聞いていた雄二は、堪らず詩織をきつく抱きしめながらゆっくり語り掛けるように

「確かにあんたは一度あそこで死んだ・・・」

それを聞いた詩織はガクガク震えながら嗚咽を漏らす。

「でも俺が力を使って生き返らせた」その雄二の思いがけない言葉に震えが止まり、嗚咽も収まるが、同時に唖然とする。

「信じられんかもしれんけど、俺にはそんな力がたまたまあった。ほんであんたは運よく生き返る事ができたっちゅう訳や!」詩織の顔を見つめながら雄二が笑いながら話す。

すると詩織が尋ねる。

「・・・・・・・ゆ・・・あなたは神様?」

それに対して雄二は「いや、人間やけど。神様より強いで?」とお道化るように答え、続けて

「これも信じられんかもやけど」と前置きして、今まで雄二自身がこれまで経験してきた突拍子もない、正にファンタスティックな内容を全て正直に話した。

それまで歩んできたクソッたれな人生。神に半分強引な形で過去に戻された事。その神々から力を授けられ、結果的に宇宙全体を滅亡の危機から救った事。そしてその神の力がそのまま持続していて、今日、偶然、事故に遭った詩織を見つけ、救った事。・・・もっとも看護婦さん相手に大人の階段を上った事は伏せておいたが。。

そんな雄二の話を茶化すでもなく、真剣な面持ちで、じっと聞いていた詩織は綺麗に微笑みながら、

「ありがとう。本当にありがとう。私が今、存在出来ているのはゆうく・・・あなたのおかげなんだね。・・・えっとぉ・・・・・・名前まだ聞いてなかったね♪」と、雄二を見つめながらそう言った。

「雄二や。稲村雄二。〇〇中学の2年生です。よろしゅうにっ!詩織先輩」

にやっとしながら自己紹介する雄二に対し、

「っ!!!!!!・・・やっぱりゆうく・・・あれぇ?私の名前…あっ!そっかぁ、力を使えばわかっちゃうかぁ…ズルくなぁい?それっ!…ってゆぅか後輩くんだったよねぇ♪・・・そーいえば。」

先程から何かを言いかけてはやめてる、含みのあるような言い回しをする詩織なのだが、雄二は気づいてないし、詩織の思考を読み取る事すらする余裕もなかったみたいだ。

目を細めながら少し拗ねた眼差しでそう言い放つと更に爆弾を投下する。

「そういえば、私だけ裸だよね?なんでぇ?ねぇ…ねぇ?」

そう言われ、今頃になってようやくその事実に気が付いた雄二は慌てて回収しておいた詩織の衣類を綺麗な状態に修復してから渡す。

しかしどう取り繕ってももう手遅れである。どう言い訳するか考えている雄二をよそに衣類を身に着けながら色々思考を巡らせる詩織。

やや思案したのち、全てを悟ったような、全て納得したような素振りを見せ、畳みかけるように笑顔で次の爆弾を投下する詩織である。

「私の何もかも全て知られちゃったんだからぁ~♪ちゃんと責任、とってくれるんでしょぉ?()()()♡♡♡…やっと見つけたぁ♪」

そこまで言われて、もはや逃げ道は無い。どのみち『魂の繋がり』という強力な"絆"で結ばれているのだから覚悟は既にできている。それにこんな綺麗な子ならこちらからお願いしたいぐらいである。

というわけで雄二は「先輩みたいなすごく綺麗で可愛い人なら願ってもないわな♪」と答えるとすぐさま、

「し・お・り・・・名前で呼んでね♡」と催促してくる。

仕方なく「し、詩織・・・」とボソッと言うと満足そうに微笑む詩織であった。

その後、時間を忘れて様々な事を語り合う二人だったのだが、、、

(あっ!大事な事。。言わんとなっ!!。。。)と思い出す雄二なのだった




書いているうちにどんどん長くなってしまいましたので一旦ここで切ります。


すみませんm(__)m

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