閑話 パラレルワールド② 怪獣総攻撃?w後編
お世話になります。
閑話の後編です。これも短いですし、ほとんど悪ふざけで書いてしまいました。
よって場合によっては削除するかもです。
残すにしても後日大幅に改稿する可能性があります。ご了承ください。
「も、もはやこれまでか・・・」
大混乱と衝撃音で混沌とする中、もたらされたチェンファイの現状を耳にしたシュン主席は絶望の真っただ中に立たされていた。
その時、そこにいた誰かが呟いた。
「大亀神様・・・」
それを耳にしたシュン主席は「ハッ!!」とした。
『大亀神』・・・それは地球の守り神として古くから奴国に伝承されていた巨亀。
噂では貧素な軍事力しかない奴国が華国の度重なる侵攻を防いできたのはこの大亀神の力によるところが大きかったのではないか?とまで言われていた。
この世界における地球との相違点の二つ目が正にこの大亀神の存在である。
しかも奴国にはこの大亀神と交信ができるという巫女が実在するという。
シュン主席は未だ映されている各地の惨状を眺めながらも、絶望のどん底から一筋の光明がさしかかるような思いを抱いていた。
本当に藁をもつかむような感情である。
「そう…だな・・・大亀神ならあるいは?」
ポツリとシュン主席が発したその言葉。
だが、周囲の幹部の意見は二つに分かれていった。
奴国とは敵対関係にあり、今日にでも再び侵攻しようとしていた国である。そんな国の巫女が我が国に力を貸してくれるはずがない。という消極的な慎重派。
片や奴国は我が国の属国にすぎん。差し出させればよかろう。拒否するのであれば力づくで強引に奪えばよいのだ!という強硬派である。
結論が見えないまま、三日三晩もの時間を要して喧々囂々と議論が交わされる。
その間にも三頭のカイブツによる蹂躙劇は続いている。
言い争っている暇はないのだ。刻一刻と破滅へのカウントダウンは既に始まっているのだ!
ひとたび瞑目して熟慮を始めるシュン主席。
考える時間はもうそんなに残されていない。
デカブツ(=ギャズィラと命名)は軍港一帯を。
この首都ケピンを三つ首竜(=キングィドアと命名)が。
更にこの国最大の大都市であるチェンファイに現れた翼竜(=ダロンと命名)
この三体の化け物によって既に壊滅状態である。
周辺国に援助を要請するものの、反応は芳しくない。
そりゃそうだ!
今まで散々周辺国に侵略、強引な略奪、蹂躙を繰り返し、強硬な姿勢を続けてきたのだ。
誰がそんな蛮族の国を助けようか!!
周辺国、並びにこの世界にある国々はこぞってダンマリを貫き、援助要請を無視しているのだ。
唯一この華国の東端に隣接している北の国は支援を申し出ている。
何故ならこの北の国は華国におんぶにだっこ状態の属国なのだからである。
しかしながら普段から華国に依存し、華国からの援助で成り立っている北の国の支援などたかが知れているのである。
幾ばくか熟考した後、シュン主席は決断する。
「もう既に主要都市は壊滅状態であり、この地下設備もあとどれぐらい持つか。。。背に腹は代えられぬ!奴国に頭を下げて助力を懇願するのだ!我々の生き残る道はもはやそれ以外残されておらぬ!!」
当然、それを耳にした強硬派は猛反発する。
「我々選ばれし誇り高き民族が弱き島国なんぞに頭を下げるとは言語道断!」
と騒ぎ出す。
これをきっかけにこのあと、国を二分する内乱にまで発展する。
それが自らの祖国の滅亡を速めているとはつゆ知らずに。
強硬派による執拗なまでの妨害工作をどうにかかわしながら、シュン主席本人が交渉すべく奴国に渡った。
この頃には既に三体の化け物により華国は瀕死の状態であり、しかも内乱も各地で勃発している。
もはやそこには国家など存在していないのかもしれない。
しかもそれに乗じて今まで圧政に虐げられてきた反政府派やかつて占領されていった亡国の民までもが反旗を翻し始めたのだ。
しかしシュン主席はそこまで考えてる余裕もなく、奴国に助力を求める事しか頭になかったのである。
このように逼迫する中、シュン主席が決断してから一週間後、ようやく奴国首相との首脳会談が実現する。
だがしかし、やっと会談にこぎつけたものの、今までの華国の蛮行の数々により、苦しめられてきた奴国にとってシュン主席からの要望など易々と聞き入れられるものではなかった。
シュン主席も華国の置かれている現状を必死に説明して協力を仰いでみた。
「一度こちらで検討させてほしい」との事で、シュン主席は待つしかなかった。
三日後、再度行われた首脳会談にて奴国の首相は助力する条件を突きつけて来た。
その内容は
・今まで幾度と繰り返されてきた侵略戦争を謝罪する。
・二度と侵攻してこないよう、不可侵条約の締結。
・今まで被った被害全ての損害賠償の支払い。
・今回限りの協力であり、関係者の安全の保障
・上記条件を世界各国へ通知し、公式のものとする。
・大亀神様の御意思に従う事。たとえどんな結果になろうとも。
・我々は大亀神様にお願いするのみで他は何もしない。
華国としては到底受け入れられないものばかりである。
もはや一刻の猶予もない本当にギリギリの状況なのだ。
シュン主席はこの条件を飲まざるを得ない。これしか祖国を救う手立てはないのだ。
全ての条件を了承する調印が執り行われた。
シュン主席は見届け人を一人だけ残し、急いで帰国の途に就いた。
奴国の首相は早速、件の巫女を呼び寄せ、大亀神様にお伺いを立ててもらう事にした。
その翌々日、現地である離島にて見届け人が見守る中、ついに巫女は大亀神様とコンタクトを開始した。
このコンタクトが結果的にトドメとなってこの世界から華国という国家が淘汰されようとは誰も予想だにしえなかっただろう。
当のシュン主席もその結果を。祖国の行く末を知る事は叶わなかった。
何故ならシュン主席を乗せて華国に向かった飛行機が撃墜されたからである。
見届け人から情報を得ていた反政府グループの放った小型対空ミサイルによって。
更に見届け人は巫女にとある事をお願いするのであった。
華国の蛮行によって両親を殺されていた巫女は無論、その願いを聞き入れるのである。
「三体の怪物の排除はしなくて結構です。その代わりその怪物に加担して華国を滅亡に追い込んで欲しい」
耳を疑うような言葉である。
実はこの見届け人もまた、華国により人生を無茶苦茶にされた小国の生き残りだったのだ。
それから三日と経たないうちに華国は三体の怪物+大亀神様により、完膚なきまでに破壊され尽くし、地図から消えたのだった。
それと同時に三体の怪物は忽然と姿を消してしまったのである。
唯一残った大亀神様は静かに自分の住処へ戻って行った。
世界中がこの事件で沸き返って行った。
そして二度とあの三体が姿を現す事はなかった。
めでたしめでたし。。。
お判りでしょうが。
最初に出て来た三体は○宝のメジャーどころをモチーフに
大亀神は大○が誇るアレをモチーフに(決してパクリじゃないんだからねっ!)




