プロローグ その一 夢うつつ ~神なるものとの邂逅~
お初にお目にかかります。
小生、ええ年こいたおっさんです。未だ厨二病罹患者です(笑)
初投稿ですのでお手柔らかにお願いします。
色んな小説投稿サイトを閲覧してきましたが、自分が納得できうるだけの究極の「主人公最強もの」がなかなか見当たらないような(あくまで私的主観ですが)気がしたので、ならば書いてみようかな と思い立ち、キーボードを叩いてみました。
むっちゃご都合主義で欲望ダダ洩れの正に妄想書きです。なので文法的にも文脈的にもおかしな表現が出てくる可能性があると思われますが、ご指摘頂ければ幸いです。
まぁ 暖かく見守ってあげてください。(・∀・)ニヤニヤ
それではどうぞご覧ください。(≧▽≦)
変わり映えのしない毎日が惰性に流され、今日もただ漠然と時間が過ぎ去っていた。
雄二は暗闇の中、ベッドに横たわり、
(あ~あ こんなクソみてぇな人生、いつまで続くんやろ・・・)
(いったい何のために生まれて来たんやろ?)
そんなことを想いながら瞼を閉じ、眠りについた。
静寂の中、寝息が漏れ始めて幾ばくか経った頃、
「・・・・・・・・よ」
「・・ま・・・ら・・・うじ・・よ」
(ん?・・・誰かに呼ばれてる?)
意識が混濁する中、ふと誰かに名前を呼ばれているような気がして耳を澄ませてみた。
暫く待ってみたが静寂がその場を支配するのみであった。
(幻聴?・・・空耳かぁ・・・)そう判断し、再び寝入ろうとする。
数秒後、
「稲村雄二よ・・・」
と今度ははっきりとした声音で自分の名前を呼ばれ、目は閉じられているものの意識はクリアーになる。
(・・・誰や?)
警戒しながら頭の中で問いかける。
「我が名は『ゼウス』。数多の世界を統べる神なり」
という厳かで重々しい声が頭に響く。
(・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・はぁ?・・・・・・)
驚きのあまりフリーズしてしまい、一泊おいて素っ頓狂な声が口から洩れると同時に意識が完全に覚醒する。
飛び起きようとするが体全体が金縛り状態になっていることに気付く。おまけに瞼も重いまま開ける事も出来ず、パニック状態に陥り、恐怖のあまり背中に嫌な汗が噴き出すのを感じる。
すると"神"と名乗ったものから優しく落ち着かせるような声色で
「まあ・・・まずは落ち着きなさい・・・そしてそのまま我の話を聞くがよい」
と諭され、言われた通り、ひとまず深呼吸を繰り返して幾分落ち着きを取り戻したところで"神"なるものが告げる。
「其方のこれまでの人生。。。思い起こせば色々不遇の連続であったろう。。。」
「それ即ち今世、今生において魂の器の大きさが余りにもそぐわなんだせいなのじゃ。。。」
(・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・え?・・・・・・・)
(えええええええええ~~っ!!)
再びパニック状態に陥る。
過呼吸気味になるのをどうにか整えながら、言われるまま自分の人生を雄二は思い返してみる。
>>>雄二が生まれたのは日本が高度成長の時代に差し掛かった頃であり、丁度数年後に東京で戦後の日本初のオリンピックが開かれる事も相乗効果になって活気に満ち溢れていた。
そんな中、とある地方都市のとある病院にてごく一般的な家庭の長子として産声を上げたのだった。
ただ8か月という早産だったが為、体重が1300g弱という未熟児だった。それ故、2か月近くは保育器の中で育てられた。ここまでならそれほど問題ではなかったのだが。
数か月後、病院を退院してようやく実家に迎えられた頃、雄二にとって過酷な現実が待っていたのである。
夜泣きが酷くなり、40℃前後の高熱が何日か続いた。両親はオロオロするばかり。幾日か経ってようやく大学病院で診察を受けたが、既にその時には「脳性まひ」に侵され、死にかけの状態にまで追い込まれていた。
どうにか命は取り留めたものの後遺症が色濃く残ってしまっていた。
顔面神経痛の如く、顔が歪み、目は斜視がひどく黒目がばらけていったいどこを見ているのかわからない程。四肢は万遍なく機能障害が著しく、右手は余分な力が入り、無意識のうちに変に曲げてしまう癖がついてしまっていた。その為2歳を迎えた時もまともに歩くことさえ容易ではなく、更には言語障害をも患っており、何を言っているのか上手く聞き取れないような有様だった。
そんな重い障がいを持ってしまった子供のせいで夫婦仲は悪くなり、喧嘩が絶えず、やがては離婚してしまい、最終的には父親に引き取られることになった。{後になって判明した事だが、どうやら父親は女好きで、雄二が生まれる前から浮気をしていたみたいだ。}
すぐに父親は再婚する(恐らくは当時の浮気相手である職場の同僚と)わけだが、唯一の救いとしてはその再婚相手は人間ができており、雄二を自分の子供と変わらない接し方で育ててくれた事であろう。
そしてそんな継母の温かくも厳しい躾のおかげである程度は自分の事が自分でできるようになり、なんとか小学校に通えるまでになっていた。
とは言え、最初の二か月間は空のランドセルを背負うのが精一杯で登下校も危なっかしい足取りだったので母親が毎日教科書などの中身を持って雄二と一緒に学校へ通う毎日だった。
身体的には重いハンデはあるものの知能指数は普通であった為、「普通学級に通わせた方が良い」という医師の進言もあり、近くの小学校、更には中学、高校と通うようになるわけだがそれは同時に雄二にとっては過酷で壮絶なイジメとの戦いの幕開けでもあった。
初めはただ単純に揶揄われる程度だったのだが、雄二の容姿が自分らと明らかに異なる事をだんだん忌み嫌い、蔑むようになっていく同級生が出て来たのだ。
雄二が悪い訳でも何でもないのにだっ!理不尽にもほどがある。
このように人間とは元来、残忍で残酷な生き物なのだ。
執拗なまでに繰り返される容赦ないイジメが続く中、決してそれには屈しなかったのだが、同時に雄二の心は卑屈にひねくれていき、周りに対し、ふつふつとどす黒い感情を向けるようになっていった。
〈なんで自分ばっか・・・〉
自分の境遇を呪い、更に親に対し、学校に対し、世の中に対し、周りのすべてのものに濁った反抗的な目を向けるようになってしまっていた。
特に中心になってイジメを繰り返してきた3人の奴らには殺意さえ覚えるようにまでなっていった。
このように負の感情に支配され、自らその存在を無にする事を考えたのも一度や二度ではないが、それをやってしまっては結局は『負け犬』のままだと己に言い聞かせ、思い留まったのだった。
その後も、どうにかこうにか意地で耐え抜きながら高校を卒業するに至った。2回の大学受験をするも失敗し、就職しようにも面接の段階で、つまり明らかに見た目だけで尽く「NO」と言われ、家にいても親、特に父親からは『タダ飯食らいのゴミ扱い』という不遇の時間だけが重ねられていった。
それでもなんとかある大企業の辺境にある工場に就職することができた。
しかしそこでも田舎特有の因習というか、偏見に晒され、心をすり減らしてとうとう鬱病を患ってしまう。
長年に渡って心を蝕まれ続けた結果であり、もはや限界を迎えていた。
心に闇を抱えながらもなんとか三十数年間、食べていく為にそこで必死に踏ん張った。
その間、同じような境遇の女性と結婚をし、二人の子供にも恵まれた。
子供は幸い、どちらも健常児であったのでこの事だけが唯一幸福と感じる事が出来たのであった。
やがて子供らも巣立っていき、会社も退職して最近になってようやく心穏やかに生活が出来始めてきた今日この頃。でも漠然とダラダラ過ごす毎日。
唯一の悩みは長年連れ添った夫婦仲があまり芳しいものでは無かった事ぐらいだ。
お互い子供がいたから仕方なく一緒に居たのだとでも言うように、顔を合わせればいがみ合う日も多かった。
仕事柄培ったPCやネット関連の知識、技術を生かし、再就職しようとも考えたが、もう今更煩わしい人間関係を繰り返すのも嫌だったので、それも断念してしまう。
結局は何の目的も無く、漠然とネットで好きな投稿小説を閲覧したり、動画を観たり、ゲームに興じたりというインドアーな毎日ばかりを過ごしていた。
(あと何年生きるんやろ・・・・・)と思いながら。<<<
そんな今までの半生を思い起こす。
深いため息交じりにふと心の中で呟く。。。
(確かに、、、ほんと、クソみてぇな人生やったなぁ。。。)
(・・・でもなんでそんな事わかるんやろ?…って、神様やって言うとるし、それぐらいお見通しかwwwでも何やその『魂の器』って??・・・・・・何のこっちゃ??)
(・・・・訳わからんわっ!)
「どうじゃ?思うがまま生き直してみぬか?」
「このまま人生を終えるのでは悔しかろう?」
(っ!!・・・えっ?・・・・そんなんできるんか?)
「うむ。。。自分のやりたい放題にできるぞい?」
(ほんとかよぉ~?)
「うむ、本当じゃ!ただし2つほど条件がある」
(・・・・・・・・・・・・・・)
(やっぱ裏があるやんっ!!・・・・んで?条件てなんやねん?)
案の定、胡散臭い話だったのだが、いちおう聞くだけ聞いてみることにした。
「1つ目は今生での其方の存在は一旦、この場で消える。」
(それって・・・つまり今から死んでまうって事か?)
「いや、そうではない。わかりやすく言えば、『ある時期まで逆行する』という事じゃ!」
(えっ⁉・・・えええ~?えええ~?・・・タイムリープぅぅ~?)
「まぁ、、、そのようなもんじゃ。」
ネットの投稿サイトでよく見かけていたファンタジー物。その中でもよく目にするキーワード『タイムリープ』を即座に思い浮かべる雄二。
『タイムリープ』・・・本来は意識だけを過去または未来に飛ばすと言う意味だが、昨今の創作物の中では意識だけではなく、身体そのものを時間移動させると言う意味でも使われている。
まさか本当にそんな事があるのか?…驚きのあまり、しばし黙り込む雄二。
(小説や映画とか虚構の中だけの話とちゃうんかぁ?)
ため息交じりに深呼吸をする雄二に対し、『ゼウス』が次の言葉を口にする。
「ただ2つ目の条件としてちぃとばかり、ひと仕事してもらうがのぉ(笑)」
(ひと仕事って?・・・・・・・・・・何させる気やねん?)
「それは我の話に乗っかってくれたらおいおい理解できるじゃろう。。。」
(今教えられねぇてかぁ~?なんかズルいな~・・・・・・)
疑心暗鬼のまま必死に思いめぐらせようとするも、
「悪いようにはせぬよ。それを成すための相応の能力も与えよう。。。」
間髪入れずに『ゼウス』は、
「どうじゃ?今までの不遇の人生を塗りつぶして、思うがまま生き直してみぬか?」
「其方次第じゃがの~?」
と、畳みかけてくる。
(う~~~~ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
心の中で二つの意志が葛藤する。一方では「そんな口車に乗っては後悔するだけだ!だまされるなっ!」という意志。その一方で「どーせ残り少ない今生の人生やわっ!」という意志。
雄二の中でせめぎ合いがしばらく続いた。
熟考し、迷いに迷った結果、
(どっちみち、ろくなもんじゃなかったし。。。。。)
(これからも今以上にはならんわなぁ。。。。。。。)
(なら最後までどーせこんななら騙されてやるわっ!)
見事口車に乗り、了承してしまう。
「おおっ!乗ってくれるか。。。ではこちらも猶予はあまり無いし。」
「気が変わらぬうちにとっととやってしまおうかのぉ~。。。ふぉっふぉっふぉ」
『ゼウス』は雄二の言質を取るや否や速攻で行動に移る。正に神業である。
‘銀河を統べる管理者たる’『神』が執った行動にしてはあまりにも性急で見方によっては慌てている、或いは焦っているようにも見えてくるものだった。
(えっ??ちょ・・・・・・まっ・・・・・・・)
有無を言わさず意識を奪われてしまう雄二。
この瞬間、ここにいた『稲村雄二』という人間は一時的にではあるが、存在しなくなる。
文字通り神隠しに遭ってしまったわけだ。残された者達は無論、困惑して途方に暮れるのだが、それはまた別の話。
神らしくない暴挙とでもいうべき振る舞いをしてしまった『ゼウス』であったのだが、それ程までに追い込まれていたのだ。
条件に見合う『魂の器』を探し出す為、それこそ銀河を駆け回った。
部下達だけではとても間に合わない。そこで自らも探し回り、ようやく探し当てたのが辺鄙な場所にある恒星の周りを廻り続けているこれまた辺鄙なごく小さい惑星“地球”だった。
何の確証も根拠もあったわけではなかった。不意に浮かんできたのだ。
それが何者かによって導かれるように何の脈絡もなく、漠然と思いついたのだ。
そうするしかなかった。
しかし、この時はこの銀河においては誰も知らなかった。
まして、雄二も知る由もなかっただろう。自分がどれほどの存在になって復活するかを・・・・
そして神でさえもこの時は想像し得なかっただろう。。。自らが選んだ魂が全神々の範疇を遥かに凌駕する存在になる事を。と言うか、『ゼウス』が雄二を見出すように仕向けた存在があった事も。
誰も知り得なかっただろう。。。
これがのちに、結果として神々でさえ跪き平伏する絶対的な存在、《超越者》が顕現させてしまう事を。
如何でしたか?
かなり重くシリアスな取っ掛かりですが、最初だけですのでご理解ください。
だんだん能天気で好き勝手なストーリー展開になっていきます。
次回もプロローグ的な話になります。設定説明的な内容も含まれるかと思います。
尚、予告なしに修正が入る可能性もあります。ご了承ください。m(_ _"m)