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報告書017-α《使役する者》
【使役する者(真化)】
他者を守るための力として『傲慢』より貸与された権能はテイムの願いの強さを受けて、力の制限を解除した。
それは、自己に対する命令の可否。
テイムは敵を退け味方を守らせるために『支配』の力を使うことが正しいと考えていたが、それはあくまで戦闘を完全に回避できる場合に限られた選択。その戦闘は既に回避不可能な状況まで進行してしまっている場合……複数の敵によって占拠されている場合や味方が既に自分で動くこともできないような状態にある場合は彼の命令による『支配』が有効ではなかった。
故にテイムは自分が憧れていた強者をイメージした。
彼と同じように戦う力があれば、と。
その願いを聞き届けた権能は彼自身を操るという制限を解除し、本来なら自己の肉体への負荷が大きすぎるために絶対にしないであろう行動を反射的に行うことができるようになった。この肉体への負担は限界を超えた動きをした場合に発生するため、テイムは主に『死角からの攻撃に反応する』などの知覚的要素を補うために使用している。




