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遡って............ 参

本部へ到着した私は受付で身分証明を済まし、自分の席へ向かった。



?「おっはよーーーーー!レ・イっちゃーーーーーーーーーん!!」


ドスッ‼


?「ガハッ‼」



私は行き成り飛び付いて来た騒音の元凶の鳩尾みぞおちに一発入れて地に沈め、冷めた眼で見下ろす。



「行き成り飛び付いて来るなと何時も云っているだろう、木瀬川きせがわ



床でお腹を押さえてピクピクして沈んでいるのは一応私の後輩の『木瀬川 永実なみ』。


異能力───『電脳空間でんのうくうかん


年は二十歳で、肩甲骨位あるオレンジに近い茶髪を右サイドに結っている、黒に茶が混じった瞳の女性。

担当は情報系。

私が来ると毎日飛び付いて来るから困ったものだ。



永「痛い。愛が痛い。優しい愛が欲しい」


?「莫迦バカなこと云ってないで、さっさと仕事しなさい。この騒音撒き散らし装置」



そう云いながら永実を右足で踏ん付けているのは『三里みさと 恭介きょうすけ』二十三歳。

少し長めの金髪を後ろで束ね、茶色の瞳の眼鏡を掛けた何時も笑顔の男性。

暴走する永実の抑制者ストッパーでもある。



恭「お早う御座います、朔霧さん。それから木瀬川さん。さっさと起きて指令の内容云ったら如何ですか?それとも職務怠慢ですか?(黒笑)」


「(眼が笑ってない.......)」



三里は冷たい笑みを浮かべた侭、木瀬川を蹴り続けている。



永「わ、分かったから蹴らないで。痛い」


恭「じゃあ、遊んでないでさっさと仕事して下さい。貴女が一番書類が溜まっているんですよ」


永「ウチが得意なのは情報系統であって、書類整理じゃn  恭「ごちゃごちゃ文句垂れる暇があるなら終わらせろ下さい」....泣いても善い?」


「で、指令とは何だ」


永「あ、そうそう、それ!今日の早朝に婆様ばばさまからレイちゃんてにこんな電子手紙メールが届いたんだよね」



婆様は本名を『朔霧 紫都乃しずの』、四十三歳。

白髪で青みがかった瞳。

三十代半ばと云われても全く違和感がない位に若々しい見た目。

世界でも珍しい予知の異能を持ち、『NIX』の中枢人物であると同時に、私の義祖母でもある。


何故『義』祖母なのかと云うと察しが着く人も居るだろうが、私は義祖母とその夫、『NIX』の長官でもある『朔霧 えにし』との間に養子に入ったからだ。


まあ、この話はまた機会があればするとしよう。



はい、と木瀬川から電子手紙の複写コピーを渡された。


「ええっと..........................


『拝啓

麗奈殿にかれましては、ます御健勝ごけんしょうのことと存じます。


今回、御願いのだんあり、御多忙であると存じますが、誠に勝手 ながら電子手紙と云う形で、筆を執らせて戴きました。


昨晩、手前てまえおのが異能によりと或る予知を致しました。


────本日、日が地に隠れ月が天へ昇る頃。

市内の港沿い、第捌だいはち倉庫にて数人の男による白き粉の取引あり。────────


手前が見ることの叶う処は此処迄に御座います。

不思議なことに今回に予知には選択肢はなく、この先へは手前も承知出来ない処に御座います。


不躾ぶしつけ乍ら今回の件の阻止、そして願わくば手前が見ることの叶わなかった未来の事象を御伝え戴ければ誠に幸甚こうんじの至りで御座います。


なお、今回の件に就きましては階級ランクをB4とさせて戴きたく、宜しく御願い致します。


末筆まっぴつ乍ら麗奈殿、そして、異能犯罪特殊捜査事務課の皆様のご健康とご多幸を御祈り申し上げます




西暦某年某月某日  朔霧 麗奈殿


朔霧 紫都乃



                敬具』

.......か。

つまり、今日の日暮れから夜に掛けての時間帯に港沿いの第捌倉庫で麻薬の取引があると」



任務はA~Cの参段階、そしてA~Cの中の1~5段階に別れている。

A1に近付く程危険度が増して行く様になっている。


捜査して取引を阻止しろと云うのは分かるが。



恭「婆様でもそれから先が如何なっているのか分からないだなんて、一体........」


「そうだな。今迄この様なことはなかったからな」



婆様の異能は幾つもある未来への道の中で最も正確であろうモノを見ることが出来る。

その為、私の知る限り見えない何てこと今迄一度もなかった。


何か、いやな予感がする。



「木瀬川」


「?如何かした?」


「この件は私一人に任せて欲しい」


《木瀬川 永実》

異能力─────『電脳空間』

 ▫ 電子機器に繋いだ音波変換装置ヘッドフォンを装着することによって、電子機器内に入れる能力。


 ▫ 電子機器が電子情報通信網インターネットに繋がっていれば、電網破りハッキングや調べものや、電子情報通信網内を自由に行き来するのも朝飯前。


 ▫ 使用中は集中している為、本体は無防備になる。



《三里 恭介》

異能力─────『メモリー』

 ▫ 発動中に視覚に入れたすべてのものを記憶し、脳に定着させることが出来る。


 ▫ 視覚に入れたものだけなので聞いたことは入らない。


 ▫ 能力を遣った記憶のみインプットとアウトプットが可能だが、一度アウトプットをしてしまうと完全に忘れてしまう。


 ▫ 容量に限界はないが、酷使し過ぎると暴走し、混乱をきたすことがある。



《朔霧 紫都乃》

異能力─────『夢の中の旅人』


 ▫ 世界でも珍しい予知の異能


 ▫ 予知は夢の中でしか行えないが、見たい未来を選択することが出来る。


 ▫ 選択は出来るが、近い未来に酷く大きな悲劇がある場合に限り選択肢はなく、悲劇の予知が優先的になる。



※ 朔霧縁の異能の説明は本人が登場してからにしようと思います。

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