遡って............ 弐
向かった先は街の中心部に位置する高層ビル────────
ではなく、そのビルの近くにある『NIX』の者しか知らない地下駐車場。
其処を出て結構広い公園の横の道を通り過ぎ、一寸した横道を行くと『Garm』と云うこじんまりとしたbarがある。
中はレトロな雰囲気で迚も居心地が善い。
此処のマスターに証明書である会員券を提示し、奥へ行くと行き止まりになっている。
壁の何処かにある釦を押すと壁が開き地下へ続く階段が現れる。
階段の先には長い通路があり通路の途中には、指紋認証、声紋認証、虹彩認証、耳介認証、DNA認証、骨格認証、最後に本人しか解らない問題百問の内二十問がランダム形式で出されるようになっている。
通路を抜けると一つの大きな部屋に着く。
向かい側には三つの自動昇降機があり、此方側には計六つの扉がある。
六つの扉は入口、出口の半々。
自動昇降機の内二つは偽物で、一つは爆破、もう一つは落下する仕掛けになっている。
正解である自動昇降機も最後に仕掛けがあり、行きたい階に着いても直ぐに扉は開かず、自動昇降機内にある走査機に会員券を走査しなければ開くことはない。
これ等の仕掛けを抜けた先にあるのが『NIX』の本部だ。